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内部スタッフからみた「ここがヘンだよ!」拓匠開発(4) ~ 入社2年で新設されたアセットマネジメントを手掛ける子会社の取締役に就任した石𣘺欣尚さんの場合 ~

 拓匠開発から依頼をうけた外部ライターが、“遠慮なし!でいいところだけじゃなくて悪いところも紹介する”をテーマに取材をしていく本ブログ。こちらのインタビューでは、拓匠開発の内部の人からみた「ここがヘンだよ!」な部分を、掘り下げます。

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 第4回は、15年間、不動産の仲介や売買などを手掛けてこられ、このほど既存のグループ会社を社名変更し誕生した、株式会社Good andの取締役社長に就任。TTT(とことん闘魂)がキャッチフレーズの石𣘺欣尚さんです。

●収益物件の管理をする新会社とは?

――拓匠開発グループでは今回、7月1日から組織変更があって、拓匠開発で所有している収益物件の管理窓口をする会社として、株式会社Good andが誕生しました。石𣘺さんは、その取締役社長に就任されたんですよね。

石𣘺:拓匠開発グループではこれまで、本来の業務に加えて、千葉県野田市みずきの自社分譲地内にある本格派パン屋「トイット」や、千葉市にある「椿森コムナ」など、飲食事業や駐車場管理、看板用地管理、イベント企画など幅広く手掛けてきました。拓匠開発で運営を行ってきたわけですが、それらを一度きちんと整理して事業仕分けをしたんです。拓匠開発本体にはこれまでの本業務を残しつつ、それ以外の部門を独立させ、それぞれが各々で責任を持って、採算を取ろうという方針となったんです。

 私は分社化する前から拓匠開発の中で収益物件の買取や収益管理業務を手掛けていました。そこで実績ができたので一度切り離して新たに整理しようとなりまして、既存のグループ会社を社名変更してできたものが株式会社Good andです。

――拓匠開発の場合、宅地の造成や住宅の設計・建築・販売などが本来の業務ということですよね。不動産の収益管理とは具体的にどういうことをされるのですか?

石𣘺:一般的にアセットマネジメントなどといいますが、「こういう風にすれば、もっと利益取れますよ」とか「この物件を保有することは魅力的ですよ」とか「売却のタイミングとして今は不調だから、何年か保有しておいて時期がきたら転売しましょう。その為には今先行投資を抑え大規模修繕などは入れず最低限の補修をやって、3年後の転売を目指しましょう」など、中長期的な計画を基に管理していきます。内装などは拓匠開発で手かげておりますので、「自社でバリューアップし賃料〇万円で賃借人を再募集しましょう」という決定を私が主導して決定しております。

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――例えば、御社が開発した物件も、いつかは売りに出すお客さんが出てきますよね。それらも収益物件として転用するんですか?

石𣘺:転用する可能性はあります。
ベストを選択するために、物件に対して、色々な角度からその利活用を検討する目があることが、重要だと思います。単純に古くなった物件を壊してすぐに新しい家を建てて販売することもできますし、例えば壊さずにシェアハウスとして運用したり、民泊としてやってみたりっていう、別の物差しで物件の価値を見出し、相場などとの整合性を見ていくことはできますよね。違ったアプローチで多角的に物件を見ることによって、新しい価値が見出せたり、今までやってきたことが正しかった、とあらためて確認するとか、そういう意味合いでも収益物件として検討することは、方向性を決定するうえで説得材料にはなると思っています。

 現に、「この物件を貸したら賃料はどうなるのか?」と、分譲の部署のほうから質問を受けることがあるので、賃料査定やシェアハウスで運営した場合の想定などを行っています。実際に収益物件としての運営を選択しなかったとしても、そのような活用方法を知らないで単純に社内の意見を聞かずに事業組立するのと、聞いてからするのでは、社内的な説得材料も変わってくると思います。同時に部署間の交流材料にもなっていると思いますね。

――石𣘺さんが入社するまでは、アセットマネジメントの部署自体がなかったんでしょうか?

石𣘺:そうなんです。もともと私は用地の仕入れ部署にいまして、通常業務をこなしながら、収益物件の売買や管理業務を行っていました。また、実はこれまでのキャリアで契約書を腐るほど見てきて、書類の細かいところまで確認するのが得意だったので、契約書類作成やチェック等の法務的な業務も行ってきました。その後、効率を考慮したうえで法務を引き継ぎ、アセットマネジメントをメインとした業務をやらせていただいています。

――基本的に御社は、宅地を開発して住宅を販売しているわけですが、物件の購入ってアセットマネジメントの観点からすると、負債とも捉えられますよね。費用が掛かり続けるし、経年劣化するものなので。収益が出ない物件はないほうが良いじゃないですか。その観点は拓匠開発が今までなかった中で、新しい風として石𣘺さんが活躍されてるんだと思います。そこで、拓匠開発の家をアセットマネジメントの観点で見たときに、どう評価されましたか?

石𣘺:収益的なもので言うと、弊社が開発した戸建住宅を保有して、収益不動産として「利益が出るか」と問われると「出ない」と思います。ただ賃貸が良いか購入が良いかは正解がないと思っていますし、ライフスタイルやそれぞれの考え方ですよね。ちなみに私は購入派です。

 単純にキャッシュフローのことを考えると同じエリアで同じ広さ、同じ築年数のものに住もうとしたら、圧倒的に35年で住宅ローンを組んで購入したほうが、月々に出ていくお金が少ない。あとはどういう場所で買うか。正直に申し上げて、拓匠開発の分譲地は駅から遠いところが多いです。都内とは違い、数年居住後、新築時よりも高い金額で売却できる可能性は極めて低いと思います。以前勤務していた会社で、中古マンションの売買仲介をやっているときもそうでしたけど、千葉県内では新築時から7~8年経過するまでの期間が、価格の下落率がめちゃくちゃ高いと言われていました。それを理由に、中古マンションを買うならば築10年以降くらいのほうが良いということを、購入を検討しているお客さまにはよくお伝えしていました。

 ただ拓匠開発の分譲地は、他社の分譲地に比べて資産価値を落としづらくするための付加価値をつけています。収益性で見たら利益が出るレベルとまでは言えませんが、道路や建物に絵を描かれた街とか、分譲地の中に緑地やビオトープ、パン屋があるといった街は、同じエリアでも中古になった時の価値・流通単価は高くなるので、価格が落ちづらい街づくりをするっていうことに繋がっていると思います。

――なるほど。キャッシュフロー上で言うと、出ていくキャッシュが少ない割に条件の良いところに住めるというのは、購入のメリットですよね。かつ、なぜ拓匠開発で買うのかとなると、価値が落ちづらくて万が一引っ越しをしなければいけなくなっても、次の住み手がつきやすいということですね。これは、なぜ御社が“街ごとコンセプトを持って宅地開発”としているか、の答えのひとつでもありますね。

石𣘺:そうなんです。また、拓匠開発には、一貫して地域の為に、千葉を盛り上げてお客さまに感動を与えようっていう大義があります。

 拓匠開発社長の工藤も、“先義後利”とよく言うんですよね。「目先の利益を追わず、道義を先ず求めれば、自ずと利益もついてくる」という事です。ここ数年、千葉公園で開催している「YohaS-夜ハス-」などのイベントでは人件費も相当かかっていますが、まずは地域の人々に喜んでいただき、地域が活性化し盛り上がることにより、その後に自ずと地域の不動産価値が上がる。そうすれば営業もしやすくなるし、販売もしやすくなるというのが、弊社の目指すものです。

 そして社員が自分の会社が好きになると、自ずと良いアイデアも出てきて、いい提案も出てきますし、その提案が街の付加価値に繋がります。付加価値はビジネスになる。それが噛み合ってくれば、利益も生まれて会社自体も長期に渡って成長し存続する……という循環になっていくんじゃないでしょうか。

●働きすぎの社員が多い!

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――そのために事業仕分けをして、新たな体制になったのが今回、ということですね。では、ここを良くしたら更によくなるのでは? という面はありますか?

石𣘺:部署により業務時間に、差が出ている感じはあります。具体的には、用地仕入、設計部署などは帰りが遅いなって思いますね。会社や仕事が好きな社員が多いですが、そこは改善する必要があると思います。私はずっと営業職に従事してきました。営業の仕事はどこで終わりにするか個人の感覚なので、エンドレスにできてしまうんですよ。

 今月うまくいっても来月、再来月、来期の為にと……そうすると、気合と根性の人間が集まりがちなので、なかなか改善がうまくいかないのでは、と思っています。
長時間働くことは「悪」です。改善が必要です。

 すべての部署、すべての人が会社を支えています。拓匠開発で働く人みんなが楽しく、短時間で高いパフォーマンスを成すために、新しい仕組みや仕掛けを作り、会社と共に成長したいと思います。

――御社の方々は会社のことが好きな方が多いですし、ついついじっくり働いてしまいそうですよね。その中で、新会社の取締役社長に就任された石𣘺さんの役割も大きそうです。

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石𣘺:私が拓匠開発を一言であらわすなら「クレイジーワン」だと思っています。
人間が興味をもち、惹きつけられる存在には、何かしらクレイジーな要素があるもの。拓匠開発で働く社員や、拓匠開発の分譲地にお住まいのお客さまは、そういった魅力に惹きつけられた方々ではないでしょうか。

 そんな中で私は、拓匠開発に入社して、工藤社長が率いる“工藤塾”にも入塾しました。工藤塾では「“徳”というものは何か」「リーダーとは何か」「会社を経営するにはどういうものが必要なのか」を学びました。まだまだ勉強中ですが、少なからず自分が得た学びを会社全体に伝えていくことが、自分のミッションだと思います。


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