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「また逢いたい」と思える人の存在──君のいまがより良くなるように。

ちょうど先週の今日は、家で、今日とおなじようにゆっくりしていた。翌日から5日におよぶ取材が待っていたからだ。

翌朝6時に目覚めた僕は、東北新幹線に乗って青森県十和田市へ向かった。

連日早朝からインタビューと撮影をおこない、深夜まで語らう日々。ぼくの心に残ったのは、3日目の夜のことだ。この日は取材に快くご協力くださった方のBBQにご招待いただいた。

折りたたみ式の自作椅子が展開されると、玄関先はプライベートBBQルームと様変わり。取材を終えて日も暮れた頃、ひとり、ふたり、さんにん。そして気づけば、15人ほどの輪ができていた。しかも昨年から十和田特集でご一緒してきた方々が火を囲んでいる。

目の前で、なにか奇跡的なことが起こっているように思えた。

移住者の方々が点として暮らしているのではなく、繋がりあっていること。行政の方々も、当たり前のようにそこにいる。さらには僕ら編集部も(それもごく自然と)輪に加わっている。隔たりのない空間がそこにあったように思う。

こういう場があるからだろうか。十和田には、また逢いたいと心から思える人がいる。また一緒にたのしい時間を過ごしたいと思える人たちがいる。そんなふうに思いながらグリルしたての肉を頬張ると、身体が幸福感で満たされていった。

どうやら、また逢いたいと思える人の存在が、仕事の過程における成長や結果に拠る喜び以上に、自分を幸せにしてくれるものらしい。むしろ仕事とは、人を好きになり、関係を築き、絆を深めていくためにあるとさえ思える。

君のいまもより良くなるように。


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