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◎百足の草鞋/高速!東西怪獣誕生祭編


 みなみ会館がお休み中でも、ミニシアター、シネコンをうろついていた2018年秋。11月には恒例ゴジラ誕生祭、なのですがもちろん京都会場はお休み。そこで、東京会場のお手伝いへ。

ハイエースに荷物とスタッフがのっていざ東京。11月2日の夜は毎年恒例のゴジラ誕生祭。今年は京都みなみ会館がお休みなので同時開催はままならず、東京へ。今回は運転手等のお手伝い。

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 今回の上映作品は『ゴジラ×メカゴジラ』『ゴジラVSスペースゴジラ』『ゴジラVSデストロイア』の、ゲストの中尾彬さんにちなんだ三本。池袋ヒューマックスシネマはデカい、広い! 生で見るゲストの中尾彬さんはスマートだった! 『スペースゴジラ』出演の斎藤陽介さんのトークには、橋爪淳さんが飛び入りゲストに! しかし、映画をじっくりと見るよりも、ロビーでうろうろしたり、仮眠を取ったり。しかし……東京まで来てフィルム上映のゴジラ映画を何も見ないわけにはいかない! と、最後の『VSデストロイア』の終盤だけを大画面で。大怪獣がドシンドシンと画面いっぱいに暴れる様はやはり気持ちよいものです。

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 夜が明けるとそそくさと大阪へ。休憩を挟みながら、15時ちょうどに寝屋川キャスト社に到着。ばたばたとした2日間は終わった。いや、本番はこれからだった!(ブログより)

 怪獣くじも物販もすぐに完売、東京のファンが映画に夢中になってる間、休憩用に開けられた劇場の床に寝転んで仮眠。そして夜明けには東京離脱。

 ゴジラ誕生祭はこれで終わりません。京都での上映イベントがない代わりに大阪でトークイベント開催。

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『モスラ3』『ゴジラ2000』『ゴジラ×メガギラス』の特殊技術、そして来年オープンの須賀川円谷英二ミュージアムで上映される短編の演出を担当された鈴木健二監督をゲストに迎えてのトークライブ。この日ばかりはロフトがみなみ会館になる、とのことなので吉田由利香館長、それに東京よりいつもお世話になってる中村哲氏、円山剛士氏も登壇、いつもながらのアウアウな司会進行をやらせていただきました。

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 後半には84ゴジラのショッキラスのデザインを手掛けた仁科秀昭さんが飛び入りゲストに。怪獣愛、ゴジラ愛、ショッキラス愛に溢れた濃厚な時間でありました。東京土産? のちびゴジラ帽子をかぶりっぱなしであります。

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 その翌週にアニメゴジラ三部作のラスト『GODZILLA星を喰う者』公開。そしてその勢いでババジラジオに坂井孝行先生がゲスト登壇。と、ゴジラ誕生の月にふさわしいイベントが目白押しでした。

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 ゴジライベントの間には新世界東映で、これまた珍しい『怪談片目の男』鑑賞。

  神父姿にサングラスの西村晃が、なかなかかっこいい。でも合成を駆使した登場シーンは、怖いというよりおかしい。屋根から階段から、よく人が落ちる映画だった。ホラーではなくサスペンス。確かに二重三重のどんでん返しは確かに怪異といえば怪異。
 モノクロ画面に繰り広げられる、欲望と復讐が混ざりあった世界。しかし西村晃はよく妻を寝とられる。
 貸本マンガを見ているような感覚。なんとも不思議な手触りの映画を見たあと、外に出ると、曇天でモノクロのように見えた。(ブログより)

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 新世界の次はシネ・ヌーヴォ。橋本忍映画祭で『幻の湖』を。
大脚本家、橋本忍が満を持して世に送ったのは、なんとも形容し難い、というかどのジャンルにも当てはまらない、あえていえば『幻の湖』というジャンルだった。それほどおかしくはない。四季折々の琵琶湖の風景は美しく、途中で挿入される戦国時代のパートは重厚さもある。でも、それらをつなぐ構成や道子の言動がちぐはぐだったりするのだ。それが最後のマラソン大会で一気に爆発する。

 『犬の復讐は?』と思うぐらいにランニングに没頭するから、おかしさが増してくる。一番の見せ場なんだけど場内では笑い声が。これがこの映画をカルト足らしめてるのか!
琵琶湖から一気に宇宙へ飛ぶラストも、『何の映画だっけ?』と観客をポカーンとさせるのに充分である。(ブログより)


 クライマックスのマラソンシーンには客席から笑い声が漏れていました。唐突すぎて笑ってしまうのです。その翌月には同プログラムで『日本沈没』も。ネームバリューの大きさからか、場内はほぼ満席でした。

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  日本が沈む、という危機的状況を迎える国民を描く前半から、淡々と日本脱出と沈む国土を描く後半、なぜか年に一回は見てしまう映画。フィルムは昨年みなみ会館で上映した時と同じく赤く退色していた。しかしその迫力、危機感は変わらない。とにかく丹波哲郎と小林桂樹の大熱演が光る作品。分かっていても、最後まで気が抜けない。

 場内は年配のお客さんでほぼ満席。商店街の映画館、往年の名作をかけると懐かしくて、見に来るのかな。そんなこと考えながら、九条を後にし、劇中ですっかり水没した泉大津を経由して帰るのでした。(ブログより)

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 その翌週もシネ・ヌーヴォで『王手』を。

 阪本順治監督、新世界で賭け将棋を生業とする真剣師と、プロ棋士の腐れ縁を描いた作品。破天荒な真剣師には『どついたるねん』の赤井英和。ナチュラルな大阪弁とやや硬い芝居のコントラストが奇妙な味わいを生む。個性的なライバルキャラ、新世界のおっさんたちと漫画的なキャラが続々登場。『じゃりン子チエ』の世界だけど微妙に違うし、吉本新喜劇でもない。勝負に命を懸ける男の泣き笑いである。将棋という映画にしにくいような題材を表情と手の動き、それを見守る観客という、スポーツ映画と同じ文法で撮り、効果を生んでいるように思える。(ブログより)

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 そして出町座で『アンダーザシルバーレイク』を。

 再会を約束した女性の失踪、その謎を突き止めるボンクラ男に降りかかる奇々怪々な出来事。
エログロバイオレンスなハリウッドの闇の闇、一体どれが真実なのか? 陰謀論に都市伝説、小ネタや仕掛けがふんだんにちりばめられており、それらが生かされるとちょっとした爽快感もあるのだけど、やはり頭の片隅に残る『?』の数々。ひょっとしたら全てはハリウッドという、虚構を生み出す街の作り出した幻影なのではないのか? そう思うとなんとなく腑に落ちる。
 謎を解くカギがあっさり見つかったり、ヒントの方からやってきたりと、都合の良い部分が多かったりするのも、何か見えない力が働いて、主人公をある方向にもっていくためだったのではないのか? 『実は〇〇(ものすごく突飛なオチ)だったのだ!』『なん、だと?』という石ノ森章太郎漫画的な風呂敷の畳み方にも見えるし、この世の闇を覗いて打ちひしがれつつ生きる、狩舞麻礼漫画のようでもある。多分違うと思うけど。
 好悪の問題ではなく、引っかかる奇妙な映画。ベクトルは違うけど『幻の湖』を見たときのような印象。あ、どっちも湖だ!(ブログより)

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 出町座へ行く途中、工事中の新みなみ会館の前を通ってみました。銀行だった建物の中身をそっくり映画館に改装してしまうという話がロフトのイベントでも語られていました。

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そして年の瀬も押しせる中、ないと思われていた年末オールナイトが、場所を変えて……。

 しかし、振り返ると、シネコン→シネヌーヴォ→新世界→出町座しか行ってない……。

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