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◎百足の草鞋/玉砕!京阪暴風映画旅編


 ようやく2018年の9月、早く追いつかないと。この月はみなみ会館休館後初の京都怪獣談話室&ババジラジオ。と、その前に新世界東映に。いつもなら任侠&やくざ映画の常設館なのですが、それ以外の東映プログラムピクチャーもぼつぼつと上映してくれるので、見たいものが増えてきたのです。その日の2本立ては……。

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 『散歩する霊柩車』は、二年前の京都みなみ会館、怪奇映画祭ナイトで上映された幻の『怪談せむし男』と同じく佐藤肇監督、西村晃ラインの、これまた未ソフト化の幻の作品。佐藤監督ー西村晃コンビの作品はまだあるということなので、東映怪奇路線の奥はまだまだ深い。

 『散歩する霊柩車』はその縁起でもないタイトルのとおり、霊柩車が街中をぶらぶらと流します。運転するのは寅さんになる前の渥美清。無表情に運転する姿は、どこかこわい。西村晃扮するタクシー運転手が自分の妻を死んだことにして、霊柩車で妻の愛人のもとを訪れてはゆする、というお話。怪奇スリラーというか、悪党だらけのコメディ要素の少ないブラックコメディ。西村晃の妻はむちむちグラマーの春川ますみ。その体格差はまるでノミの夫婦。あの『ウルトラマンレオ』の優しいお母さんが、ここでは数々の男を手玉に取る毒婦役。この二人がゆすって大金をせしめ……でもうまくいかないのが世の常。どんでん返しの連続で、こちらの予想を軽く裏切ってくれる展開。どこか奇妙で、引っ掛かる映画。ショッカー的、というかゴケミドロみたいな菊池メロディの流れる中、小男の西村晃は悪事を重ねるたび強くなる。

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『緋牡丹博徒お竜参上』は、久しぶりにがっつり見る任侠映画。正直、任侠映画はどれも同じように見えるのですが、これは怪獣映画を見たことがない人がどれも同じように見えるのと一緒なのかもしれない。好きな人には区別がつくのだ。
 女博徒、緋牡丹のお竜さん、今回は恩人の娘を探して東京の浅草へ。スリになっていた娘を更正させ、芝居小屋で働かせるも、そこは東映、ただで終わるわけがなく、嵐寛寿郎の親分が仕切る芝居小屋の権利を狙い、敵対組織が……。うん、やはりどこかで見たような。お竜さんの助けもあって、数々の嫌がらせも切り抜けたものの、最後には犠牲者が出て、お竜さんの堪忍袋の緒がぶっつり切れた! 小太刀とピストルで敵陣に殴り込み!


うん、やはりどこかで見たような。いやいや、今はなき浅草十二階がそびえる浅草の大セット。流れ者の菅原文太との雪の夜の別れ、長回し(泣かせるシーンなのに、ずっともぐもぐミカンを食べてる女性がおかしい)やシネスコをいっぱいに使った大胆な構図、(そこ切る?)と思う細かいカッティング等々、加藤泰監督のシリーズもののマンネリ化をさける大胆な試みがちらほらと見えた。
 お竜さんは美人で男前なので、ピンチに遭っても菅原文太や若山富三郎が助けに来てくれるぞ!
 任侠映画音痴(略して任痴症)も楽しめた、食わず嫌いはいけませんな。(ブログより)

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 で、京都怪獣談話室ですが、当日は遅刻をしてしまいました。会場が京都駅近くのレンタルスペースで、駐車場代が目ン玉飛び出る値段だったので、みなみ会館近くの駐車場まで引き返したのです。ゲストが吉田館長なので、いつもよりお上品なババジラジオ。みなみ会館再開のお話がメインでした。

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 うろ覚え大解説もぼちぼちと売れ、途中から吉田館長サイン会のようになってきました。館長のサインだけもらって帰ったお客さんもいるほどです。

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 その数日後、自宅の窓枠が腐っていて、開けようと思ったらそのままガラスがずるっと滑って落下、粉砕したり、翌日は超大型の台風がやってきたりと散々でした。それにもめげず、数年ぶりの九条シネ・ヌーヴォへ。『ウルトラマンティガ』のレナ隊員、吉本多香美さん主演の『樹の上の草魚』の舞台挨拶以来かもしれない。あの時、吉本さんにロビーでサインをもらってしまいました。数々のサインイベントに関わった今となっては『何てことしたんだ!』と思いますが。

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 その日の二本立ては『独立愚連隊』『東京流れ者』の東宝、日活アクション特集。映画館につくと、一番乗りで開場を待っていたのがみなみの常連さんでした。

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 翌10月は出町座で『ゼイリブ』。80年代の逆襲か、この少し前には『ストリートオブファイヤー』『遊星からの物体X』がリバイバルされたりと、ちょっとした80年代ブーム。この日はTOHOシネマズ二条でIMAX『2001年宇宙の旅』を見てたので、SF『宇宙人もいろんなやつがいるんだなぁ』二本立てでした。と、みなみ会館がお休みの間もシネコン、ミニシアターを渡り歩いておりました。そして11月。いきなりの東京! 
 

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