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災害発生後1年-とある情報担当が感じ経験したまとめ

わたくし、体が大きいので「豪快な感じですよね!」と言われがちなのですが、人見知りです。(お酒飲みそうですよね!と言われながら下戸な人と同じニュアンス。)
人見知りなので、人と会うのが苦手。普段はある程度まとまった時間があったとしても一人で遊んでいるのが好きなんです。
だが、人見知りだからと行っても人が嫌いな訳ではない。
ようはわがままなので、会いたい時に誰かに会うのが理想なんですが、そんなわがままに付き合ってくれる人はいません。

今回の東京ではまとまった時間ができたんです。しかも今回はあわよくば誰かに会ってみたかった。
なので、いやらしくFacebookにこんな書き込みしました。

スクリーンショット 2019-10-04 19.12.02

(直接誰かあいましょー!!っていう感じで書かないのは、先ほどからの説明で察してください。)
あくまでも「あわよくば」が前提なので、基本的にはいろんな方が紹介してくれたスペースで軽作業をしながら時間を潰そうとしていたわけですが...
そんななか「減災インフォ」の中の人、ソフトバンクの小和田さんから「WeWorkに遊びにきます?」とお誘いを受けることに運良く成功(!)
災害時自治体でのICTツールの使い方(特にSNSまわり)の意見交換というか、一方的に質問して非常に興味深いお話を聞くことができました。
(こういう話を惜しみもなく、しかも急にもかかわらず教えれくれた小和田さんに感謝を。なんて僕は幸せな環境にいるのか。)

災害時の自治体SNSの活用って重要だよね

昨年の北海道ブラックアウトを経験した僕はこんなことを書いてました。
災害発生時-とある情報担当が感じ経験したまとめ

内容抜粋すると
- 通信への依存をちゃんと理解しとこうぜ
- 災害時とか自治体はSNS活用したほうがよさげ
- システムのクラウド化は有用
こんな内容です。

この中の「災害時とか自治体はSNS活用したほうがよさげ」は、僕が強く意義を感じた実体験です。
あれから1年。普段使いや様々な規模の災害や障害(おかげさまで被害がほぼないものばかりでした)においての運用実績を重ねてきました。
また、他の自治体での運用方法も参考となりました。
例えば今年発生した「令和元年8月九州北部豪雨」では、自治体の公式サイトがアクセス過多により落ちてるのに、公式SNSから追い討ちをかけるように、「詳しい情報は公式サイトへ」という誘導をしてしまったおかげで、負のスパイラルに陥ってしまっている状況などは、僕たちもよくやりがちなので身につまされました。
そして、その積み上げを、先日、室蘭市で開催された「室蘭市防災×ICTセミナー」でお話させてもらったわけです。

201908室蘭市防災イベント

まあここまではいつもの「アレオレ・コレオレ」
「ある程度やってきたことを整理してみんなで共有するのってだいじですよねー」と、「ちょっとオイラこの分野知ってからよ」的な感じの話をしてたワケですよ。調子にのって。
しかし、今回はもう大反省しっぱなしでした。調子に乗ってすいませんというか、ちゃんと調べてなくてすいませんでした。

むしろ災害時の自治体SNSの活用って重要だって知らなかったの?

小和田さんは、災害時の自治体におけるSNSの利活用に関する調査や研究をされているので、ちょっと軽い気持ちで「自治体でのSNS活用って実際のところ現状どうなんすか?」と訪ねてみたところ、聞きたい欲求が止まりませんでした。
何故ならば、自分自身の情報収集能力の無さと、重要なナレッジが活かしきれてない現状にショックを受けたからです。
どんなことにショックを受けたかとかは、もうこのスライドみていただければわかります。

昨年、さも「オイラは知ってる男だぜぇ」とドやりながら書いた内容のプラスアルファの情報がこちら2016年のスライドに全て網羅されています。
詳しくお話を聞いてみると、岩手県さんが2011年に行われていた取り組みを、減災インフォが自治体Twitterを調べ始めた2013年よりまとめ、全国の統計数字を出してNHKで報道されたのは広島土砂災害の2014年だそうです。
かつ、スライドは2016年に茨城県広報研究会のために作られたものとのこと。
(※詳しい記事は減災インフォ 茨城県広報研究会「災害時の広報に関する研修会」 を参照のこと)

このスライドやレポートには記載されていませんが、とある自治体の災害時WEBサイトの運用として「なるほどっ!」と思わず唸ったのが
- 公式サイトがエマージェンシーモードに入った際には最新のお知らせを「twitter」埋め込みにする
- 公式サイト上で重要な情報は画像キャプチャしておきSNSに流しておく
の二点です。

オープンであることも重要な要素な気がしてる

必要な時に必要な情報が、「住民」や「地元に家族を残した方」に届けられない状況というのは、現代自治体として避けなければならないものだと思います。(必ずしも全てができているとは僕らも言い切れませんが。)
twitterは「バルス祭り」でも落ちませんし、twitterのみならず、他のSNSでも自治体のそれとは比べ物にならない強力なインフラを持っていることから、自治体WEBサイトの補完、いや、むしろ情報発信というところではメインでもいいのかもと思ってしまいました。
エマージェンシーモードだけじゃなくても利用価値たかそう。

あと、サイトキャプチャについても、災害時はデータ量を少なくしたいというのもわかりますが、それは自治体サイトへのアクセス時なので、例えばですが、クラウドストレージなんかにサイトキャプチャを置いといてそこに移動を促して取得してもらっていうのもありなのかも。

もっともっと自治体でのSNSの利用が進めば、より細かいところまで情報を発信できる可能性というか、より「ふところ」に情報を配信できることで、みんなの興味・関心も変わってくるかもしれませんし、こうなることで、「もっとナマの情報をくれ」という欲求も生まれてくるかもしれません。
こうして考えていくと、災害時だけじゃなく、普段からも、「一次情報の提供者としての行政のありかた」も考えなければならない。
これまでは「広く伝える」が行政の基本だった気がしますが、これからは「広く、そしてもっとも個人に近いところで伝える」というもの基本となってきており、ここまで近くなってくればくるほど、「よりオープンであることの重要性」が増してくる気がします。しらんけど。
これがデジタル時代のオープンガバナンスの本質の部分なのかも。

201908室蘭市防災イベント2

ただ、SNS利用の比率を高めれば高めるほど、いくら無料といっても、なんとなくフリーライド感が否めなくなりそうなので、個別で協定とかも重要かもですが、そこはSNS運営会社と自治体とが、ある種のコミュニティとして相互で協力し合えるような仕組み作りなどを議論してみたいところです。(どなたかSNS運営会社の方がこれをご覧になっていらっしゃればご連絡お待ちしておりますw)

なお、2015年末の情報にはなりますが、減災インフォさんがつくった、Twitterの利用状況をまとめたインフォグラフィックスが秀逸なのでリンク貼っておきますね。
https://www.gensaiinfo.com/anouncement/2015/0901/2343

おわりに

ここ最近、災害時の記録を残した石碑なんかをないがしろにしてて、結果同じ過ちを起こしてしまうということをさけるためにちゃんと記憶しておこうぜ!という取り組みも多くなってきました。
この取り組みはもちろん重要ですが、今回、小和田さんとの話のなかで、つい数年前の出来事のノウハウですら自治体間の共有ができていない事実を知ってしまい、繰り返しになりますが「ショック」を受けました。
ちゃんと知ってさえすれば、全く同じような事はやらなくても良く、もう一歩先の思考が出来たはず。なんともったいない。
どうやったら、蓄積されたノウハウ(ここでは主に災害時のICT利活用の手法)の共有ができるのか。
防災意識については自治体間によっても大きな差があるとは思います。
しかし「災害」は誰の身にも降りかかる可能性は非常に高い。
このような、いつ誰にでも起こりうるところから、ICTの利活用を考え、身近なものにし、ぜひみんなで「息を吸うようなICT利用」をしていきたいものですね。

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