『「ブッ○す」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!』とはどういうことか。
ジョジョを読んでいると「あれ？ これってどういうことだろう？」と思うシーンはいくつかあると思います。
・スタンド能力の解釈
・言葉の解釈
・世界観の解釈
今回は、言葉の解釈の中でも有名な「～と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」（ジョジョの奇妙な冒険）というのはどういうことか？ を考察していきたいと思います。
結論から言うと「～と本気で心のなかで思ったなら、その出来事は過去形と変わりないよね？」という意味だと考えています。
1. 「～と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」
ジョジョを読んでいて初めて読んだときに「は？」ってなるところだと思います。引っかかるがゆえに、有名なセリフであるとも言えるでしょう。
ですが私はこのセリフを聞いた時、全く引っかかることはありませんでした。それは、私が同じような体験をして、彼の言葉が「頭ではなくて心で分かっていた」からです。
私が家探しをしていたときのこと、ちょっと遠目で、でも良さげな物件が目に止まりました。
友人「この物件なんていいんじゃない？」
私「いや、そこは会社から遠いからいやだなあ」
友人「この物件から会社までの路線だったら空いているし、座って勉強でもすればいいじゃん」
私「うーん」
友人「TOEICの勉強したいって言っていたし、丁度いいじゃん」
友人は純粋な善意から私に言ってくれていたのですが、私はどうも釈然としませんでした。
やっぱり通勤時間は短いほうが良いし、なによりも「確実に勉強をする」なんていう環境に身を置きたくない、と考えていました。
このときはまだ「勉強をする」ということを「勉強をするかもしれない」ぐらいに考えていました。
やっぱり心のどこかでは「睡眠時間を犠牲にしたくない」とか、「移動にそれだけ時間をかけたくない」と思っていたんですね。
でも「勉強をする」って決めてしまえば、それって過去に起こったことと同じぐらい決定的なことなのです
いわばスケジュールと同じようなものです。私の月曜日から金曜日までの毎日8時間は仕事に割り振られています。来週以降もそんな感じですが、それは過去に過ぎ去ったスケジュールとほとんど変わりはありません。
勉強をするという意志が確固たるものであれば、それはもう過去に勉強をしたという事実と同じぐらい確定したことだ、ということをジョジョのこのセリフは表しているのだと思います。
引き寄せの法則のような感じですね。
2.最後に
注釈的ではありますが、これは絶対的な解釈ではありません。実際、以降のジョジョ原作中のセリフを見てみると、どうにも普通に考える文法では成り立たない会話が展開されます。
ですが、彼らの中では「未来のことであっても、覚悟の程によっては過去形を使っても良い」という文法が成り立つのなら、話は成り立ちます。
「なんとなくそういうことだとは思っていたけど…セリフを読んでいるとしっくりこないところがあるんだよなあ」とお思いの方も、必ずしも言葉の額面どおりに受取る必要はないのだと思います。
究極、話の中に矛盾があってもいいですし、文法に間違いがあっても良い。それにしてもジョジョは面白い。ただ、それだけでも良いんじゃないかな、って思うんです。
やや投げやりのようになってしまいましたが、深く悩むことはありません。実際現実の会話の中で、私達が必ずしも文法に従った会話をしているかといえば、そうではないでしょうし、それで会話が成り立つのも事実です。
人間には雰囲気からその場の空気、相手の言っている言葉の意味、文脈を察する能力が備わっているのです。同時にジョジョという作品は、正しい文章以上の「雰囲気」あるいは「文脈」というものを私達に正しく伝達するだけの力強さを持っている作品です。
読者である私達は、作者が漫画に込めた思いを「雰囲気」「文脈」として理解し、そして感動する。それは最高に幸せなことだと私は思います。
今回は以上です。
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