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打ち上げ要不要論に新設

「バンドの打ち上げ要不要論争」について打ち上げで話していた。爆心地で非核三原則について語るみたいなことをしてしまった。

打ち上げについてはいつの時代も「打ち上げとかダルい。そもそも音楽と関係ないから不要」というバンドマンからの声があがる。

対して「飲めよ!飲まないと売れねーぞ!」とアルコールハラスメントもなんのそので飲ませまくる先輩という構図があり、不要論者たちはさらに打ち上げを憎むようになるという救いのない話だ。

先日、大阪で大先輩が問いた見解は「要不要は置いといて、打ち上げに出てるやつは総じてエネルギーが有り余っている。結果として売れやすいのかもしれない」というものだった。

僕のベストアンサーが更新された瞬間だった。
日付けをまたぐ頃の心斎橋。隣りでも小学校の一クラス分ほどの人数で打ち上げが行われていた。彼らは売れていた。

要不要論とは異なる角度だし、「だから打ち上げは必要‼️」という極論とはまた違う。

しかしこういう「成功者を調べると非合理を選んでいた話」は他業界でも多い。

プロ野球界でも現在、大谷翔平ライクな「良いものを摂って高みを目指しまくる」というヘルシー風潮が強いらしい。

しかし結果を残して成功している選手を調べると『焼肉食いまくり‼️タバコ吸って酒飲んで、キャバクラで一晩100万会計』みたいなスタイルが多いそうだ。

身体に良くはないだろうし、パフォーマンスも早く寝たほうが上がるに決まっている。大谷翔平が覇者化してまだ数年なので、20年後の調査ではまた結果が変わるのかもしれない。

ただ、「実力が無ければ死。他を蹴落としてでも生き残らねばならない弱肉強食の世界観」においては、豪胆な人間性や肉食感、エネルギーの総量が高いひとに適正があるのもまた事実だ。

もちろんなりたくないパーティー野郎になる必要はないし、ムチャしたり豪遊すれば成功するわけもないのだが、「打ち上げ行かないやつより、行くやつのほうがエネルギー量があることが多い」はその通りだと思う。

「じゃあエネルギーがないやつはあかんのかい!」という話でもない。「そんな怒んないでよ」と言いたい。

エネルギーの話だと『運動エネルギーが位置エネルギーに変換されるか』ということをよく考えるのだが、これも打ち上げ論に盛り込める。

位置エネルギーとはいわゆる『映え』とか『盛り』みたいなものだ。悪い言い方をするならば、優良誤認させるとこの世では他者に評価されるし人間にモテる。このゲインのことだ。

たとえば僕の場合、ライブハウスに行くたびに「Xで文章読んどるぞ!」と言ってもらえる。おしゃべりやテキストの仕事も増えた。これは半年前にはなかった現象だ。

要因は三ヶ月前にXをプレミアムプランに更新したことだ。
すると長文が書けるようになって、インプも10万以上つくものが週にいくつか上げられるようになった。

だけどこれらの内容はじつは数年前にnoteに書いていたことだ。貼っただけなのだ。
そこに数字が付いたり、よく流れたりしてくるという『盛り』があると、自分の位置エネルギーが上がる。

映画化もそうだが「映画になってすごいね」と言われるけれど、内容は別にずっと前に書いたものだ。急に素晴らしくなったわけではない。つまり品質は数年前から変わっていないのに、位置エネルギーが高まった状態だ。

打ち上げ不要論者のバンドマンには『盛り』に嫌悪感を示してしまう本質厨が多い。

なぜなら打ち上げは「運動エネルギーから位置エネルギーを生み出す行為」に他ならないからだ。
位置エネルギーが絶対に生み出されるという確約はないけれど、そこに運動エネルギー自体は存在する。

簡単に言うと「対バンした」だけじゃなくて、「飲んだこともある」になったら位置エネルギーが上がる。位置エネルギーが上がれば、また一緒にやれたり、他の何かに繋げることをやりやすくなる。確約はないが、低いよりは位置エネルギーが高いほうが可能性は高まる。

本質的にはステージ上の時間だけでバンド活動なんて足りているのかもしれない。ただここに「打ち上げ」という運動エネルギーを加えると、別の何かが得られたり得られなかったりする。

損か得かという話ではなく、打ち上げるほうが運動エネルギーが発生するということだ。音楽だけやるほうが運動エネルギーの消費は少ない。

「打ち上げにおるやつ、シンプルにエネルギーあるよな」は目からうろこがボロボロ落ちた。

そもそもエネルギーをケチらずに使いまくる人間の人生は何かがたまにヒットする。

ビジネスだと『4/5よりも20/100の人物のほうが優秀』という例がよくあるけれどアレだ。

エネルギーがあるやつは試行回数という魔法の杖を持っているゆえにうまくいくのだろう。

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