リトル・フォレスト

今更ながらリトル・フォレストを見た。
主題歌をFLOWER FLOWERが担当しているということもあり以前から気になっていたので見よう見ようとは思いつつも結局は見れず。まあ趣味じゃないし…と先延ばしにしていた。


確かにあの頃じゃここまで響くものは無かったかも。たった一、二年の話だけど、最近まためまぐるしく、自分自身の感性に変化があるような。もっとも、持ち合わせてるもんは感性なんて言えるほど大層なものじゃないんだけど。


でもやっぱりちゃんと出会ってなかったことを後悔した。そんな作品だったな。



リトルフォレスト夏・秋
リトルフォレスト冬・春


どちらもそれぞれ二本立てとなっており、一年を通した「小森」での生活を描いている。
この小森で生活を送るいち子たちを見ていると、「これ美味しそうだな」、「こんなこと知らなかった」なんていう発見と同時に、考えさせられるものがある。
彼女たちは僕らの生活とは決定的に違っている何かを持っているし、その一方で僕たちと同じように人間関係や日々の生活への悩みを抱えている。



〈自分自身の体で実際に行うこと、そこから感じること、考えること。
自らの責任で話せることってきっとそれくらいしかないはずなのに、なんにもしたことが無い奴が、なんでも知っているかのように威張っている。
他人に殺させておいて、殺し方に文句つけるような人生は送りたくない〉


この言葉が耳に痛かった。
当たり前のことだけど、すごく大切なこと。
そして、なかなか出来ていないこと。



一見、僕たちの方が『恵まれた』生活を送っているように見えて。
あくまで僕らは享受の横流しを受けている側の人間であって、生み出すことも、ましてや本当の意味での自然からの恵みを受けている訳でもない。


そんな自然と正面から向き合って生活している小森の住人たちが、なんだか眩しくて羨ましかった。
まだまだ知らないことだらけなんだなと思った。


そしてこの映画の主題歌に、四曲書き下ろしたFLOWER FLOWER。
この映画の季節の区切り、ひとつひとつのエンディングが訪れるたびに、改めてこの楽曲たちに込められた本当の意味を知ることが出来たような気がする。
この歌詞が、この音が、この声が、この色がこの「夏」「秋」「冬」「春」に当てはめられたことにすごく納得したし、より好きになった。



生きること。作ること。食べること。
当たり前の日々の営みについて、考えさせられる。

そしてちょっぴりお腹がすくけれど、すっごく胸がいっぱいになる一本です。

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