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英検1級を取らないといけなくなりました③

さりとて、来年7月までの英検1級取得に向けて勉強は続いている。
最近知ったのだが1級に関してはS-CBTテストの実施がないらしい。つまり、毎週末に全国各地で行われるパソコンでのテストはなく、年3回のリアルでのテスト一発勝負ということだ。絶対に緊張でお腹が痛くなると思う。筆記試験の最中に尿意をもよおすことも確定事項なので、息子のオムツを借りて履くことも辞さない。英検とはその辺の環境ストレスとの闘いでもあるのだ。

資格取得の過程は苦しいイメージがつきものだが、英検に関して言うと意外と楽しめる人が多いと思う。というのも読解問題は普通に読み物としておもしろい。過去問はもちろんのこと、各出版社が出している練習問題は「出そうな問題」が多いので、これもまたおもしろい。特に旺文社のものは素晴らしくて、さすが英語のエキスパート集団である。

いまはmikanというアプリを使って対策を進めている。旺文社じゃねーのかよと思ったそこのあなた、まあ落ち着いてくれ。mikanは月額料金を支払えば、あらゆる教材が使い放題なのだ。mikanを使って旺文社の「文単」をやっている。これは普通の単語帳と違って、文章を読みながらピックアップされた単語を覚えるというもの。結局このやり方が一番良い。

例えば日本語で「同情」という言葉を覚えるとしよう。単語帳か何かで、同情!ドン!相手の思いを鑑みること!みたいな感じで出されるのと、「家なき子」を見ながらあの名台詞にたどり着くのとではどっちが覚えやすいかという話である。文脈とか繋がりとか物語は強い。紐づけることができる。

文単は先ほど述べたように長文の内容も面白い。昨日やったのはタイタニック号沈没に関するトピックだ。ちょうどオンライン英会話の先生に「カップルが出会ってから沈没するまでの実際の時間と、映画の尺は同じ」という話を聞いていたので余計に興味深かった。英検の長文読解は基本的に作り話等はなく、事実ばかりが書かれている。文単によると、タイタニック号が沈没したあの年は氷山の量が尋常ではなかったらしい。そして沈没したあの日、とある学者は「氷山とスーパームーン」によって起こった偶然が原因とした。

A rare alignment of the sun, the full moon and Earth, plus the closest lunar approach to Earth since AD 796, caused extremely high tides on January 4, 1912.

1912年1月4日、太陽、満月、地球の珍しい一直線に加え、西暦796年以来の月の地球への最接近により、非常に高い潮位が発生した。

The full moon and its proximity to Earth created a “supermoon.”

満月であることと、その地球の接近はスーパームーンを作り出した。

Olson believes the high tide refloated a horde of icebergs that had run aground in the shallow seas just offshore from Canada’s eastern seaboard and sent them in the path of the Titanic.

オルソン氏は、カナダ東部海域のすぐ沖合の浅瀬に座礁した氷山が満潮によって浮き上がり、タイタニック号の航路に送り込まれたと考えている。


理論的なことはよくわからないが、何かおもしろいことは確かだ。海と月に因果関係があることがおもしろい。TOEICみたいに人生の役立たない、同じような話題しかない、しかも架空の長文を読まされるよりは桁違いに良い。英語を勉強し始めてもう6年くらいになるが、なぜTOEICがビジネス英語のベーシックみたいになっているのか全く理解できない。

どうせ英語を勉強するなら、おもしろく、人生の役に立った方がいいだろう。別に英検を受ける必要はないが、趣味としての英語学習は強く推したい。日本語の領域では到底辿り付かなかった人と友達になれるし、知らなかったドラマに出合える。そして、タイタニック号沈没で亡くなった方たちを思い偲ぶ時に、月を見るようになる。

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