ある夜の話

その日は仕事でひどく疲れててぐったりしながら帰路についた。

いつも立ち寄るコンビニ。

いつも世間話で笑わせてくれる両親のようなオーナー夫婦がいる。

ビールとつまみをレジに置き1000円札で払った。

「げんき...ですか?」

奥さんが言った。

いつもはそんなしんみりしたことは言わない。

毎日会っているからいつもと違う自分のくたびれた様子に気付いたのかもしれない。

本当の両親のように心配してくれている。

僕の表情だけで察したのか。

涙が出そうになった。

「元気です」

と答えた。

すると下をむいてた奥さんが顔をあげ僕と目を合わせた。

「いや、現金ですかチャージですか」