【東京ラブストーリー エピソード4 君の翼になる】カンチの気持ちは本当に「愛」に変わったのか
しばらく放置しましたが、久しぶりに東京ラブストーリーの分析です。
因みに私はバッドエンドとか、もやもやっとして終わるものが好きなので東京ラブストーリーは大好きな作品の一つです。
ですが、逆に綺麗なハッピーエンドが好きだという人は、「このエピソードが最終回だったらなー」と思わずにはいられないでしょう。
さて、今回はエピソード4です。
似たもの同士の「カンチとさとみ」
カンチとさとみは、ともに「はっきりしない」。
さとみは、三上と付き合い始めたのですが、さとみは三上に文句を言います。「さとみと、そういう仲になった」ということをカンチに話したからです。
三上としては、3人の友達関係が終焉して、「変わった」ということを伝えたかったからだと思いますし、そういう覚悟でさとみも付き合い始めたのだと思います。
しかし、さとみは理由をはっきり言わず三上に文句を言いました。
三上の立場からすると「実はまだカンチに気があるのでは?」と感じてしまっても仕方がないでしょう。
実際に「お前は永尾への気持ちが残っている」とさとみに言います。
カンチも同様です。
「おめでとう」と2人へ祝福の言葉を送ったあとに、「一緒に暮らすんだ」と三上から言われ、あからさまに動揺します。
そして、その動揺が尾を引き、三上に「お前ら(カンチとリカの関係)はどうなんだよ」と言われると、リカに対して「俺とお前は何も関係ない!」という、とんでもない言葉を浴びせてしまいます。
一晩一緒に過ごしたのに、そんなことを言われたらどれほどショックなことか。ただ、リカもリカで、「東京の女の子ってみんなこんな感じ(誰とでも簡単に一晩過ごすよというニュアンス)だよ」なんて強がりなことを言ってしまうもので、いやまあ、何とも。笑
友達に戻れるか
三上はカンチと話します。
「さとみとのことを祝福してくれるよな?」
「さとみと永尾は友達に戻れるよな?」
さて、そもそも男女の間で友情が芽生えるのかという古今東西の永遠に解決しない疑問が残るわけですが、因みに私は「友情は成立すると考える派」です。
しかし、一度突破した線を引き返して、「友達に戻れるか」というとそれは「難しい」というのが私の意見。一歩、線を超えるか超えないかが重要であり、その道は一方通行です。一度超えてしまった道を元に引き返すことは不可能でしょう。
私の知り合いの女性2人(この2人はお互いに友達)の話ですが、一方の女性と付き合っていた男性が、もう一人の友達の女性の方と結婚してしまい、その2人は絶交してしまったというのがあります。
細かい事情は知りませんし、その男性もどうかと思うのですが、バランスを立て直すことはまず不可能だという例です。
初めての「リカ」
40分を過ぎたあたりのシーン。その日カンチは、仲をこじらせたリカにひたすら無視され続けます。
夜、一人会社の自席に戻ると、リカから雪だるまのお土産が。
「リカ。。。」
このシーンは、それまで見逃していなければ多分カンチが初めて「お前」とか「おい」ではなく、ちゃんと「リカ」と名前を言ったタイミングではないかと思います。
そして、この瞬間が「恋だと気づいた」的な場面になるのではと想像されます。
(余談1)
9分過ぎくらいのシーンで三上とさとみが二人で話をしているのですが、2人の後ろに「あんなに愛しあったのに」という映画のポスターが貼られており、今後の2人の関係を予言しているようにも見えます。
意図した小道具だとしたら、制作チームのきめ細かな仕事に拍手。笑
(余談2)
カンチはアルペンスポーツへ自分たちの売りたい商品を売り込みにいくのですが、そのアルペンスポーツの担当者と知り合いだというリカを頼りません。「自分だけでなんとかなる」の一点張り。
結局リカのおかげで商品を置かせてもらえることになるのですが、これは営業マンとしてはいただけません。
私ならすぐリカにお願いして、最短で実績を出しにいきます。カンチのこの根性論は誰も幸せにしません。
すみません、ホントにどうでもよい余談です。
カンチの気持ちは本当に「愛」に変わったのか
終わりのシーンで、リカの想いが実を結びます。
カンチと会い、お互いに愛してると伝え、めでたしめでたし。
さて、このときカンチの気持ちは本当に「愛」に変わったのでしょうか。
私は、残念ながら変わりつつある惜しい段階だけれど、「まだ変わっていない」状態だったと思います。
この変化に至るまでのポイントとなる出来事は2つあります。
・リカがアルペンスポーツの責任者に「好きな人のことで頭がいっぱい」と伝えており、一杯付き合う(お酒を一緒に飲む)ことを断っていたとカンチが知ったこと。
・出張から帰ってきたリカがその日ずっとカンチを無視しつづけていたのに、「雪だるま」を使って、やっぱりカンチのことを考えていたということ。
うーん、これではまだ弱い!笑
リカが出張の間、リカのいないイスや社内を見て、リカへの想いを膨らませていくわけですが、これをもっと引っ張らないといけなかった。
そして、どうもリカがいけないのは、「まっすぐすぎる」というところ。上手な女の人であれば、きっとカンチが優柔不断だと分かっているので、出張から帰ってきてからも一週間くらいは無視するだろうし、最後に自分から「愛してるって言って!」なんて言わないで、きっと言わせる手をいくつか仕込んでくることが想定されます。笑
リカの「重たさ」「めんどくささ」が出てしまっているんですよね。でも、好きになってしまっているから仕方がありません。
しかし、ドラマ的にはそこが面白いので、個人的には◎なのですが。
そして何より、「好きになった方が負け」なんて言うときもありますが、人を好きになれるのは素晴らしいことです。
よし、お後がよろしいようで。
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