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本当の適材適所とは?

学校では、次年度の構想として希望調査が行われる。ありていに言えば、どこの学年や専科、校務分掌を希望するかを聞かれるというわけである。

だいたいは40代になるとどこでもお願いしますと一任することが多いらしい。
もちろんそれがカッコいいが私はあまりしてこなかった。どうしてそこのポジションに当てたのかを聞きたかったからだ。自分の把握と認められた把握が一致するかも知りたかった。

つまり、自己認識と客観的認識のすり合わせをしたいからである。選択の当事者にいないと相手任せになって面白くないからである。

大きい学校ではさまざまなな思惑が入り乱れる。
好き嫌いで希望することもあるだろうが、全体を考えると次の適材適所が考えられる。

①子どもを把握できる配置。
子どもと共に学年持ち上がりの担任。学級編成は変わっても子どもをみとることができる。学年部として誰かが残って一緒に進級する形。「昨年度の様子はこうでそれから比べると大きく成長しましたよ。」と言える人がいい。セロトニン系の癒しのある先生がいい。子どもも学級を超えて相談できる。

②学年を把握できる配置。
大きな学校では隣の学年がしてることは把握できない。だから、学年に残って昨年度の内容を進化していく担任が必要。今年度は全員が新しく学年部を組んだので説明に時間がかかった。全く新しい先生ばかりだと不都合が多い。学年のスペシャリストを作ってもいいと言える。中堅の先生で教科を極めていく場合や事情(介護や子育てなど)があって教材研究に時間がかけられない場合の先生を対象とする。学年としての動きを把握して、「昨年度とは違ってこれを付け加えましょう。」と提案して欲しい。

③校務を把握できる配置。
大きな校務分掌は主担当と副担当、または校務部と言う各学年ごとに配置がある。一気に新しい人に任せるのではなく、新しい人は副から担当する。そこで来年度の見通しを立てるのである。いきなりの体育主任をしたことがあるが体を壊した。無茶がある。主担当を何年も引き続きすることもよくない。新陳代謝を起こす必要がある。主担当は2〜3年で交代させる。副担当を次の主担当にすべくOJT(On the Job Training)で進める。

④全体を見通せる配置。
教務主任がなることが多いが、司令塔は絶対に必要。全員が自分のことで精一杯では組織が回らない。これも私ならチームを組ませる。管理職ではない位置に配置するのが大切。教務はクレバーで芯のある方がいい。イエスマンだと現場の困りを管理職に伝えられない。管理職は現場が見えない位置にあるからである。

⑤全てに入れ替わりを意識させる。
組織は担当になった時から終わりにはどうなっているかを意識させる。引き継ぎでもいいように日頃の業務を行なっていく。具体的に言えばファイル整理。物理的なファイルとデータとしてのファイル。1年に一冊以上の校務分掌のファイルができてなかったら仕事してないのと同じ。データはクラウドに時期ごとにフォルダ分けして残しておく。誰がいつでも仕事が引き継げるようにする。そこまでが担当の仕事。

このような適材適所が行われるように校長は思慮を張り巡らせている。だから、授業を見ない校長は全くピントが外れた人事をしがち。教師の実力は授業に出てくるからである。

誰を見て仕事をしているか、授業に人柄がでる。誰を見て仕事をしているか管理職も見られている。

だから、誰が評価をするかは非常に重要なのである。
教員は子どもたちからの評価が必要だし、管理職は職員からの評価が必要。
これが現時点では教員は管理職から、管理職は教育委員会から評価されているので、間違っている。

誰しも認められたい。
自分を認めてくれるもののために仕事がしたい。言葉の力は大きい。

ぜひ、希望用紙にはどんなポジションでどんな学校にしたいか、自分の夢を書いて欲しい。校長の夢と共に実現する道を探っていきたい。

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