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女帝の落日

7月7日の七夕に投開票される、東京都知事選がカオスの様相を呈しそうだ。
本来なら東京15区の衆院補選を足掛かりに、国政への復帰を目論んでいた小池百合子氏(71)は、日本保守党から擁立された飯山あかり氏によって立候補を断念する事になったようだ。怖いものなしの小池氏の泣き所である、学歴詐称問題を突かれたからだ。
というのも、飯山氏はイスラム思想研究家で、イスラム語の通訳も務める程の専門家なのである。飯山氏の立候補が表明された日本保守党の記者会見において、代表の百田尚樹氏が「小池さんとイスラム語対決がしたい」と挑発した事も話題になった。
「戦うイスラム研究家」との異名を持つ飯山氏に、以前から自身のYouTubeで「小池のイスラム語は2歳児レベル」などとネタにされていた。
言葉も覚束ないのにカイロ大学首席卒業などあり得ない。

カイロ大学首席卒業というのが小池氏のキャスターデビュー時からの売り文句だ。アメリカ留学当時はごまんといるから、エジプト帰りの経歴は新鮮に映ったろうし、実際小池氏は如才なく立ち回り、一躍人気キャスターへ上り詰めた。「大体やねぇ」とパイプ片手に斜に構えて政治家の悪口をいう竹村健一氏などのアシスタントとして名を売った。
大物や人気者の側に寄り付いて己のステータスをも引き上げさせるスタイルはこの時確立したのかも知れない。

竹村健一の世相講談

知名度とイメージの良さを武器に日本新党から政界進出し、小沢一郎や小泉純一郎、近年では二階俊博。はたまた右翼の大物である笹川良一などを後ろ盾に自民党入りし、環境大臣や防衛大臣を歴任するという見事な大出世を果たす。だがあの大宰相だった安倍晋三氏には蛇蝎のごとく嫌われており、安倍政権時には冷や飯を食わされていた。
それを不服として自民党を飛び出し、ケチな経費着服で追い詰められていた舛添要一氏の辞職後に都知事に当選し、何度目かの人生の春を謳歌したのである。
小池氏にとって、他人は全て利用価値があるかが判断基準のようだ。
さんざん利用するだけ利用して、用が済んだらポイと捨てる。
人間をちり紙くらいにしか思っていないのだろう。
ある意味哀れな人でもある。
安倍晋三回顧録にはこう書かれている
「小池さんは言わばトランプのジョーカーのような人で、単独では無力だが他のカードと組み合わさると俄然威力を発揮するんです」


悪評もどこ吹く風の無敵の小池氏に危機が訪れた。
今から4年前、ノンフィクションライターの石井妙子氏にによって小池氏の半世を綴った「女帝 小池百合子」が一種の暴露本として発売され、かなりの話題になったのだ。
この中で、カイロ時代に19歳の小池氏の様々なサポートを行った北原百代氏(現在は実名公表しているが、発売当時は仮名)が、小池さんはカイロ大学卒業してないと暴露したのだ。
当然小池氏本人の耳にも届く。おそらく本人も読んだ事だろう。
二期目を目指す都知事選を目前にしての発売だっただけに、かなり追い詰められていた様だ。
小池氏の側近として仕えていた元環境官僚の小島敏郎氏はある日小池氏に呼び出された。
部屋に入るとそこには、いつになく焦燥した小池氏の姿があった。
「困ってるのよ、、、」と弱音を吐く小池に経緯を説明されて、学歴詐称問題をなんとか解決したいと相談されたのだ。
この時点で小島氏は小池氏に確認した。ホントにカイロ大学を卒業しているのかと。
小池氏は首を縦に振ったと言う。
小島氏はそれを信じたと後述する。
東大法学部を卒業した明晰な頭脳の持ち主である小島氏にしては随分人がいいと言うかマヌケな話だなと性格の悪い私は思う。
小島氏はエジプト政府に手を回して、カイロ大学側から卒業したと声明を出させれば良いのではないかとアドバイスする。

これに乗った小池は別の側近Aに声明文の原案を書く様指示する。このAは元ジャーナリストだ。
Aによって書かれたコメントを英語に翻訳し、エジプト政府に送った。
小池氏が小島氏に相談を持ち掛けてから、たったの3日後にエジプト政府がfacebookの公式アカウントから声明を発表した。
異例の早さだ。

字が読みにくい 私を含めた老眼の方すみません


この声明によって、今まで学歴詐称を疑っていたメディアも一気に沈静化し、小池は366万もの票を獲得して再選、二期目に突入した。
この時、今や「あかりちゃんねる」でもお馴染みの飯山あかり氏はこの声明文を読んで違和感を覚えたと言う。
「これはカイロ大学及びカイロ大学卒業生への名誉毀損であり、看過することが出来ない」まるで日本の左翼がSNSで批判された時の反応に近いと言うのだ。自分個人に対する批判や指摘を、社会の責任にすり替え、社会が問題だと喚き立てる。
二重国籍を指摘されて、外国人差別だと的外れな反論をする蓮舫と全く同じだ。
飯山氏によれば、エジプト人は個人主義なので、こんな反応はしないと、長くエジプトなどの中東で暮らしてきたからこその感覚で指摘する。
小池氏にとってこれほど憎たらしい人物も珍しいかも知れない。

長くなってしまった。続きはまた。

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