在宅勤務によるコミュニケーションの変化

コロナウィルスの影響によって、あらゆる組織・人が影響を受けていますが、職場での「コミュニケーション」も今後も大きく変化すると思っています。インナーブランディングを担当されている方や、組織づくりを行っている全ての方にとって、効果的な施策を考える前提条件が変わるため、職場内でのコミュニケーションに見られる変化を簡単にまとめてみました。

変化①:「話への割り込み」が減る

変化②:「暗黙知の伝達」が減る

変化③:「偶然の発見」が減る


変化①:「話への割り込み」が減る

会議でも飲み会でも「話に割り込んでくる人」は一定数います。それが良いか悪いかは、その時の文脈によるとは思いますが、ウェブでのコミュニケーションでは対面よりも瞬間的反応が難しいですし、割り込みもしづらくなるのではないでしょうか。つまり「ある程度のひとかたまりの話」を聞き終えるまでは、話に割り込むのが難しい。これは、例えば会議等で自分が発言している時に、誰かに割り込まれて「割り込んでくんなよ・・・」と思うことが多い人にとってはある意味チャンスだと思っていますし、逆に話に割り込んでくるのが得意で、その場の空気感で自分に有利に話を進めることができている人にとっては、少しやりづらさを感じてしまう変化かもしれません。いずれにせよ、ウェブというのは話のタイムラグがあるため、発言者が話し終えるまで待っていないといけないでしょう。この変化によって、「話し方」や「聞き方」、あるいは「会議のまとめ方」などに影響を与えそうです。例えば、話し手であれば、今まで以上に結論や主張を端的にまとめて話し、それに対して相手の明確な反応を求めるための質問力が必要とされると思います。聞き手についても、「我慢して話を聞いて意図を捉える」スキルが必要になってくるものと思われます。この変化が意味することは「ノリ」でその場を支配することは難しくなり、「結論を端的に話す」「相手への反応を求める」という「ロジカルシンキング」がより重要になってくるということでしょうか。また、初対面で関係性作るのが難しくなりそうです。




変化②:「暗黙知の伝達」が減る


これも大きな変化です。特に若い社員は周りの社員を見て、マネしようとするものです。つまり「言葉にはなっていないものの、明確に意識して真似していること」があります。例えば、先輩のプレゼンや話し方を真似たい人がいるとします。話の組み立て方や声のトーン、身振りなどは当たり前ですが、プレゼンの前の時間でどんな準備をしているか、プレゼンで相手からの質問にどう反応しているか、会議のメモをどうとっているか、など、意外と細かい部分まで見ていて真似をしようとするものです。「暗黙知」を形式知化して伝達できている職場でない場合、その「暗黙知が伝わりづらい状態」というのは若手育成という視点では、決して良いことではないはずです。特に、まだ仕事の型を身に着けていない新入社員の成長スピードを決める大きな要素の一つが「いかに優秀な先輩社員から仕事の仕方を間近で見て盗めるか」であるのは間違いないと思っています。なので、大企業・ベンチャーに関わらず、「育成」特に「まだ仕事の型ができていない新入社員の育成」は、今後このような状態が続けばその方法も変わるでしょうし、遠隔であれば「いかに相手を信用する前提で教育するか」という「マネージャーによる厳格な管理」とは、反対の思考様式もある程度必要になってくるのではないでしょうか。今後の展開が気になります。


変化③:「偶然の発見」が減る

在宅勤務だと「明確な意図を持ったコミュニケーション」が中心になります。したがって、雑談の時間が減ります。もちろん、意図的にコミュニケーション量を増やそうとして雑談をしようとする人もいるでしょうし、ある程度ZOOM飲み会等で担保できる部分はあるのでしょう。しかし、例えば隣の人が資料を作成しているのを見て、その資料について気なって少し話を聞いてみたり、その小話がきっかけとなって、その資料が自分の仕事にも役に立ちそうだと分かって共有してもらったり、ということは無くなるわけです。「偶然の発見」と言うと大げさですが、なんとなくオフィスで交わされている会話から、自分自身の仕事のヒントを得る、ということは実は結構自然にやっていたんだな、と在宅勤務を少しやってみて思いました。なので、ここから言えるのは、在宅勤務であっても、ナレッジや情報が流通する仕組みをいかに意識的に作れるかが大切、というまぁ普通の結論にはなってしまいます。が、影響力は大きいでしょう。

以上、簡単にまとめてみました。

急にnoteはじめましたが、今後も、ブランディング、組織開発、コンサルティング、その他ビジネス系のテーマを中心に定期的に発信していきたいと思っていますので、ゆるーく見ていただければと思います!




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