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Photo story

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猿払村に纏わる写真から綴る物語。
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#風景

Photo story No.073 いつもの景色が違った見え方に。

見慣れた風景、普段は気にも留めない風景も視座が変われば全く違った風景が広がる。 そんな視座を人間にもたらしてくれたのがドローン。ここ10年で、とても身近なアイテムになった。 私も、4年前に手に入れて撮影できる写真の幅が大きく広がることに。 普段の暮らしの中では、絶対に目にすることができない。正に鳥になった気分で、景色を楽しめる。 一般的なカメラと違って、風が強いと危険なのでいつでも飛ばせるわけではない。自分が撮影するのは、休日や平日の早朝など。 風の強い地域の猿払村

Photo story No.071 朝焼けに巡り会えない朝も。

猿払で朝陽といえば、海から昇るシーンを撮影することが多い。 例えば、こんなのとか こんなのとか。 朝陽は、とても好きな風景の一つだ。 そして、この日もそんな朝陽が撮影したいと思って、3時過ぎに起床。4時前の日の出に向けて準備。ただ、まだ暗い中だが低く雲が広がっているように見えたので、期待はせずに出発。 いつもの海岸沿いに到着すると、案の定空の低い位置に雲が立ち込め。陽が見えるような感じではない。 早々にあきらめて後にすることに・・・・。 それでも、家に車を走らせ

Photo story No.069 長き陽。

冬には夕方4時には暗くなる猿払も、この時期の日の入りは遅く、陽が長い。 この写真を撮影した2023年6月25日の日の入りは19:24。実に3時間も差があるので、時間の感覚も多少おかしくもなる。 この写真は日の入りから30分ほど経過した時に撮影したもので、20時過ぎ。 流れのある川のはずなのに、まるで時も流れも止まっているかのような様子が目に止まった。鏡のように空が、川面に反射している。 リフレクション好きとしては、素通りすることができず。思わず車を止めて撮影した一枚。

Photo story No.067 平日でも撮影できる夕景。

この時期は、平日でも早く仕事を切り上げられたら夕刻の猿払の風景を撮影することができる。この日は、エサヌカ線まで足を伸ばした。 まず、目に入ったのは自分の影。陽が落ち始めていたから、異様に長くて思わず撮影したくなってしまう。 なかなか、道路の中で収まる位置を見つけられず右往左往。ようやく、頭まで収まる場所を見つけてようやくシャッターを切る。 振り返ると、眩しくも綺麗な夕陽。草を照らし、輝きに輝いている。ココに来ると本当に時間の流れをゆったりと感じる。自然って、本当にいい。

Photo story No.063 猿払なりの白き春。

4月は春、日本では大抵の人にとってそれが常識。でも、北海道だけは例外。とりわけ、北海道北部は春が遅い。 4月に雪が降るという事も、そう珍しいことではない。今日4月16日は、記憶に残る日となりそう。 早朝は強い風と雨、そして雪混じりに変化していく。午後からは、雪の勢いが強くなってきて徐々に積もっていく。 こんな4月を関東や関西に住む人は想像できないだろう。だから、この写真たちをお届けしたい。 ■ 本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。また、次の記

Photo story No.057 自然界の強者を見た。

食物連鎖の頂点に位置するタカ、ワシなどの大型鳥獣がいるということは、その地域の生態系の質と量が豊かなことを示すそうだ。 あまり意識してこなかったが、そういう意味では猿払でも見られることができて嬉しい。 遠目から肉眼では、ほんの小さくしか見えないのでレンズをとおして大きく見られるのはカメラならではの良さ。写真では伝わりにくいが、とても大きい。 夕陽に照らされ、遠くを見つめる姿は姿勢が良くも見え、その佇まいに美しささえ覚えた。視線の先に何を見ていたのだろう。 ワシは1km

Photo story No.048 人の優しさと健康と。

9月2日金曜日の朝からなんだか口の中に違和感。仕事中も気になってはいたが仕事に支障が出るまでではない。昼休みになり、硬めのものを食べるのは無理そう。地元のパン屋でパンを二つ買って食べる。食べている時には問題がなかったが、午後から仕事を進めていると段々と違和感から痛みに変化してきた。頭痛にたまに襲われる私は鎮痛薬を常備しているので、一縷の望みを託して飲み込んだ。少し時間が経つと完全には消えないものの、仕事はし続けられる程度だ。夕方にはまた、強まってきて再度身体に入れる。飲んだ直

Photo story No.032 海から陸へ。

11月最後の日曜日。青空に誘われて、漁港に足が向いた。 猿払のホタテ漁は3月に始まり、11月に終わる。今年のホタテ漁も先日終わり、漁港からは主がいなくなって静けさが。 少し寂しい気もするが、厳しい冬が訪れ流氷も接岸するオホーツク海では毎年のこと。 そして、みなさん漁船はどこにいくの?と思わないだろうか。実は、漁船は漁が終わった11月に陸に上げる。陸に上げられた漁船は、組合員総出で整然と下の写真の様に並べられるのだ。 そして、陸に上げるとき、漁港に下ろすときに活躍す

Photo story No.031 雨のはずが、少し晴れ。天を味方に。

10日間の滞在で1日だけゆっくりと村内をご案内できる日。 そう、今日はおてつたびを活用して猿払村に滞在してくださっているお二人をご案内する日。 ただ残念な事に、雨の予報。お迎えに行く準備をしている時も外からは強めの雨音が聞こえてくる。実際、アメダスの数値を見ると午前中のうちに60mmを超える降水量を記録。 何ヵ所かご案内する場所を想定しているわけだけど、どこへ行っても車から降りられないことが想定される。 猿払のこの時期は不安定な天候が多いのは例年のこと。でも、この

Photo story No.029 みんなに浴びて欲しい眩いシャワー

土曜日の朝、パッと目が覚めるとまだ5時前。天気が良ければ日の出を撮影できるかもと思い、カーテンを開けて空を眺める。 イケそうだ。 支度を整えて、外に出るとかなり冷えてる。車の外気温計に目をやると12℃ほどだ。予想はできていて、装備は準備万端。 朝陽はオホーツク海から昇ってくる。だから、向かうのは海岸沿いの地域というのが定番。 今日は、ホタテ漁船の出港を撮影しようと知来別漁港へ車を10分ほど走らせる。向かう途中すでに、一隻の船が漁場に向かっている模様。 向かう途中

Photo story No.027 秋の風物詩、秋鮭を狙って

どの地域にも風物詩というものはあると思うが、この時期の猿払村の風物詩といえば秋鮭釣りだ。秋鮭を狙って前浜を多くの釣り人が早朝から竿を振る。その数は、ゆうに数百本か、数千本か。多い人は、一人で10本以上の竿を準備している人もいるから、この表現も大袈裟ではないだろう。そして、釣りをしているのは猿払村民だけではない。近隣のまちや、あるいは遠くのまちからも秋鮭の魅力に取り憑かれて来られる方も珍しくない様だ。私は、小学生低学年の頃以来、釣りはしないのだが、その人たちから言わせると「

Photo story No.016 さるふつの3月はまだ冬

猿払の3月はまだ冬。 桜の便りが続々と届くが、まだ冬。 この日も夜が明けた時には、氷点下3℃。 そう、真冬といっても過言ではない寒さだった。 外に出るのも嫌気が差す凍てつく寒さ。 ただ、私には撮影しなければならない理由がある。 それは毎月、広報猿払の表紙写真を担当しているから。 一月に一枚と考えるとそう難しく感じないかもしれないが、私にとっては必死。 足を運んでも、撮影できるとは限らないプレッシャー。 けど、良い作品を作りたいという気持ち。 そう、だから。寒い朝

Photo story No.014 朝陽が昇る前に

今年もこの時期が来た。そう、ホタテ漁が始まったのだ。 3月とはいえ、まだまだ春が遠い猿払の朝は寒い。 今朝は、5時30分ころ浜鬼志別漁港に到着した際には氷点下3度。カメラを構える手も悴む寒さ。 夜明け前の、空のグラデーションがとても綺麗で見惚れてしまう。朝陽が昇ってからは当然綺麗だが、この時間も負けていない。 エンジンを止め車を降りると聞き慣れている音ではあるが、漁船のエンジン音の迫力はすごく、お腹にズシっと響くような音だ。 この寒い中、船員は外で出港に向けた準備

Photo story No.012 染みる夕陽

猿払に住んでいると染みる夕陽は珍しいことではない。 ただ、この日は特別。 4年かけて準備してきたイチゴ栽培の調査研究事業の扉が開かれる時が来た。 村民の皆さんが食べ、笑顔になっている姿を今から想像してしまう。 IoT技術を活用し、省労力化をいかに図るかという挑戦。 猿払の未来のために、できる限りのことをやるのみ。 この日は朝から晩まで、新しい取組みに向けてチーム一丸となっての準備。 気温は低いものの、動いて動いて身体は熱い。 そこで、浴びた夕陽は沁みた。 ・ 機材