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ダメ社員が劇的に変化した話

今の私を見て「優秀な人」というイメージを抱いている方も、中にはいらっしゃるかと思います。実際は、そんなことありません。

昔の私は典型的な「ダメ社員」でした。

今では起業して自分の会社を経営し、ありがたいことに一緒に働いてくれる社員もいて、楽しく充実した日々を過ごしていますが、私の人生は順風満帆なものではありませんでした。


ダメ社員だった私

私は、2007年に人材教育のコンサルティング会社に新卒で勤め始めました。

最初に任されたのが個人向けのコンサルティング事業で、自己啓発のような能力開発セミナーの営業でした。電話でアポを取って、セミナーを売り込みに行くという流れです。

入社当時の私は、この仕事に対してとても自信を持っていました。

学生時代からビジネスセミナーに参加したり、国会議員の秘書のインターンを行ったりしていたため、他の学生よりも仕事に対して自信を持っており、「すぐに結果を出せる」と自分を過信していたのです。

しかし、世の中はそんなに甘くありませんでした。

1日100件ほど電話をしても、アポが取れるのはせいぜい1件程度。
アポが取れたとしても、営業スキルもないので何を話したらいいか分からず、まったく結果を出すことができないまったく売れない営業マンでした。

100件近く営業を断られる日が続くと、「また断られるのではないか」と悪い想像ばかりをしてしまい、電話をすることが怖くなっていきました。さらに、「結果を出せないのは販売しているセミナーに問題があるのではないか」と会社を疑うようになってしまったのです。

商品を疑い、電話をすることを恐れた結果、私は電話をかけるふりをするようになってしまいました。

この時の私は”給料泥棒”と言われても、何も言い返せない状況でした。しかし、当時の私はそんな状況でも「怒られないようにしよう」ということばかり考えていたのです。

昔の私は、”仕事”というのもおこがましいくらいの過ごし方をしていました。

私が変わったきっかけ

そんなダメ社員だった私が変わったきっかけが、新しいマネージャーとの出会いでした。

そのマネージャーは関西出身の小柄な女性で、とても優秀な方でした。

彼女に「あなたが仕事で手を抜いているのは分かっている」と言われた時、瞬間的に「怒られる!」と思いましたが、続けて彼女はこう言いました。

「私はあなたができる人だと思っている。ただ、やるべきことをやらなければ結果は出ない。会社が求めるやり方だとかいろいろあると思うけれど、私が責任を取ってあげるからあなたが思うように一度やってみたらどうか」

この言葉を言われた時、「この人は私の可能性を本当に信じてくれているのだ」と泣けてきました。もちろん、「あなたを信じている」という言葉も嬉しかったのですが、それ以上に信じてくれている人を裏切っていた自分が嫌になって泣けてきました。

この時、「やるべきことをやっていないのに、このまま終わるのは嫌だ」と心の中で”カチン”とスイッチが入ったのです。

そこからは「できないかもしれないが、この人が信じてくれているのであれば一度自分の思うようにやってみよう」と考え始め、仕事に打ち込めるようになりました。

怖かった電話をかけられるようになり、話を聞いてくれる方も徐々に増えていきました。セミナーに参加してくださった方の中には「人生が変わった」「川原君のお陰で人生が変わった。ありがとう」と感謝の言葉をくださる方もいました。

こんな私でも人の役に立てると気づくことができ、少しずつですが営業成績を上げることができるようになったのです。営業成績が上がったといってもトップセールスにはほど遠いですが、ダメ社員からちょっとダメ社員に昇格できました。

起業している方々の中には「会社員時代にとても優秀で、その結果独立した」という方が多いと思います。しかし、私はキラキラした社会人生活を送ったわけではありません。

ただ、今こうして会社を経営し、人の人生をマネジメントする立場に立っています。

「こんな私でも人の役に立てる」という小さな自信を身に着けることができたのは、マネージャーの言葉のお陰なのです。


誰にでも可能性がある

今でも人をマネジメントする際は、あの時のマネージャーのような在り方、声掛け、人を信じるというスタンスを自分の中で大事にしています。

綺麗事に聞こえてしまうかもしれませんが、私は誰にでも可能性があると思っています。

そのためには、可能性を信じてくれる人に出会うことが大切です。たった一人でもいいので、「あなたはできる」と可能性を信じてくれる人と出会ってください。

その時、あなたの本来持っている力を初めて発揮することができます。

私は人と関わる時、常に「あなたには価値がある」「あなたは絶対にできる」という気持ちを意識しています。たとえ今、上手くいっていなくても、それはただ単にあなたが本来持っている力、自分らしさを活かすことができていないだけなのです。

「今、上手くいっていません」「苦労しています」という方のお話を聞いた時、私が思うのは「どうしたいのか」「どのような人生を生きていきたいのか」「何が理想なのか」です。

なぜそう思うのかというと、それが本来の姿だと思うからです。

今悩んでいる方、社会人になったばかりで今はまだあまり苦労されていない方も、この先、壁にぶつかることがあると思います。

その時は「今はまだ本当の自分の可能性が開花していないだけだ」と、自分への信頼を持ち続けてもらいたいです。

私にも同じような経験があり、今活躍している人にも必ずそういった時期があったと思います。


あなたを信じてくれるたった一人との出会い

たった一人でもいいので「あなたはできる」「あなたには価値がある」と信じてくれる人と出会うことができれば、必ず人生は変わります。

それぞれ関わる人同士がお互いのことを信じて、お互いの自分らしさを、違いを認め合って、その違いを活かし合うことができたとしたらもっと仕事は楽しくなります。そしてその結果、会社としての業績も上がり、より良い場所になっていくと思います。

縁あってこれを読んでくださった方が何かを感じ、「目の前の人の可能性を信じて関わる生き方」をしていただけたら嬉しく思います。



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