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リアル開催の読書会も楽しい♪【空き家を楽しむ読書会 開催レポート】

 4/28 GW直前に「空き家を楽しむ読書会」をリアル開催してみました。開催当日の直前まで業務でバタバタしていたこともあり、ほとんどノープランでの開催となりましたが、ごく少人数での開催ということもあり、臨機応変に楽しく読書会を楽しむことができました。

空き家問題という出口の見えない課題

 日本の空き家率は2018年の総務省統計で13.6%。8軒に1軒は空き家という状態です。この数字は今後増える見込みはあっても、減る可能性を予測している人はいません。
 10年以上前にサブプライムローン破綻で住宅危機が発生したアメリカでさえも、空き家率は11%なので、日本の空き家率が世界的にみても突出している状況です。
 この未曾有の空き家問題をテーマに、実際に空き家で楽しく読書会してみよう!というコンセプトで「空き家で楽しむ読書会」を企画してみました。

空き家問題が解決できれば、SDGsに近づける

 「空き家で楽しむ読書会」を企画したきっかけは、リードフォーアクションの World Reading Days 2022 に参加してみたいという気持ちでした。自分が興味を持っている読書会テーマで SDGs に関連しそうなもので何かあるかな?と考えたときに、ふと脳裏に浮かんだのが牧野知弘さんの著書「空き家問題」でした。

 空き家問題が解決できれば、SDGsの「12.つくる責任、つかう責任」「11.住み続けられるまちづくりを」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」に近づけそうだなと思ったのです。

経済効果を狙った、新築着工偏重の政策は見直すべき

 増え続ける空き家率に直面しても、いまだに日本は経済効果の大きい新築信仰に憑りつかれています。税制などの優遇処置も新築や建替えに偏重しており、よい建物を大事に使い、こまめにメンテナンスすることで、社会インフラを末永く有効活用したいという考えが、そもそも行政側に無いような気がしてなりません。
 横浜市の旧市庁舎売却や高輪ゲートウェイ駅近辺の再開発事業など、なぜこれだけ立派な建物を多額の税金を投入して、スクラップ&ビルドする必要があるのか!?と主張したい、今日この頃です。

空き家問題の上がりに「売る」以外のゴールを探求したい

 「空き家を楽しむ読書会」を開催するにあたり、何冊か空き家関連の本を読んでみました。その中で、空き家問題の実情がもっともリアルに描写されていた本は、中山聡さん著作の「新訂 闘う! 空き家術」です。

 本書で著者は次のように主張しています。

空き家すごろくの唯一の上りは「売る」なのです。空き家は持っている限り、背後霊のようにまとわりつき数々の維持費がかかります。しかし空き家を使って儲けようと思わなければ、損切に躊躇しなければ「空き家を売ることは」は必ずできます。

新訂 闘う! 空き家術 p.223より

 確かに、これが空き家問題を解決するための真実なのだと思います。この中古住宅が無理なく売れる・循環する社会にするために、私たちに何ができるのか、数多く存在する空き家問題の書籍から考える読書会としました。

空き家問題を考えるなら、会場は空き家で

 空き家問題を考える読書会を思いついたとき、最初はオンライン読書会を想定しています。ですが、せっかくだから空き家で読書会してみよう!と思い立ち、インスタベースで空き家がもとになっているレンタルスペースを探してみました。

 そんな中で、目に留まったのが今回の会場HANPAはすぬまです。

 東急池上線蓮沼駅から徒歩4分の立地で、築56年の風呂無しアパートの1室。JR蒲田駅西口から「サンライズモール蒲田」の商店街アーケードを道なりに11分ほど歩いていくと、たどり着ける場所に「HANPAはすぬま」はあります。会場のすぐ近くには、東武ストア東矢口店があるので、とても便利でした。

 スペースの中には手作りの本棚と沢山の本が蔵書してあり、読書会の雰囲気を盛り上げてくれます。電子レンジやお湯を沸かす電気ポットも備え付けてあるので、温かい飲み物や軽食をとることもできます。

 大通りから離れている閑静な住宅街に立地しており、室内の備え付け家具は、すべてオーナーさんの手作りのようで、とても居心地のよい空間に仕立て上げられていました。

参加者の参加目的

  • 空き家でのリアル読書会を楽しむ

  • 第2回空き家で楽しむ読書会の課題本を3つ以上見つける

読んだ本

対話内容

  • 「家いちば」の一番の売りは何か?
    物件のオーナーがセルフサービスでサイトに情報を掲載でき、値段設定や取引条件なども自由に設定できる、自由市場となっていること

  • 空き家を管理する際の優れた方法は何か?
    物件のこれまでの利用者や購入層を詳細に履歴管理し、ターゲット層にあわせた修繕や広告を行うこと。空き家を減らすには、行政が買い手や借り手への手厚いサポートを実施すべき。

  • 都会と地方では、どちらの空き家の方が魅力的か?
    地方の方が空き家に畑や海、お隣さんとの交流など、住宅以外の非日常が一緒についてくるので魅力的である。

  • 日本にいちばん合いそうな海外の空き家政策は何か?
    イギリスのように、私権を制限して、空き家になりそうな家屋・土地は行政が没収して、税金で建物を再生させるか、更地に戻せるように法整備する。

気づきと小さな一歩

空き家からスタートして、理想の町なみが見えました。
アンドリュー・カーネギーの逸話から、人とのつながりを提供する場の大切さを学んだことを思い出せた。
リアル読書会に参加できて楽しかった。
今日、紹介された本「集まる場所が必要だ」を読んでみる!

やはり、リアル読書会は面白い。
「空き家幸福論」「がもよんモデルの秘密」「集まる場所が必要だ」「世界の空き家対策」を課題本に、空き家を楽しむ読書会をリアルとオンラインで2回以上エントリする。

ということで、第2回・第3回の空き家で楽しむ読書会を企画したいと思います。

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