フォローしませんか?
シェア
とらつぐみ(鵺)
2021年11月7日 09:46
夜の色が薄まって、暗い空に白い陽の光がぼんやり浮かぶころ。都会の夜の賑やかさは鳴りをひそめ、秋の朝の、ひやりとした空気が街を覆っていく。下宿先のアパートを出た俺は一つ伸びをして、早朝の街へと出かけた。アパートは大学から少し離れた住宅地にあるが、10分ほど歩けば繫華街にも出られる好立地だ。車通りの少ない路地を駆け抜ける。途中、自転車に乗ったお年寄りや、夜勤終わりなのか工場の制服を着た若い