本の紹介47冊目 『夜と霧』
こんにちは、TAKUです。
今日紹介するのは、ヴィクトール・E・フランクルさんの著書『夜と霧』です。
この本は心理学者であるフランクルさんが、第二次世界大戦中、ナチスにより強制収容所に送られた体験を、戦後まもなく『夜と霧』と記したものです。
「言語を絶する感動」と評されています。
人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれら現在に至っています。
それでは、紹介していきます。
【著者のヴィクトール・E・フランクルさんについて】
1905年、ウィーンに生まれる。
ウィーン大学卒業。
在学中よりアドラー、フロイトに師事し、精神医学を学びます。
第二次世界大戦中、ナチスにより強制収容所に送られた体験を、戦後まもなく『夜と霧』に記しています。
1955年からウィーン大学教授となりました。
人間が存在することの意味への意志を重視し、心理療法に活かすという、実存分析やロゴテラピーと称される独自の理論を展開しています。
【無期限の暫定的存在において未来を見失う】
著者は、収容所に収容された人たちの状態を、
「無期限の暫定的存在」と定義しました。
これは、今の特殊な状態がいつまで続くのか分からない状態を示します。
例えば、失業者の状態やいつ退院できる分からない患者の状態のことです。
この状態が続くと、人間は生きる意味を見失って、目的を持って生きることがとても困難になります。
収容所では、多くの人たちが「無期限の暫定的状態」に陥った多くの人たちが、未来を見失って絶望して命を落としました。
そこでこの本で著者は、未来を生き抜くための2つの方法を提示しています。
【1.未来の楽観的なイメージに頼る方法】
これは、例えば強制収容所の中で解放されたあかつきには、大観衆の中で自分の収容所での体験談を話して多くの人から拍手・喝采を受けるようなことです。
このような未来のポジティブなイメージを掲げて、いつかここに辿り着くんだという信念を持って生きることです。
つまり、今の「苦悩」が未来の理想のイメージでは有効的に機能するということです。
しかし、多くの人が実現するかも分からない安易な希望を持って生きてしまい、それが少しずつ絶望に変わっていく中で命を落としていくのだと言います。
実際には、1944-1945年の間に多くの死者が出ました。
それは、収容所の人たちが次のクリスマスまでには出られるのではないか?と安易な希望を持って過ごしていた結果、そんな未来は無いのだと分かり、精神的にも肉体的にも衰弱して命を落としたからです。
【2.今の自分に価値を見出す】
これは、悲観的な未来に価値を見出すのではなく、悲惨な今の自分に価値を見出すことです。
どんなに辛い現在の自分であろうとも、今の自分の在り方を肯定することだと言います。
本書では、
わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えなければならない。
このように語られています。
つまり、
「人間が生きるというのはどんな状況にあろうとも、意味があるのだと信じること」です。
これこそが人間の精神的な自由であり、人間の強さの源であり、自分自身の人生を唯一無二の存在として肯定するものだと学びました。
【最後に】
この本は、心理学者である著者が強制収容所を経験した内容であり、人は最悪の状況においても「人生は自分に何を期待しているのか?」と過酷な状況においても価値を見出すことが大切だと学びました。
ぜひ読んでみてはいかがでしょうか!
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