マルチリンガルと冠詞
ローマに8ヶ月滞在していた時、仲のいいイタリア人女性、スペイン人女性、そしてリトアニア人男性の友人たちとよく出かけていました。
普段は僕らはみんなイタリア語で会話をしました。
スペイン人はイタリア語がほぼ完璧に話せました。でも、リトアニア人と僕は会話なら問題ないけど、まだまだ勉強中というレベルでした。
そんなリトアニア人と僕は、会話中に名詞に冠詞(英語でいう a や the)をつけることをよく忘れててたんです。
日本語もそうですが、リトアニア語にも「冠詞」がないんです。
それに比べるとイタリア語とスペイン語はとても似てる言語なので、「文法」、「単語」や「冠詞をつける位置」も似てるんです。
だからスペイン人の彼女には冠詞をつける習慣があるけど、リトアニア人と僕はすぐ忘れてました。
冠詞をつけ忘れると、そのスペイン人は「冠詞を忘れてるよ」と注意してくるんです。
(もちろん、イタリア人の友人も注意してきます。だけどそのスペイン人の方が多いんです)。
だから僕らは彼女を『冠詞マエストロ』と呼んでました(親しみを込めてです)。
とにかく、友人たちのおかげで、僕らは冠詞をつけることを注意するようになりました。
スペイン人いわく
「名詞には常に冠詞が要るよ」
とのことでした。
文法的には「冠詞が不要」の時もあるのですけど、彼女は「忘れるくらいなら冠詞をつけすぎる方がいい」とのことでした。
まぁそれくらい、「常に注意してね」というメッセージだったのだと思います。
ある日会話をしていると、僕がまた冠詞を忘れて話してたんです。
それに気づいたリトアニア人から「冠詞(英語でarticle) がないよ」と、得意満面で指摘されたんです。
リトアニア人
“Hey! You forgot article!”
(ねぇ!冠詞を忘れてるよ!)
※実際はイタリア語でしたが、日本語だと伝わりづらいので英語で書いてます。
だけど、スペイン人のひと言に救われました。
スペイン人…
“No...! THE article!”
(違うよ。the 冠詞だよ!)
「article だけじゃなくて、the article でしょ!」という、やっぱり冠詞の指摘でした…
リトアニア人も僕も、さすがにこれには笑ってしまいました。
「冠詞は常に必要」
この言葉をあらためて肝に命じた瞬間でした。
※ちなみにこの指摘はドイツ人にもよく言われました。イタリア語やスペイン語、そしてドイツ語は「冠詞は常に必要」と初級では覚えていて損はないかもしれません。
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