【第7回】本のイメージを考える
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2019年4月26日、2回目のリアルミーティング。
やままさんが新宿で用事があるということで、今回は代々木にある老舗珈琲専門店TOMで打ち合わせ。また1時間前に到着し、二階の窓際の席を確保。窓に外には代々木の絶景。
今日のテーマはまず仮タイトルを考えること、本づくりのガイドラインとなる概要説明を書いてもらうこと、そしてできれば仮アウトラインを作ること。とりあえず、私自身がブログから本を作るなら踏むであろうステップを踏むことにしたのです。
その中では、全体の山場と言えるかもしれません。
イメージを探る
まずはやままさんと会話しながら、これから作ろうとしている本のイメージを探ります。
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Tak. やままさんが今回イメージしているのってどんな「本」だろう。
やまま 全体を見渡してもぜんぜんイメージがわかなかったんですよ。あまりにもばらけてるので。ただ「喫茶アメリカン」そのものについてというよりも、研究対象としてひとつのお店に通い詰めること、その行為について書きたいんです。ひとつのお店に通うということをメタ視点で語るような……。
Tak. 実はブログ記事をただ並べただけでは面白くないから、記事を素材に使って何か新しいことを書いた方がいいんじゃないかと昨日まで思ってたんだけど、やままさんから送られてきたアウトラインを見て考えが変わってしまった。
記事の雰囲気がばらけていることがむしろ魅力になるんじゃないか、それを活かした方がいいんじゃないかと思って。ただ下手をするとブログ記事の寄せ集めという印象になりかねないから、そこをどうするか。
※以下は前回出てきた「喫茶アメリカン」関連の全記事をアウトライン化したWordファイル。
やまま そうですよね。
Tak. でも、今のやままさんのアイデアを聞いて、時系列で完全にイケるという印象を持った。思ったのは、この日記感というか、定期報告感を残したほうがいいということ。まさにそこが誰にも真似のできない部分だから。それがメインのコンテンツになる。
全体としてのまとまりを与えるための構造は必要だけど、それがやままさんが言った「研究対象としてひとつのお店に通い詰める行為を見せる」ということになるんじゃないかな。時期によってトーンが変わったり、情報が古くなったりしている問題は、注釈をつけた上でそのまま載せてしまっていいと思う。むしろ歴史資料的な意味で。その雰囲気を出すために、各記事のタイトルには年月日を入れる。全体の構成は年別、あるいは時期別にする。そのかわり冗長すぎる部分はシェイプアップする。
やまま 自分と「アメリカン」との間の親密度レベルの変化を示したいんです。通いながら徐々に変化していく親密度をタグとして使ったら面白いと思うんですよね。ただのお客の段階から常連になって最後には話しかけてもらったりおまけをもらったりするまでの変化の過程。
Tak. それ、面白いな。時系列に並んだ記事を、親密度の段階別に構成してもいいかもしれない。
やまま それが全体の構造にもつながりますもんね。
Tak. それがメインコンテンツになるとして、それとは別にアメリカンの利用マニュアルというか利用ガイド的なパートがあるといいかもしれない。「アメリカンの楽しみ方」的なやつね。そういう実用系の情報も入れる。メインのコンテンツを読んだらたぶん「アメリカン」に行きたくなる人がいるだろうから。もちろん実用情報の部分は最新の情報に更新しておく。
それから全体をまとめる感じの書き下ろしパートがあるといいかもしれない。いつものブログ記事より長めのもの。あるいは細かいコラム的なものをメインコンテンツの周囲にちりばめてもいい。これは時系列パートに入らなかった内容の中からピックアップして入れる……。
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というようなやり取りを経て、
●「1.時系列研究報告系」「2.ガイド系」「3.ブログ記事とは別の新コンテンツ」という3つの要素を入れる
●本筋に乗らない細かいネタで使えそうなものは周囲にコラムとしてちりばめる
●全体をひとつにまとめるための書き下ろしパートを追加する
という方針が決まりました。「新コンテンツ」と「書き下ろしパート」はもしかしたら同じものかもしれません。
もちろんこれは仮の方針であって、もっといいアイデアが後から出てきたら自由に変えてかまわないことにします(すべての方針は仮です)。
それにしても、「親密度レベルの変化」を示すというアイデアはすごく面白いと思います。
仮タイトルをつける
ここから実際の作業に入ります。
まずは本の「タイトル」をつけてみます。これも最終的なタイトルではなく、どんな本にしたいのかを自分でイメージするためのものです(もちろんそのまま最終的なタイトルになることもあり得ます)。
やままさんの案は以下の3つ。
●男気喫茶「アメリカン」に恋して──食パン1斤サンドを食べる日々
●「アメリカン」に恋して──サンドイッチ喫茶訪問記
●「アメリカン」に恋して──食パン1斤サンドを食べる日々
「恋して」というのは、例の「親密度の変化」を恋愛関係の進展になぞらえてるわけですね。
相談しつつ、この中から『「アメリカン」に恋して ~食パン1斤サンドを食べる日々』を仮タイトルに決めました。
(つづく)
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