TO

勉強メモと読書メモと雑記などを載せます

TO

勉強メモと読書メモと雑記などを載せます

最近の記事

【読書ログ】2020年8月読んだもの

日々の勉強の休憩がてらFF12を久しぶりに遊んでみてめちゃくちゃ楽しかったです。昔の記憶がよみがえりました。 2020年8月読んだもの(2冊) 宮野真生子・磯野真穂(2020)『急に具合が悪くなる』晶文社. kindleで読んだ。「〈弱い〉運命論」についての話は興味深かった。また、九鬼周造の偶然論を読んでみたいと思わされる内容だった。本書と先の著作はいずれも選択(合理性)責任・運(偶然性)をめぐる話として理解できるのだと思う。「選択」の捉え方にしても、「選択とは自分の目の

    • 【読書ログ】2020年7月読んだもの

      一瞬で7月が過ぎ去り、驚くばかりです。色んな意味で我慢の時間かなと思わされた7月でした。 2020年7月読んだもの(3冊) モンク, Y. [那須耕介・栗村亜寿香訳](2019)『自己責任の時代―その先に構想する、支えあう福祉国家』みすず書房. 議論が非常にシンプルにまとめられていて分かりやすい。最初の2章は目から鱗というよりも、「うん、確かにそうだよね」くらいの感想に近かった。しかし、「責任否定論」は、前制度的に決定される「相当な報い」を追随する形で決定される「懲罰的責

      • カテゴライズすれば必ず「その他」が生まれる

        Twitterのタイムラインを見ていると、実に様々な意見や感情の発露を目撃する。中には、なかなかに心がざわついて自分の精神衛生上よくないものが紛れ込んでいる。Twitterはここ何年かで政治色が強くなっている、という指摘は全くその通りだと思う。 流れてくる「意見」に対してはたとえ賛同できなくても140字に圧縮されているので背景を想像して「なるほどな」と思う。しかし、「情動の撒き散らし」対しては単純にそれを見続けるストレスに打ち克てない自信がありありなのでできるだけ見ないよう

        • 【読書ログ】2020年6月読んだもの

           今日文科省の「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」がオンラインで配信されるということで、聴講しました。  有識者から様々な視点から意見が提供されていてとても勉強になりました。しかしその一方で、有識者によってインクルージョンやインクルーシブ教育の認識(理解)が微妙に異なっているような印象を受けました。また、一方で子どものニーズの個別性や連続性に応じた柔軟な対応を説きながら、他方で現状既存の障害分類に基づいて具体的な教育内容等を語らざるを得ない点は、やはり難し

        【読書ログ】2020年8月読んだもの

        • 【読書ログ】2020年7月読んだもの

        • カテゴライズすれば必ず「その他」が生まれる

        • 【読書ログ】2020年6月読んだもの

          【読書ログ】2020年5月読んだもの

          今月頭に誕生日を迎えました。自分の関心の向くところを見定めて、それに向かって努力していけるような充実した1年にしようと思います。 2020年5月読んだもの(7冊) 馬淵浩二(2015)『貧困の倫理学』平凡社. なんだか自分の原点に立ち返らせてくれるような本だった。本書は「先進国と呼ばれる豊かな国に暮らしながら世界の貧困問題を放置することは、はたして倫理的に許されるのか」(p. 10)という問題提起への回答として各章を設けており、世界的貧困の解決への倫理学的な根拠の整理を行

          【読書ログ】2020年5月読んだもの

          【読書ログ】2020年4月読んだもの

          幅広いジャンルのものを読んだ感じになりました。 図書館が近くにない環境に身を置くことになってしまい、買わなければ本が揃えられないという状況のほか、専門の勉強を集中して進めていきたいということもあり、来月からは特に目標冊数などは決めずに好きに読もうかなと思います。12月から約50冊読んでいて、なかなかよいペースだったのではないかと思います。医療社会学・医療人類学にも興味が芽生えたのはここ数か月の大きな変化でした。 2020年4月読んだもの(10冊) 田中ひかる(2019)

          【読書ログ】2020年4月読んだもの

          【読書ログ】2020年3月読んだもの

          COVID-19が想像以上に猛威を振るっているこの状況で、自分の予定にもこれから諸々支障が出そうでかなり心配です。。一方で、決して今の状況を他人事として捉えているわけではないのですが、「自粛要請」という用語が自己責任論と相まって語られているところや、混乱が起こっている状況で拠り所がないときに人はどう行動するのかという点は、自分が依拠する学問分野的にとても興味深い点です。また、「災害弱者」と呼ばれる人達の差別が増幅しないように願うばかりです。個人的にも行動には気を付けようと思い

          【読書ログ】2020年3月読んだもの

          【読書ログ】2020年2月読んだもの

          結構読めたのだけど、それぞれの本に対する読み方って色々あるよねということをよく思う。周辺分野の乱読なのか、時間をかけた批判的読解なのか、その他いろいろ...これをわきまえて読むとうまく読み進められるよね、と。 2020年2月読んだもの(14冊) 苅谷剛彦(2002)『知的複眼思考法―誰でも持っている想像力のスイッチ』講談社. 知的複眼思考法(ありきたりの常識や紋切り型の考えかたにとらわれずに、物事を考えていく方法)(p.27)と銘打ち、紋切り型のことばをそのまま受け取らず

          【読書ログ】2020年2月読んだもの

          【読書ログ】2020年1月読んだもの

          年明けから本を読む時間が取れて幸せでした。日本語ばかり読んでいるので、来月は洋書もはさんで読んでいければと。時間的に読んだもの毎に読書メモを残しておくことができないので、ある程度まとまったら書くことにし、またここで書けるものは多めに書くことにしました... 今までアマゾンのURLを直接埋め込まないで編集してて、見返したら殺風景すぎたので、今月から埋め込みます~。 2020年1月読んだもの(10冊) ラトゥール, B. [伊藤嘉高訳](2019)『社会的なものを組み直す―

          【読書ログ】2020年1月読んだもの

          【読書メモ】代替不可能な他者とともに成長する

          メイヤロフ, M. [田村真・向野宜之訳](1987)『ケアの本質―生きることの意味』ゆみる出版. 問1 - 人の「育ち」とは何を意味しているか?人が「育つ」とはどういうことか?② 看護でよく検討される(イメージがある)「ケア」という営みを現象学的な観点から捉えた論考。 「ケア」することとは何かについて、メイヤロフは最初に明言している。 一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、その人が成長すること、自己実現することをたすけることである。(p.13)[強調note筆者

          【読書メモ】代替不可能な他者とともに成長する

          【読書ログ】2019年12月読んだもの

          今年も大晦日を迎えました。思い返すと、昨年の大晦日はキリマンジャロ登山を成し遂げたはいいものの、登山コースのあまりの寒さと軽装備で胃腸の機能が低下し、その後腹を下しながらザンジバルに向かい、ゆっくり年末年始を過ごそうとしたのにも関わらず、ツアーの誘いに乗ってしまい気づいたら干潮の時にだけ現れる砂浜の島で仰向けになって星を見ながら新年を迎えるという、よくわからないことをしていました。 さて、月ごとに読んだものをまとめておくことにしました。あれ、「ログ」って本来こういうものじゃ

          【読書ログ】2019年12月読んだもの

          【読書メモ】生活経験の連続に教育を見いだす

          デューイ, J. [市村尚久・訳](2004)『経験と教育』講談社学術文庫. 問1 - 人の「育ち」とは何を意味しているか?人が「育つ」とはどういうことか?① 言わずと知れた教育哲学の大著。 外部からの形成と内部からの発達という、教育に対する対立する見方が存在するが、それらはデューイに言わせればそれは「あれかこれか」の二項対立に押し込んだ議論である。伝統的教育とそのアンチテーゼとしての進歩主義教育という、そんな2つの主義間の二項対立の図式に簡単に回収されないよう、「経験

          【読書メモ】生活経験の連続に教育を見いだす

          今後学んでいきたいなと思うこと

          大学を卒業して、大学院へのアプライも終わった今、合否結果も出ていないのに中だるみしそうになることに危機感を抱いている。 かつ、大学院出願の際に志望動機を書く中で、自分がこれから何をしていきたいのかを改めて整理させられることになった。志望動機を書く前からやりたいことは言語化していたつもりだったけど、目標だったり将来達成してみたいことを抽象化していくにあたって 「自分の頭の中にあるやりたいことを表現するためになぜこの言葉を使っているんだ?」「やりたいことに使われているこの言葉

          今後学んでいきたいなと思うこと

          【読書メモ】親だって自分の弱さをひた隠しにして子どもと対峙する

          児玉真美 (2019)『殺す親 殺させられる親―重い障害のある人の親の立場で考える尊厳死・意思決定・地域移行』生活書院. ケニアにいた時に、障害児の親を家庭訪問していた。 彼らの子どもはその障害ゆえに学校に行けておらず、特に重い障害を持つ子はずっと家にいる。親の中には自分の子どもを社会の目に触れないように自宅に隠す、ということも頻繁に行われているようだった。 途上国の教育問題を解決していくため、国際協力の世界では「全ての人に教育を」の掛け声のもと、学校にいけない子どもた

          【読書メモ】親だって自分の弱さをひた隠しにして子どもと対峙する

          【勉強メモ】「理論」といっても色んな意味があるのね

          Abend, Gabriel. (2008) The Meaning of 'Theory'. Sociological Theory, 26(2): 173-99. 先日大学を卒業しました。ただ、進路が決まっているわけでもなく生活環境にも全く変化がないので、卒業に際しては特にエモくなることもなく過ごしています(色々落ち着いたら感傷に浸るはず)。 ところでこのまえ、後輩がミニ卒論の進捗に悩んでいて、相談に乗っていたら 「理論って何なんですか?」 と投げかけられました。

          【勉強メモ】「理論」といっても色んな意味があるのね

          学生団体と生産と消費

          メモ でき始めの学生団体は、団体自身を何度も作り変えていく(「生産する」)が、一旦代替わりというイベントを挟むと、固定化された枠(=初代メンバーたちの意思、目標、理念)の中で、今度は団体に所属するメンバーによって団体でできるミニマムな経験、すでに定式化されている経験が「消費」されるようになっていく、という感覚がある。これって結構どこの学生団体にも当てはまりそうなんだけどどうなのだろう。

          学生団体と生産と消費