事実婚をやめて、結婚した理由
昨年婚約してから早くも1年が経ちました。
そして2018年。9月25日に僕らは結婚することにしました。
これからもふたりを繋ぐ日であり続けてほしいと願って、この日は彼女と僕の誕生日のまんなかにある日付です。おまけに大安。
9月のこと、彼女は「事実婚にしたい」と言いました。住民票、保険証、各種保険、パスポート、運転免許証、銀行口座、クレジットカード、新姓の印鑑、各種サブスクリプションサービス……。新姓にするとさまざまな契約の変更が必要になるからです。
12月に控えるベルリン渡航前までに手続きを済ませておくのは、地道な作業。手続きに時間と労力のかからない事実婚を選び、子どもが生まれる前に結婚して性を統一しようと話していました。
ベルリン・テーゲル空港行きのチケットを取った直後のこと。同じ住所に住んでいないと事実婚は法的に認められないことが発覚しました。
渡航前の貯蓄のために別居しているし、わずかな期間を同棲するとしても、その後渡航するため同棲は解消されてしまう。結婚するか2人のあいだで婚前契約書をつくるか、という2択で揺れることになりました。
ですが、ここまで読んでいただければ思うかもしれません。そんなに結ばれたいなら、シンプルに結婚すればいいだろう?って。
そうだ。僕は気づいたのです。
結婚や事実婚はあくまでも手段であり、手段をよく検討することは気持ちよく生きるために必要なことですが、手段のために右往左往するのは本質ではなく、ほんとうに大切したいことは安心して気持ちよく過ごせるあたたかな家庭を育てていくことだ、と。
カナディアンカヌーに乗って、湖上をゆっくり、スーッと滑るように、2人の人生を共に前進させていくことができたなら、それはとても幸福なことだと思う。
面倒な作業は、これから何度も僕らの前に立ちはだかるでしょう。「2人で生きていく」とは、それらをかわし続けたり先延ばしたりせず、一つひとつ向き合って乗り越えていくということでもあります。
結婚に伴う手続きと生じる費用も、2人で半分づつ分け合って、やりくりしています。
これからパートナーと生きていく方は、結婚と事実婚、あるいは第3の選択肢のなかで揺れることもあると思います。僕らの経験が少しでも役立つものになれたら嬉しいです。
指輪は以前取材させてもらった鎌倉彫金工房さんで作りました。希望に沿って、とにかくスタッフのみなさんが丁寧に教えてくれます。
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