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ライフ・アウトライン実践1-4 DO-DAYSに書かれるのは「タスク」ではない

前回はこちら。

以前、「1-1 DO-DAYSのいちばんシンプルな使い方」の中でDO-DAYSについて以下のように書きました。

DO-DAYSでやることは「今日」を考えることです。今日とはどんな一日なのか? タスク管理やスケジュール管理に慣れている人は、「つまりデイリータスクリストのようなもの?」と言うかもしれません。そうですね。とりあえずはそう考えておくのがいちばん分かりやすい。

DO-DAYSはいわばデイリータスクリストのようなものだと考えておけばいい。でもそう書いておきながら、ここまで一部の例外をのぞいて「タスク」という言葉は使ってこなかった。なぜならDO-DAYSで扱うのは単なる「タスク」ではないからです。

「タスク」という言葉

「タスク」という言葉はあまり意識されずに使われがちですが、タスク管理の文脈での「タスク」の意味については、以下の説明が言い尽くしています。

英語のTaskには、「作業」「学業」「仕事」といった意味がありますが、タスク管理における〈タスク〉は「実際に取れる行動」を意味します。たとえば、「コピーを5部とる」はタスクです。「明日は早く帰る」はタスクではありません。実際に取れる行動であれば、それはタスクと呼べます。
──倉下忠憲『タスク管理の用語集』

いわゆるタスク管理アプリのほとんどは、この意味での「タスク」を扱うようにできています。

タスク管理アプリは「思い」を扱えない

しかし、思い返してほしいのですが、「やること」が頭に浮かぶとき、それは「タスク」になっているでしょうか。そういう場合もあるかもしれませんが、もっと漠然とした「思い」として浮かぶことが多いのではないでしょうか。上の説明で言えば、「明日は早く帰る」みたいなやつです。

タスク管理アプリには通常こうした「思い」は書くべきではないとされている。実行可能ではなく、完了することもできないからです。そんなことをしたらタスクとして「管理」できなくなってしまうのです。そもそもこうしたアプリはタスクを扱うようにできているので、「思い」を書く場所はない。ついつい「思い」を書いてしまえばたちまち機能不全に陥ります。

だから、タスク管理アプリを有効に使うためには頭の中で「思い」をタスクに変換しなければならないのです。

でも「明日は早く帰りたい」という「思い」は、明日の行動を決める上で重要な情報ではないでしょうか。仕事のための行動も生活のための行動も、実は「思い」によって大きく左右される。「思い」そのものが行動の本質だとさえ言ってもいい気がします。

そう考えると、タスク管理アプリが「思い」を扱えないのは不思議なことではないでしょうか。

「思い」を素直に書けばいい

ライフ・アウトラインでは、無理に「タスク」を書く必要はありません。「やること」が頭に浮かんだら素直に書けばいいのです。これを「タスク」と区別して「DO」と呼ぶことにしています(そう、DO-DAYSやDO-ALLというのはライフ・アウトラインの中のDOを扱うパートという意味なのです)。

ひと言でいえばDOとは「行動についての思い」です。何かをやろうと思う。どこかに行こうと思う。そういうものはすべて「DO」です。それを素直に書く。書いた後どうするか。アウトライン・プロセッシングするのです。なにしろアウトライナーの中にいるのですから。

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