不条理 No.2322


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確かに能楽には抽象的な表現、不条理な部分がたくさんありますが、

分からない、不条理なものだからこそ、

人間の心の救いになるのだと私は思うんです。


九世 観世 銕之丞(能楽師)

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致知2020年5月号からのご紹介です。

観世氏は、その理由を次のように補足しています。

『人間が生きるということは、イエスかノー、右か左かで単純に割り切れるようなものではありません。

「これが絶対に正しいんだ」という世の中では人間は病んでしまう』


『答えのない不条理なものに触れることで、人間は生きていくこと、人生を知り、

また自分自身という存在を確立していくのだろうと思います』


論語でも道の右側と左側の間に遊びのある部分があることで、

その間を行ったり来たりすることの大事さを説いています。


問いも時代に応じて変わっていくものですから、答えだって変わっていく。

理解できないものでも正解があると思うこと、

もしくは分からないままでもいいと思える自己包容力が大事なのでしょう。

「今日の言葉」 
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