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ポストコロナの暮らしを考える(1.働き方)

今、コロナは働き方の二つの常識を揺さぶっていると思う。

一つ目の常識は、「仕事は会社に通ってデスクに座って仕事をする」というものだ。これは、緊急事態宣言の準備から発令の一夜で、多くの企業勤務者の中で完全に覆った。二つ目の常識は、「フルタイム」という言葉に代表される、「労働は時間で管理する/される」という常識だ。こちらは覆るのにもう少し時間がかかりそうだが、おそらく時間の問題である。

そもそも人類は、インターネットが普及した段階で、リモートワークに必要な技術をほぼ完全に手にしていた。導入を阻害するのは、セキュリティー、(後に述べる)労働管理の問題、アナログオジサン達の無関心の3つでしかなかった。

多くの経営者は、国家的危機となるパンデミックと、自社のセキュリティや労働管理の問題を比較したとき、当然、前者のパンデミック回避への協力を選択した。
一方、その「意図せざる結果」として、4月7日の緊急事態宣言発令は「働き方の革命の宣言」として、労働経済史に記録されることになりそうだ。

これを革命的だと受け取ったのは、高齢の経営者や管理職ではなく、保育園のお迎えの時間が迫る中で、不毛な会議への苛立ちを我慢しながら勤務をしていたパパ・ママワーカーや、在宅介護に勤めていた方達だろう。フルタイムで働けなかったり、残業ができないことを「無能」と評価されて、働きづらかった人達が一気に働きやすくなる可能性が広がる革命であり、多少の振り戻しはあるにせよ、コロナが治まったからといってリモートワークの普及が元に戻る事はないだろう。

また、経営者は目を向けたくないかもしれないが、現実問題として、今、在宅勤務者の現場では、時間労働制が崩壊しているはずだ。小学校・保育園・幼稚園の休校・休園・自粛に伴い、小学校低学年以下の子供がいる家庭では、子供をニグレクトしていない限り、「フルタイム」での作業は現実的に不可能になった。作業量を一定にしようとすれば、昼間に作業ができない分は、子供が寝静まった深夜等に作業をせざるを得ない状況になっている。

今後、学校が正常化するとしても、時間で仕事を管理することの意味は、確実に問い直されていくだろう。二つ目の革命を、起こさなければいけない時が近づいている。

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