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ウェルビーイングについて考える

はじめまして。NBAの一角でシステムコンサルタントをしています。ちなみにNBAとは、近年のデジタル化で売上・従業員数ともに大きく伸びている、野村総合研究所(NRI)、ベイカレント・コンサルティング(BayCurrent)、アクセンチュア(Accenture)の頭文字をとって「NBA」と巷で称されているようです。私も最近知りました。

そんなDXコンサルという激流の中に普段身を置いている私が、最近意識している概念が「ウェルビーイング」です。今回はこの「ウェルビーイング」について記事にしたいと思います。

ウェルビーイングとは?

【出典】金沢工業大学 心理科学研究所 PERMAモデル(Seligman,2011)

皆さんは「ウェルビーイング」という言葉を聞いたことがありますか?

最近は「ウェルビーイング経営」なんて言葉もあるように、企業が従業員の幸せを意識してエンゲージメントを向上させようという動きが活発です。この背景には、転職が当たり前になったことや、従業員がワークライフバランスを重視するようになったこと、などがあります。

「ウェルビーイング」とは、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と翻訳されることも多いです。しかし、実はその定義は明確化されておらず、あくまで各人が定義するもの、とされています。要するに、「何を以てウェルビーイングとするかは人それぞれ」ということです。

まぁ考えてみれば当たり前ですよね。何を以て「幸福」と感じるかは人それぞれですし、なんなら中東のように「幸福」をあまりポジティブに捉えないような文化もあるくらいです。(中東では「幸福」を感じることは神様に対して後ろめたい、という認識があるため。

ウェルビーイングの定義は人それぞれだが、その要因は驚くほど似ている

ウェルビーイングの定義は人それぞれなのですが、ウェルビーイングに至る要因は驚くほど似ています。その要因は以下の2点です。

  • 社会的寛容(LGBTQ+、年齢、女性の権利など)

  • 働く/生きる上で選択肢から自己決定できる

つまり、「年齢や性別、外見などに対して寛容である環境に身を置き、自分の選択で世の中を生きていくこと」がウェルビーイングには重要ということです。
ここで注意したいのは、経済性や民主化などは直接要因ではない、ということです。いくらお金を儲けて巨額の資産を形成したとしても、それは本当の意味での「幸福」には繋がりません。ホリエモンやひろゆきなど、巨額の資産を形成している人が幸福(に見える)のは、お金を持っているからではなく、「自分の意志で自己決定をしている」からです。そして、出る杭は打たれる日本に嫌気が指し、寛容性を求めて海外へ飛び立つのです。

ではどうやって社会的寛容度を高めるのか?

じゃあ海外に行くしかないじゃないか、と思わないでください。日本でも、勿論皆さんが今いる環境でも、社会的寛容度を高めることはできます。
「社会的寛容度を高めるためには、居場所をたくさん持つ」ことです。

皆さんは本当に気兼ねなく自分をさらけ出せる居場所はいくつありますか?学校 or 会社、友人、家族・・・せいぜい3~4つくらいではないでしょうか?
内閣府の調査によると、「自分の居場所の数」と「自己肯定感」は正の相関にあります。それも、居場所は多ければ多い方が良いと言われています。「自己肯定感」だけでなく「充実感」や「チャレンジ精神」、「社会貢献意欲」も同様です。

参考文献)子供・若者の意識に関する調査https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/r01/pdf/s2-1.pdf

つまり、「たくさんコミュニティを持つべき」ということです。しかも、コミュニティごとに「色んな顔で参画」するのがベターです。なぜなら、1つの顔のみだと、その顔がなくなった途端に居場所がなくなる可能性が高いからです。例えば、「大企業の管理職」という肩書で色んなコミュニティに参加していた場合、その肩書がなくなった瞬間に人が離れていく、ということはよくあります。
あるコミュニティでは「大企業の管理職」の顔で参加しても、他のコミュニティでは「ただのゴルフ好きのおじさん」や「二児のパパ」といった具合に、役割や役職ではなく、ひとりの人間として接することが重要です。

寛容性を築くことがウェルビーイングの礎になる

  1. 色んな顔で色んな場に参画する

  2. 仲間を「ひとりの人間」として捉え、丁寧に関係を結んでいく

そうすることで、勝手にウェルビーインな状態に近づけるはずです。周囲に「あの人は人生楽しんでるね」「ハッピー野郎で憎めないね」と言われるようになります。

相手との関係性を築く上で大事なこと

これは、ずばり「自分事化」です。自分の範囲を広げて、「周囲も含めて自分なんだ」「周囲の悩みは自分の悩み」という意識を持つことです。

地方の中小企業に出向くと、口癖のように自社の社員を褒める社長がいます。「うちの社員は素晴らしいんだ。あいつはこんな特技があって、こいつはこんなキャラをしていて・・・」など、止めるまで延々としゃべっています。これこそ、まさに自分事化の究極系だと思います。

まとめると

  • 自分の居場所をたくさん持つ

  • 寛容性を持ち一人の人間として人と接する

  • 自分事化の範囲を広げて、丁寧に関係性を築いていく

  • 自分の意思で自己決定する機会を増やす

これらを意識することで、「ウェルビーイング」な生き方を目指していきましょう。


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