見出し画像

脳の仕組みを理解して、人生をいい方向にコントロールしよう:③アドレナリン

こんにちは。ニシムラタクミです。このnoteでは「脳の仕組みを知って、人生をより良く生きよう」をテーマに、人の行動や感情に影響を及ぼす脳内物質の特性について解説していきます。

1回目の記事をまだ読んでいない方はこちらから↓

今回紹介する脳内物質は「アドレナリン」です。アドレナリンと聞くと「興奮して神経が高ぶっている」ときに出ているとイメージする人も多いと思います。

実際にアドレナリンは人にどのような影響をもたらしてくれるのか?解説していきます。

身体能力を高める物質:アドレナリン

アドレナリンは、恐怖や不安といったストレスの刺激を感じた時に分泌されます。アドレナリンが分泌されると、心拍数の増加・血圧の向上が起こり、筋肉に血液を行き届かせ、また、血糖値も上昇します。血液中の糖(エネルギー)を増やし、それを全身に送る働きを強めることにより、身体能力を向上させるのです。

このようにして、恐怖や不安などのストレスに直面した時に身体を臨戦状態にするのがアドレナリンの役割です。前回紹介したノルアドレナリンと似ていますね。ノルアドレナリンは主に脳や神経に作用するのに対し、アドレナリンは臓器や筋肉に主に作用するといった違いがあります。

スポーツ選手が大声で叫ぶ訳

スポーツ選手が試合前に円陣を組んで、「ファイト!オー!」と声をあげたり、得点をとった時にガッツポーズを決めながら叫んだりすることがあると思います。

大きな声を叫ぶことによって脳に刺激が与えられ、アドレナリンが分泌されます。これを「シャウティング効果」と呼びます。アドレナリンを分泌させることによって、身体能力を向上させて、自身のパフォーマンスを上げているのです。

また、多くの人はスポーツ選手と違い、日常生活で筋力アップが必要なシーンはあまりないと思いますが、アドレナリンには脳にも血液が送られることにより、身体能力以外に集中力や判断力を向上させる作用もあります。

心臓のドキドキはアドレナリンが原因

大事なプレゼンの直前などの重要な局面で、緊張して心臓がドキドキすることがありますよね。これはアドレナリンが原因です。緊張による刺激によってアドレナリンが分泌され、心拍数が増加しているのです。

つまり心臓がドキドキしているのはアドレナリンが分泌されており、ベストなパフォーマンスを出せる状態であるといえます。心臓のドキドキは必ずしも悪いものではないのです。

とはいっても、アドレナリンが過剰に分泌されすぎて、あまりにもドキドキして頭が真っ白になってしまうほどの場合は逆効果です。そのような場合は「深呼吸」が有効です。

「緊張した時は深呼吸するといい」と巷でもよく言うと思いますが、これは科学的にも証明されていることで、深呼吸は緊張状態を和らげ過度なアドレナリン分泌を抑えてくれます。

アドレナリンを分泌させすぎると

アドレナリンとノルアドレナリンはストレスホルモンと呼ばれるものの一種で、ストレスから身を守る働きをしてくれています。アドレナリンやノルアドレナリンだけではストレスに対応しきれない場合は「コルチゾール」といった別の物質が分泌されます。

コレチゾールも適度に分泌されれば身体をストレスから守ってくれる良い物質なのですが、ストレスを受け続け、コルチゾールが過剰に分泌されてしまうと身体に悪影響を及ぼします。

コレチゾールには免疫機能をもったリンパ球の働きを抑制し、免疫力を低下させる作用があります。免疫力が低下すると感染症にかかりやすくなります。ストレスが病気の原因になると言われている理由の1つはこれです。

また、コレチゾールには血糖を上昇させる作用もあり、過度なコレチゾールの分泌は血糖値を必要以上に上昇させ、糖尿病の原因にもなります。

交感神経と副交感神経

人間の体の臓器は自律神経と呼ばれるものによって制御されており、自律神経は「交感神経」と「副交感神経」というものの2つに分類されます。

・交感神経:「活動」の神経であり、昼間に優位になり、臓器を活動させる
・副交感神経:「休息」の神経であり、夜間に優位になり、昼間活動した臓器を休息させ修復する

これらの自律神経はアドレナリンやノルアドレナリンなどによって制御され、夜間もアドレナリンが分泌されっぱなしだと交感神経が優位になり続け、臓器が休まりません。

この状態が続くと身体が休まらずに、体調を崩してしまいます。夜間はできるだけアドレナリンを分泌させずに、身体をしっかり休めましょう。

夜間にアドレナリンを分泌させないためには?

夜間にアドレナリンの分泌を抑えて身体を休ませるためには寝る前の2〜3時間の行動が重要になってきます。下記の行動は控え、副交感神経を優位にし、身体がしっかり休める状態にしましょう。

テレビ・スマホなどの娯楽
テレビ・スマホなど視覚情報に訴える娯楽は神経を興奮させ、アドレナリンを分泌させます。寝る前は音楽などを聞いてリラックスしましょう。

熱いお風呂
熱いお風呂は交感神経を刺激します。目安として40度以上のお湯だと交感神経が優位になると言われています。逆に40度未満のぬるめのお湯だと副交感神経が優位になります。暑いお風呂が好きな人は寝る直前は避け、寝る直前の入浴であれば、ぬるめのお湯につかるようにしましょう。

激しい運動
筋トレや有酸素運動は身体を活動させるために交感神経が働きます。寝る前はストレッチやヨガ程度に済ませるのがよいです。

終電ギリギリまでの仕事
遅くまで仕事をして、家に帰ってすぐ寝るといった生活スタイルでは、寝るタイミングではまだ交感神経が優位になったままの状態になります。この状態で寝てもぐっすり眠れずに疲れがとれません。

さいごに

適度なストレスはアドレナリンやノルアドレナリンよってパフォーマンスを高め、目の前の壁を乗り越え、自身の成長に繋がるものだと思っています。

しかし、過度なストレスによるアドレナリンやコルチゾールの分泌は体を壊し、逆にパフォーマンスを低下させます。ブラック企業などで常にストレスを感じながら働いている人は高いパフォーマンスが出せず、成功するのは難しいと思います。もし、自分はそのような状況にいると感じるならば、さっさと身を移した方がいいでしょう。

自分が何かで成功したいのであれば、アドレナリンと上手に付き合い、自身のパフォーマンスを高い状態に保つことが重要だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?