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【第4回】総体としての喫茶アメリカン性

前回の記事はこちら▼

プロジェクトは「ご相談」から始まる

やままさんに連絡をしたのは2019年の3月。TwitterのDМで「ご相談」を送りました。こういう打診の場合、たいてい「ご相談」という表現になるのがおもしろい。

やままさんからは二つ返事でOKをもらいました。

とりあえず4月の初めに蒲田で打ち合わせすることに。どうして蒲田かというと、私の家とやままさんの家のちょうど中間あたりが蒲田だからです。そして「餃子が食べたい」というやままさんの希望にもよります(蒲田には美味しい餃子の店が複数あります)。

ということで、蒲田のルノアールで最初の打ち合わせをした後で「歓迎」の餃子を食べに行くことに決まりました。

喫茶アメリカン性

2019年4月9日。

例によって待ちあわせ時間の1時間前にルノアールに到着した私は(1時間前行動しないと遅刻するタイプなのです)、窓側の席を確保すると、iPhoneでやままさんのブログ「言いたいことやまやまです」を読みながら待ちました。窓の外には蒲田の絶景。

やままさんの「喫茶アメリカン」シリーズの魅力について考えます。

圧倒的な量と繰り返しの中で少しずつ積み重なる変化。その中で変わらないこと。その総体から「喫茶アメリカン」の魅力が立ち上がってくる。

「喫茶アメリカン」は巨大サンドイッチといろんな意味で過剰な店内で有名なお店だけど、やままさんの記事自体がこの「喫茶アメリカン性」を体現している感じがおもしろいんじゃないかなあ、などと考えていると、ルノアール名物「昆布茶」が運ばれてきました。

提案ととりあえずの方針

やままさんに提案したのは、以下のような内容。

●やままさんがブログ「言いたいことやまやまです」の記事をベースに「喫茶アメリカン」の本をセルフパブリッシングで作る。

●Tak.はアウトライン・プロセッシングまわりとセルフパブリッシングまわりのサポートをしつつ、必要に応じて編集協力をする。

●本ができあがった場合(できあがらない場合も考えられますからね)、Tak.はそのメイキング本を別途作る。

●「アメリカン本」はやままさんの著作、メイキング本はTak.の著作とする。

●双方の収益を山分けする。Tak.は今のところ半々をイメージしているけれど確定ではないので、状況によって考えていく。

企画書的なものを作ろうかとも思いましたが、やめてすべて口頭で話しました。こんなざっくりとした方針で「仕事」がスタートするわけです。それが目的の全てではないにせよ、人に売ってお金を得ようというのだから、これは「仕事」です。

お金の話は重要です。でもこの時点でどれくらい売れるのかもわからないし、金額の保証はいっさいないし、双方の作業負担がどの程度になるかもわからない。

保証がないところをお金だけはきちっと決めておくというやり方もあり得ますが、それだとあまりにも本当に「仕事」っぽくなってしまうので、お金の話は「分けましょうね」というだけ決めて、残りは継続的に検討することにしました。

ちなみに「メイキング本」は紆余曲折を経て、今書いているこのnote連載になっています。

コードネーム「歓迎」 

取りかかりとして、次回ミーティングまでにやままさんには「喫茶アメリカン」関係の記事をアウトライン化してもらうことにします。

まず「アメリカン」関連の記事をぜんぶブログから抜き出してWordに貼り付けてもらう。

各記事のタイトルと文中の見出しをWord上で見出し設定してアウトラインモードに切り替えれば、2階層(第1階層=記事のタイトル、第2階層=本文)のアウトラインとして表示できます。

このアウトラインを折りたためば、全体としてどんな記事があるのか一目で見渡せます。そこからどんな本にするか考え始めればいいのです。

プロセスを分けて、各段階で必要なこと意外はなるべく考えないようにすることがアウトライン・プロセッシングのコツのひとつです(そしてそれができることは利点のひとつでもあります)。

なぜアウトライナーとしてWordを使うことにしたのかという話は次回します。

あと、ここで作ったアウトラインをそのまま「本」にしようとすると苦しくなります。このアウトラインは、まずは素材を見渡す、俯瞰するためのアウトラインだからです……というような話もまた次回以降で。

ここまで決めて、やままさんの希望通り「歓迎」蒲田本店に羽根つき餃子を食べにいきます。

プロジェクトのコードネームは「歓迎」に決めました。

(つづく)

次回の記事はこちら▼

最終的にできあがった本はこちら▼


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