見出し画像

『Yes』と『No』をはっきりさせる意味

どうも!アスレティックトレーナーの横川です。
今回もまた、とある動画から感じたことを書いていきます。


組織が良くなるように動く=良い指導になる

まずはこちらをご覧ください⇩

最近何かと話題になる、『広島県安芸高田市』の議会。
かなり面白くて普段からよく観ているのですが、この動画でスポーツ指導に役立つ部分があったのでご紹介します。

動画内の4:55過ぎから。
最近、議会での答弁が変わったと感じる事例として、
できる・できないをはっきり言うようになった』と紹介されています。

日本人は苦手とされている”白黒はっきりつける”感じ。
実はスポーツ指導においては良い指導の『大前提』になります。

『できていない』を言いづらくなった指導現場

これができていないスポーツ指導の事例を挙げると、
・選手の挑戦が無謀であっても、「頑張ってみろ!!」と焚き付ける
・思っているプレーができていないのに「良い感じ」とその場しのぎで言う
・否定せず何でも許容してしまう

特にコンプライアンスやハラスメントが問われる近年、
指導者が『できていない・努力が足りない』などの否定的な言葉を使うことを避けるようになったと感じます。

そもそも指導を否定的な言葉と受け取ってしまうのはなぜか?

それはおそらく、
共通理解の欠如』と『観察・勉強不足』であると私は考えています。

例えばあるプレーが『全然できていない』と指導者に指摘された場合。

指導者と選手の間に共通理解、共通の目標や認識があれば、
その目標に対して足りていない』と言われた選手は理解するはずです。
しかしこれがないと、ほとんどの場合は、選手が自分自身を否定された…と思ってしまいます。
つまり共通理解を持つ・持たないで、同じ言葉を言っても、捉え方や意味合いが変わってしまうことを指導者側は理解しないといけません。

また、観察不足や勉強不足も、否定的に物事を捉えてしまう要因になります。
どちらも不足してしまうと、『相手の思考を推察すること』が難しくなってしまいます。
観察不足は自分中心の発想に陥りがちですし、勉強不足はそもそもコミュニケーションにおいて同じ土俵に立てていません。
これでは指導をしようにも、言葉が通じなくなってしまいます。


現状を打破するには?

このような現状を打破するには、大きく2つのことが重要になります。

①『共通理解』を”議論のもとで”構築する
評価(できている・できていない)をはっきりさせる

スポーツにおける指導においては、この2つができていることは最低条件にになります。

共通理解を議論しながら構築することで、その『過程』も選手と共有することができます。
過程の共有がないと、共通理解がトップダウン形式になり、いくら共通理解を持とうとしても、選手側に納得感が生まれにくくなります。
つまり、選手と共に作り上げていく作業は、後の指導の質に影響してくるといえます。

上記に加えて、選手の行動・目標に向かう姿勢に対してのはっきりとした評価が必要になります。
これを行う目的としては、『基準を明確に示すこと』と『選手の行動指針やモチベーションを保つこと』になります。

曖昧な表現ではなく、『できている・できていない』を評価することで基準が明確になり、立場がはっきりします。
立場がはっきりすることで、『自分が今何をやらなければいけないか』を考えるきっかけになり、選手の行動指針になったり、モチベーションの管理にもつながります。

また評価をはっきりさせることには、現在地を選手自身に理解させる意味合いもあります。
目標に対して、現時点で自分はどこにいるのか?
意外とこれに気づいていない選手もたくさんいます。

自分が思っている以上にできていないこと、逆に自分が思っている以上にできていること、これらをしっかり認識できるように、明確な評価をすることで、選手自身の感じている達成度とのすり合わせを行うことができます。

この2つをしっかり行うことで、選手とのやり取りの中に信頼感が生まれます。

特に2つ目の『評価を明確にする』ことの効果は、個人的に絶大だと思っています
評価を明確にする=基準を明確にすることで、透明性が生まれます。

「この人がこう言うなら間違いないだろう」と思ってもらえると、
言葉の1つ1つに意味が出てきます。

例えば、テレビなどを観ていて、
・なんでも褒めるタレント
・良いものは良い、悪いものは悪いというタレント
同じ商品を『良い』と勧めてきたとして、どちらの商品を買おうと思いますか?…みたいな話だと思います。

良い・悪い両面を見ていること』が評価に妥当性を生み、その妥当な評価を積み重ねていくことで、その指導者の『透明性=信頼性』に繋がっていきます。

このように、共通認識を持ちながら『Yes』『No』をはっきりさせることで、『No』と言った場合の選手の捉え方が変わり、信頼度が積み重なって、質の良い指導ができると私は考えています。

スポーツ以外から指導を学ぶ

今回は安芸高田市の議会で起こっている変化から、スポーツ指導につなげて紹介をしてきました。

何かを観ている・読んでいる・聞いている時、ふと「これ役立つんじゃないか…」と思うことがあります。

1つの業界、1つの競技で全てを完結する。
その業界の常識のみで物事を進める。
これは非常に危険だと思いますし、何よりも進歩がありません。

常にいろんな物事にアンテナを張って、自分の指導に役立つような知識や考え方をつけていければ良いですね!!

では、今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!!🙇‍♂️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?