見出し画像

やみ鍋読書会の「おこだわり」、俺にもくれよ!!

 Zoomを使ったオンライン読書会をカメラオフで開催したら、歩きながらでも、食事しながらでも、読書会ができるのではないか?参加者の敷居がさがって、より気軽に読書会に参加できて、いいこと尽くめなのでは?

 そんな、安易な発想で5~9月の5ヶ月間 5回にわたって、モーニング読書会のなかで「やみ鍋読書会」を実験開催しました。ちょっと間があいてしまいましたが、改めて「やみ鍋読書会」とは何だったのか?実験開催することで、何がわかったのか振返ってみたいと思います。

やみ鍋読書会の開催要件

 「やみ鍋読書会」はたくわんの造語ですが定義というか、開催にあたって、満たすべき成立要件が3つあります。
・読書会中はファシリテータも含めて、参加者の姿が見えないこと
・本紹介型の読書会であること(テーマ設定はOK、課題本の指定はNG)
・参加者どうしが持ち寄った本について対話すること

 読書会なので、どんな形式でも開催してもいいんですが、「やみ鍋」と銘打っているので、どんな本が出てくるか予想がつかない、1つの鍋に様々な本をぶち込んで、そのカオスをみんなで味わうことが醍醐味です。

 ちなみに、「闇鍋」ではなく「やみ鍋」と書きます。第4回までは「闇鍋読書会」とネーミングしていたのですが、「闇」という漢字が発するダークなオーラが半端ないので、ポップでライトな印象を参加者が持てるように第5回から「やみ鍋読書会」に改名しました。

 「やみ鍋読書会」の形式を最初に思いついたときは、「ブラインド読書会」「目隠し読書会」とネーミングしてみたのですが、当時のモーニング読書会運営メンバーから「それって、やみ鍋じゃないですか!?」と、言い得て妙なネーミングを頂き、気に入って使わせて頂いております。

第1回のおこだわり

 どんな結果になるか、予想がつかいない中、2021年5月5日に満を持して第1回闇鍋読書会を開催しました。第1回開催のレポートはこちらです。

 開催にあたって、こだわったのは次の3点でした。
・Zoomの表示名はニックネームのみとして、集合写真も撮影しない
・読書前の深呼吸は阿字観
・読書会進行のスライドに長谷園の土鍋写真をしつこいほどに多用

 1つ目はシークレット感を出すため。2つ目は深呼吸の最中に映像がないので「あ~」と言いながら呼吸するのは面白いよね~と思ったため。3つ目は地元信楽と縁の深い伊賀焼の窯元 長谷園をアピールしたくなったためです。

 阿字観は真面目にやると、それだけで読書会が終わってしまいそうなので、呼吸する際に阿字を観ながら「あ~」というだけです。正しい手順で阿字観をしたい方は、高野山 金剛峯寺の動画をみましょう。

第1回開催でわかった問題点

 レポートに書いたとおりですが、カメラオフでも読書会は成立できました。カメラ映像がない分、相手の話に集中できるという利点もありそうです。

 ただし、カメラオフで初対面同士の組み合わせは、どうしても心理的安全性の確保が難しい。この心理的安全性の確保を、いかにして短時間で達成するか。これが「やみ鍋読書会」の成否を決めるポイントになりそうです。

第2回のおこだわり

 第2回では参加者同士の心理的安全性を確保するために、次の3点を工夫しました。
・最初はZoomのカメラオンで開始
・集合写真は書影のみにして、あえて顔を写さない
・ファシリテータは最初から最後までマイクオン状態をキープ

第2回開催でわかった問題点

 やはり、カメラオフは対話に集中できる効果があることが、開催直後の参加者さんの感想から伺い知ることができました。

 あと、自分はいつも公園などの屋外から読書会をファシリテートするのですが、散歩中の方に挨拶されたり、わんこ様が挨拶に来られたり、カラスがカァカァ鳴き出したりと想定外の事象が周囲で発生します。マイクオンなので、想定外の事象は発生するものと受け入れて、軽く状況を説明しながら進行するしかありません。ただ、そんなハプニングも参加者さんからは、新鮮で面白いと好評でした。

 おこだわりも意図したとおりに効果を発揮し、第1回よりはリラックスした状態で、皆さん読書会に参加できた模様です。

第3回のおこだわり

 「もっと参加者さんの心理的安全性を上げてみたい♪」ということで、第3回目では読書会の冒頭に投げ掛ける問いを変えてみました。これまでは、「この読書会はフツーのオンライン読書会とは違うんだぜ!」ということを意識してもらうため、「闇鍋読書会と聞いて何を想像しますか?」という問いを投げ掛けていました。なんと、独りよがりな問いでしょうか……😅

 この問いを投げ掛けるのはやめて、代わりに「この24時間で起きた よかったこと、新しいことは何ですか?」つまり Good&New を問う質問にして、自己紹介の中で Good&New を発表してもらうようにしました。ありきたりではありますが、参加者同士の相互理解が少しでも進めばいいなという仕掛けです。

第3回開催でわかったこと

 よくよく考えてみたら、会社内でのZoom会議は司会も含めてカメラオフで開催することが一般的なので、みんなカメラオフでの対話に慣れているようです。なので、「やみ鍋」形式にはテレワークしてる会社員の方ほど、抵抗感というか違和感が無いようです。逆に、仕事しているような錯覚を感じる方もいるようでした。

 3回目にして、いい感じにまとまったので、さらなる高みを目指そうということで、4回目からは聞くだけ参加枠を設けてみることにしました。

第4回のおこだわり

 意気揚々と第4回では「聞くだけ参加枠」を設けてみましたが、聞くだけ参加枠で参加を希望される方はいらっしゃいませんでした。

 今回の読書会で工夫した点は1点のみです。各ワークを説明するスライドで、何をやればいいのか一目でわかるように、文字だけでなく写真によるガイドを追加してみました。例えば、紙に書き出すワークなら「鉛筆を持ってる手の写真」、発表する場面では「大声でうれしそうに歌っている写真」と「聞き耳を立てている写真」という具合です。

第4回開催での課題

 少人数での開催ということもあり、参加者さん同士の心理的安全性も早々に確保できているようでした。逆に、本を読んだ内容について、一人ひとりの発表時間が長くなってしまい、対話する時間がほとんど取れないという課題が現れます。カメラ映像というボディランゲージが使えないので、つい説明が丁寧になって、話が長くなってしまうということです。

第5回のおこだわり

 第5回にして、ようやく「闇鍋読書会」の「闇」の文字が気になり、「やみ鍋読書会」に改名しました。その効果があったのか、第5回では「聞くだけ参加」のお申し込みを2名いただけました。

 今回は、少しでも対話時間を多く確保できるように、読書会の冒頭部分をテンポよく進められるように工夫し、阿字観の深呼吸も3回から2回に減らすなど、細かいチューニングをしています。

 他にも、みんなが持ってきた本のタイトルと本のURL(ブクログ)をチャットに入力することで、お互いが持ってきた本が何なのか把握しやすいようにしてみました。

第5回開催の成果

 おかげで、聞くだけ参加の方が対話の発言に参加したり、チャットで反応して貰うことができたりと、狙ったとおりの結果を得ることができました。発表・対話の時間を延ばして、1グループ3人にできたので、一人ひとりの発表が長くなっても、今回は対話の時間を確保することができています。

やみ鍋読書会のねらい

 やみ鍋読書会を開催した動機は「Zoomのカメラオフで読書会を開催したら面白いかも!?」というものでした。それが、回を重ねるにつれて「読書会を未経験の方が、読書会に興味を持って、ちょっと覗いていみるのに、丁度よい場となり得るのではないか?」と思うようになりました。

 つまり、読書会の入口の役割として、聞くだけ参加枠を設けるわけです。そして、読書会が開催されている様子を聞いているうちに、うっかりと参加してしまう体験が提供できれば素敵だなと思うわけです。

やみ鍋読書会のメリット・デメリット

 やみ鍋読書会のメリットは、その参加しやすさにあると言えます。さらに工夫することで、最初から最後までカメラオフでも心理的安全性を担保できれば、スマホだけで参加できると考えます。そうすれば、通勤・通学時に移動しながら参加したり、朝の散歩やランニングをしながら参加したり、お弁当を作ったり、身支度しながら参加することも可能な訳です。

 そうすることで、読書会がより身近な存在になればいいなと思います。

 とは言うものの、デメリットもあります。例えば、読書会のファシリテータは、ながら参加ができません。ただ、USBオーディオミキサーを活用して、BGMを流すようにすれば、読書時間は音声入力をミュートにしてごはんを食べるくらいはできるかも知れません。

 他にも、音声中心の開催形式となるため、視覚優位の方は参加しにくいという、根本的な問題があります。ただ、こちらについてはオンラインホワイトボードやチャットを活用することで、解決ができそうです。

今後の展望

 上記5回の実験開催をへて、「やみ鍋読書会」は一旦終了としました。第5回のレポートでも書きましたが、「やみ鍋読書会」の形式はZoom開催よりもClubhouseなどの音声SNSでの開催が向いている気がするので、今後はClubhouseでの開催を模索して行きたいと思います。

 「コンサートリーディング」と並行して、改めて「やみ鍋読書会」を企画してみようかなと、この記事を書くことで思い返すことができました。

 ということで、やみ鍋読書会 Coming Soon! in clubhouse です♪ ٩(ˊᗜˋ*)و


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?