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最速で二段の壁を突破する将棋独学法 #1:将棋のゲーム性

この記事は前回書いた記事「最速で二段の壁を突破する将棋独学法~ゲーム性と具体的方法論~」 の分割版です。

今回の記事では、元の記事の第2章に当たる「将棋のゲーム性」について解説します。

・将棋のゲーム性

序盤・中盤・終盤、価値観の変化

一般に将棋には形勢判断の基準として4つの項目が存在する。
それは、駒の損得玉の固さ駒の働き手番の4つである。
プレイヤーはこれらの項目を意識しながら手を読み、数手、数十手先の局面を評価し、指し手を選択する必要がある。
将棋の特徴は序盤と終盤での価値観の逆転にあると思う。概念図を下に示す。(図1)

将棋は先手・後手共に20枚の駒を揃えた状態から開始する。そのため、序盤は駒を簡単に取られないように駒の損得、中盤以降の戦いに備えて玉形を整備して玉の固さを整備することが重視される。
中盤、駒がぶつかって戦いが始まって以降は、局面によって様々な要素が絡み合う。そして終盤は相手の玉を詰ます、自玉が詰まされるの展開になるので、駒の損得よりも速度(=手番)が重視される。
つまり、将棋は序盤と終盤でまったくの別のゲーム性を持つようになるのだ。序中盤がマラソン、終盤戦が100Mの短距離走ぐらいゲーム性が異なる。

将棋に必要な能力

将棋に限らず戦略を練るゲーム一般に言えることだが、プレイヤーに求められるのは、いかに正確に早く(数多く)自分と相手の選択を読み、最善の選択を導きだす能力だろう。
将棋におきかえれば、手(ムーブ)を沢山、そして正確に読む(考える)力のことだろう。つまり、次のような式で表させる思考力が求められる。
将棋力(思考力)= 読みの速さ(量)× 読みの正確さ(精度)
PCに例えていえば、その性能をメモリ量とCPUの性能で図るように表させる。(図2)

将棋は終盤の強い人が勝つゲーム

将棋のゲーム性の変化について触れた。さらに将棋の特徴として、後に指した悪手ほど罪が重い(=形勢に与える影響が大きい)ことが挙げられる。先に述べたように将棋は終盤になるほど詰ます、詰まされるが関わってくる展開、即ち、勝ち負けに直結する展開になってくるので、終盤になればなるほど、一手の価値が高くなる。(図3)

よって、序中盤でよほどの大差にならない以上、勝負は終盤できまる訳であるから将棋は終盤が強い人が勝つようにできているゲームなのである。

まとめ

将棋には主に4つの形勢判断基準があり、それらは序盤・中盤・終盤で優先順位が刻々と変化する。まずはこのことを意識しておかなければならない。
そして将棋は後に指した手ほど形勢に与える影響が大きいため、終盤の1手の価値が高く、総じて将棋は終盤が強い人が勝つゲームといえるだろう。


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今回のヘッダ画像はswkk(すわけいこ)さんのものを使わせていただきました。ありがとうございます。


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