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暑さの中のマラソンの事故は、自業自得?運営の責任?

この暑い夏も、たくさんのランニングイベントが開催されました。暑いながらも富士登山競争、北海道マラソンなどなど、様々な大会が無事に行われてきました。
ですがついに、啄木ふれあいマラソン大会で危惧していた事態がおこってしまいました。おそらく面識はありませんが、ランニングを趣味とする同士として、胸を痛めています。

当事者でもなく原因も知らない自分ですが、暑さの中でのレースと読んで、思わず当日の現地の気温~暑さ指数を調べてしまいました。

1.現地の環境(過去3回の大会・今年の北海道マラソンとの比較)

データは環境省の熱中症予防情報サイトから、直近三回の啄木ふれあいマラソン大会のWBGTと、今年の北海道マラソンのWBGTの比較

調べると昨年まではこの大会は、熱中症予防指針でいうと「安全」~「注意」の環境で行われていたようです。ですが今年は暑くなり「厳重警戒」下で行われたのです。
ちょうどその2週間前に開催された北海道マラソンのスタートから1時間後のWBGTと同じです。北海道マラソンも10kmあたりでリタイア者が続出したように、啄木ふれあいマラソンもリタイア者が続出、ひいては死亡者まで出てしまったわけです(もちろん高温・熱中症が原因ではない可能性もありますが)。

このことについてニュースをみると、ランナーへの批判(自己責任)、運営の批判、様々なコメントを目にします。実際にこのレースは、スタート前に中止するべきだったんでしょうか。

2.日本スポーツ協会のガイドブックより

日本スポーツ協会:スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブックより

当日はWBGT29~30℃でした。同指針によると厳重警戒となります。その文言は「熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。10~20分おきに休憩をとり水分・塩分を補給する。暑さに弱い人は運動を軽減または中止。」というものです。
主催者がミストシャワーや冷水浴・掛水を準備という記載ではなく、どちらかというと参加者が「避ける」「補給する」「運動を軽減・中止」を判断するような文言に受け取れます。そうしないと陸上であれば全日中やインカレなど、もちろん甲子園での高校野球もできなくなってしまいますし。
今回の当事者となったランナーは、スタートから60分と少し、10kmの部の8.5kmで倒れました。おおよそキロ7分程度で走行していたものと思います。ランナーの走力は知らないのですが、決して無理をしたというわけではなさそうです。

もともとマラソンは一定の割合で、死亡者が出るスポーツです。またスキーや登山など、危険を承知で挑む趣味・競技もたくさんあります。ダメ!中止!とする大会もあっていいですが、国外・県外からの参加者もたくさんいるような中・大規模マラソンは、自己判断で走るのは仕方がないとおもいます。

3.夏季の暑さで軽減・中止する大会

首都圏の3つの月例マラソンの、夏季の対策:それぞれのHPより

地域の小さな大会は、うまくやっているところもあります。
よこはま月例マラソンや月例川崎マラソンは、WBGTが25℃以上(警戒)のときは10kmの部を中止、31℃以上(危険)のとなったら大会を中止としています。
月例赤羽マラソンは暑くなりそうなら10kmの部を中止としています(このアバウトな感じが大好きです)。
このように上手く主催者側で、事故を未然に防ぐこともできるのですが・・・、わざわざ遠方から来たら「5kmで終了」は納得しませんよね。

4.さいごに

今回は暑さの中でのランニングイベントで、死亡者が出る痛ましい事例が発生しました。「夏のスポーツイベントを中止するれば解決!」はその通りです。ですが今回は貴重な夏のイベントを、「ミスト区間」や「AEDバイク隊」を設置して成功させようと主催者は頑張ってくれたわけです。
きっと事故は誰のせいでもない。大会を安全に開催しようとする主催者がいて、暑さの中しっかりと走る練習をするランナーがいる。亡くなったランナーも、きっと他人のせい運営のせいにして欲しいなんて思っていないはず!それならば、ある程度のリスクはあっても、イベントは続けていくべきではないかなぁと思っています。

さいごに、亡くなったランナーのご冥福をお祈りします。


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