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◎百足の草鞋/激震!京阪劇場転換編


 自分はいわゆる『気にしい』で、何か発信すれば、それがどれだけ伸びてどれだけの数が見られてるのか気になる性分なのです。この、個人の過去を振り返るシリーズもまたしかり、じわじわとみられてるようでなによりです。不要不急の外出が自粛されている中、何かの暇つぶしになれば、と思います。何の足しにもならないかもしれませんが。

 初のトークショーの聞き手という大役を担い、冗談で『ババタクヤ十番勝負』とか呼んでいたら、それが十番勝負どころではなく、今に至るまで続くとは思ってもみませんでした。

 さて、年が明けて2016年。この年は12年ぶりの国産ゴジラ映画『シン・ゴジラ』上陸の年ということで、怪獣ムーブメントが再びやってくる年でもありました。いや、ギャレス監督のゴジラの頃から、もっと言えばその前年の『パシフィックリム』辺りからその兆候は見られ、『怪獣』というものが、怪獣的なものがそれ依然頻繁に目につくようになっていたのではないか、と思います。

 そう、あれで終わりではなかった。今年も京都みなみ会館に怪獣は来るのです。『超大怪獣大特撮大全集DX』として、やってきたのです。(ブログより)

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 そんな年の『超大怪獣……』は『超大怪獣大特撮大全集DX』(超DX)と名前も改め、1月よりスタート。その第一弾は『ゴジラ(1984)』『ゴジラ2000ミレニアム』の、復活ゴジラ二本立て。いずれもその後のシリーズの基盤を作った作品で、国産ゴジラ復活の幕開けにふさわしいラインナップでした。

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 2月は『狼の紋章』『美女と液体人間』の変身人間2本立て。人間が溶ける、狼になる! 

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 3月は数年ぶりに新世界東映で『真田幸村の謀略』『花と嵐とギャング』の二本立てを。学生時代以来かもしれない新世界の劇場は、いつの間にか喫煙室ができていました。昔は場内で喫煙が当たり前だったのに。

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 そして『超DX』は『大盗賊』『宇宙大怪獣ドゴラ』の異国情緒あふれるファンタジー&無国籍ギャングが闊歩するSF怪獣物の2本立て。『大盗賊』はその後上映が続く『三船ファンタジー路線』の先駆けともいえる1本。

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 4月は大魔神誕生祭と称し、50年前の封切り日に合わせて『大魔神』『鯨神』の大映作品を上映。ゲストは両作に出演、というよりもミスター大魔神、橋本力氏。

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 早めに京都入りし、太秦の大魔神像にお参り、Tシャツを購入して挑みました。

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 トーク会場、みなみ会館1階はこんな感じでした。みなみ会館前の喫茶店でN社長と橋本氏ご持参の貴重な資料を前に打ち合わせしました。

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 80歳を超えているものの、橋本さんは当時のことをよく覚えておられ、お話もとてもお上手。司会でありながらもこちらはただひたすら橋本さんの秘蔵話に感嘆し、ただただ相槌を打つだけでした


『野球選手は博打やっちゃダメ』は至言、『神様は瞬きしない、神様だからNG出さない』は名言。

 大魔神がタガネを持ち替えるのはご自身でされたとか、カツシンとブルースリーとか、色々。

 打ち合わせ中に聞いた『鯨神は九州じゃなくって館山でロケ』を披露できなかった。橋本さんは今でもメジャーリーグの中継を観戦する野球人でもありました。あと先日見た『人斬り』が猛烈に面白かったとか。(ブログより)


 橋本氏の口からブルースリーの話が聞けて、ゾクゾクしたのを覚えています。

 4月は他にオールナイト企画として『日本沈没』『東京湾炎上』『世界大戦争』という、スペクタクルを並べた『人類絶滅NIGHT』があったのですが……。

 しかしながら、先日の熊本の地震の影響もあり、このご時世にこれは……ということで自粛。すでに原稿を書き上げていたときに変更のお知らせ。自分だけではない、主催側も10日を切った時点でのイベント変更に大わらわだったと思う。しかし、ゲストの中野監督の来館は確定している。ならば中野監督オンリーで、しかも、パニックスペクタクル以外で、ということで今回の3本に。アッと驚くウルトラCの裏では並々ならぬご苦労があったと察する。その思いにも、また中野監督を見に来てくれたファンの皆様にも、満足のいくトークにしないといけない、だんだんプレッシャーが大きくなってくる。(ブログより)

 ということで中野監督をお迎えしての『中野昭慶映画祭NIGHT』へ。上映作品ももちろんチェンジ。『クレージーの大爆発』『惑星大戦争』『激動の昭和史・沖縄決戦』へ。

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 そしていよいよ本番。今までみなみ会館1階のイベントスペースだったので、初めての舞台上のトークになる。お客さんの目が舞台上に注がれる。みんなどんな顔をしているのか見るのが怖かったので、少し視線を逸らす。だからたぶん終始うつむき加減だったと思う。

 トークイベントは上映作品のことについて、がメイン。ご高齢ながらも、中野監督はしっかりした口調で、こちらの質問に答えてくれる。しかし緊張と興奮で、内容はほとんど覚えていない。ひょっとしたらずっと相槌を打っていただけかもしれない。N社長のリードがなければ、グダグダになっていたと思う。覚えているのは惑星大戦争はスターウォーズの角ばったメカに対しての流線形メカであること、金星のシーンで、吸い殻が映ってしまっていること、沖縄決戦は岡本喜八監督とともに本編での爆破演出も手掛けていたこと、等々。また、当時CGがあれば使っていたこと、ただし、専用のソフトを作るところから始める、爆発寸前のフラッシュ光、中野フラッシュの意味など。俺は『男はみんなドリル好き』といったことしか覚えてない。

 何とかイベントは終了。控室で仰ってた『こんな時だからこそ『日本沈没』を』という言葉がよみがえる。あれは破壊のドラマであり、再生のドラマでもあるのだ。

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 べらべらとトーク内容を書いてる……浮かれすぎです。舞台の上に立つのはこんなにあがるものなのか、と思い知らされた夜でした。尼崎の怪獣市場以来の再会となる中野監督はとてもお元気でかっこいい人、テレビで見たゴジラ映画の監督さんなんだなあ、と後になってじわじわ来るものがありました。ゲストイベントではこの『後からじわじわ来る』ことがよくあります。本番は無我夢中ですが、振り返れば、自分はとんでもない人と喋ってたんだなあ、と帰りの車中や帰宅してから思い出すのです。

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 そして翌月は恒例怪獣市場、新進気鋭の田口清隆監督をお迎えするイベントなのですが、このチラシに写ってる怪獣は? これにも触れないといけない、ということで続きは次回。もう、さっさと作品名だけ羅列して済ませたかったのですが、あれこれと思い出しては書くことが多くなっているのです。

 

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