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城ヶ島の人面岩を探せ!
年も押し迫ってきましたが、なんとなく海と岩場が見たくなり、前から気になっていた京急の「みさきまぐろきっぷ」を使って、城ヶ島まで行ってきました。
人生の大半を神奈川県民として生きてきた私ですが、恥ずかしながら、ごく最近まで、城ヶ島(神奈川県三浦市)と城ヶ崎(静岡県伊東市)の違いもわからない物知らずでした。少し前、ある映画のヒロインをやってくれた方が、別名義でバンドのボーカルをしており、そのMVを城ヶ島で撮影したという話を聞いて、それ以来、いつかは訪ねてみようと思っていたのです(以下の映像を参照)。
事前にネットで周辺情報をリサーチして、
「午前中に現地到着、13時過ぎまで島の東側を散策し、城ヶ島バス停近くにて昼食、その後、西側を散策して、日没ごろに撤収」
というプランを考えたのですが、城ヶ島エリアで「みさきまぐろきっぷ」が使えるお店は3軒しかなく、その3軒の食べログを読んでいたところ、すごいものを発見してしまいました。
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上の画像は、食べログレビュアーのmwok37さんが投稿した写真のうちの1枚で、
「城ケ島散策中、何かの顔に見えたのは気のせい?」
とのキャプションが添えられているのですが、
「いやいや、気のせいどころじゃないでしょ、誰がどう見ても人か猿の顔でしょ!!」
と驚嘆してしまいました。だいたい観光地の「人面岩」などと言うのは、かなり強引なものも多いのですが、これはまぎれもなく、目が2つと鼻の穴が2つ、そして大きく開いた口が確認できます。これほど完成度(?)の高いものは、正直、見たことがありません。
しかし、今や1億総情報発信者の時代です。あらゆる情報がネット上で飽和状態になっていますから、この岩も、実はかなり有名な「物件」なのかも知れないと、「人面岩」「猿面岩」「猿岩」などのキーワードで検索しましたが、まったく引っかかってきませんでした。どうやら、mwok37さんだけが知っている、隠れたスポットのようです。となれば、この「人面岩」探しを、今回の日帰り旅の目的のひとつに設定するのも面白いのではないか、と考えました。とはいえ手がかりは「城ヶ島海岸のどこか」というだけで、まさに雲をつかむような話です。
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ちなみに、特撮ファンの間で「人面岩」といえば、言うまでもなくこれですよね。
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「遠路はるばるご苦労だったな。仮面ライダーの諸君」
という納谷悟朗氏の声が聞こえてきませんか?
いい加減、前フリが長いと言われそうなので、さっさと話を進めます。
12月某日、快晴。9時前に家を出て、小田急、相鉄を乗り継いで横浜に到着、京急の販売機で念願の「みさきまぐろきっぷ」(4100円)をゲットし、10:34発の特急に乗り込み、定刻の11:17、三崎口到着。駅前に待機していた京急バスに乗り込んで、バス停「白秋碑前」にて下車。予定どおり、午前中に現地に到着することができました。ただ、安房崎灯台まで足を伸ばすのは時間的に厳しいと判断、ウミウ展望台を経て、馬の背洞門に向かいました。
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このあたりの風景は、すでに何千何万という方が各種SNSで写真をアップされていますので、何を今さらという感じですが、起伏に富んだ岩の形状と、群青の海とのコントラストが見事で、ついつい何枚もシャッターを切ってしまいました。
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富士山も比較的くっきり(午後には見えなくなりました)。
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こんな情景がえんえん続きます。
小一時間ほど歩いたころ、凸凹のある岩場で足を滑らせ、靴の先をしたたか擦ってしまいました。
「うわ、しまった」
と前かがみになり、靴の状態を確認。被害が思った程でないのを見てほっとし、そのまま顔を上げてみると……
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いきなりありましたよ、「人面岩」。
これには驚きましたね。上の方に、「『人面岩』探しを、今回の日帰り旅の目的のひとつに……」などと書きましたが、実は、馬の背洞門に着いたあたりから、景色の見事さに圧倒されてしまい、人面岩のことは、すっかり忘れていたのです。それがこんな形で、いきなりの「ご対面」。まるで、
「俺の前を素通りするつもりかい」
と呼び止めてくれたようでした。
いやあ、こういうことがあると、「何かのお告げ」というのはあるんじゃないかと思いたくなりますね。本当に、自分の意志では1分1秒も探していないのに、向こうから現れてくれるなんて……。
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ちなみにこの「人面岩」、城ヶ島灯台近くの公衆トイレから歩いて数分のところにあります。
大きな目的(忘れてたけど)を果たした満足感を胸に、mwok37さんがレビューを書いていた中村屋さんに入って昼食。
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食後は、城ヶ島灯台公園周辺を散策。
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観光橋の向かい側に、怪しい神社(?)を発見。
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正式な神社とは思えませんが、岸壁の洞窟というロケーションは抜群です。
これも知られざる物件かと胸が躍ったものの、調べたところ、こちらはGoogleマップにも登録されている、かなり有名なスポットでした。
明治時代の歴史ファンタジー小説「桜の御所」のヒロイン・小桜姫の名前にちなんで「小桜観音」と呼ばれているそうですが、それより昔から、縁結びの御利益がある観音様として地元民に信仰されていたとのこと。以前は、祠(ほこら)や由来を記した立て札などもあったようですが、現在は見当たりませんでした。
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2020年に閉館した城ヶ島京急ホテルは、ほぼ更地に。
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城ヶ島灯台から海岸にかけては、猫の姿が目立ちました。
ボランティアの人が餌やりをしているそうですが、私が食後のどら焼きを食べていると、目ざとく擦り寄ってきました。
そのうちの一匹に、どういうわけか好かれてしまいまして。
日もだいぶ傾いてきたので、もう一度先ほどの「人面岩」を見に行ったのですが、そこまでの道のりも、その猫さんはずっと後をついてきました。
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さて、問題の「人面岩」ですが、
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こうなっていました。うーん、先ほどとはだいぶ趣が違いますねえ。これだと、あまり顔に見えないような……。やはり、太陽の光の角度のなせる技なんでしょうか。
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ずっとついてきた猫さんは、丘の上に佇み何を思う?
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帰りは、16時の最終の渡船「さんしろ」を使って三崎港まで行き、そこからバスで三崎口駅に戻りました。
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三崎口駅は三崎マグロ駅なんだそうです。
なお、念願かなって初めて使った「みさきまぐろきっぷ」ですが、10月1日から値上げしてしまったこともあり、思ったほどのお得感はありませんでした。残念!
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