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スランプからの脱出の仕方~初心忘るべからず~

 自分は保険屋時代、スランプになった事はありませんでした。ま、単純に数字を追っていなかったが為にスランプ自体に気が付かなかったという理由も大きいですが、スランプにならないように人一倍気を遣っていたというのも大きな要因だったと自負しています。

 以下、どこまで参考になるか分からないですが、自分がスランプに陥らない様に気を遣っていた事を書いていきます。

■学生時代の話

 少し自分の過去の話をします。 白状してしまうと、自分は学生時代の4年間、教材販売の営業(テレアポ)のバイトをしていました。 バイトといってもフルコミッション(完全歩合制)でやってまして、それなりの成績はあげていました。

 教材販売営業に関しては学生時代4年間ビッチリやっていたのですが、ずっとその期間成績は安定していたか? というとそのような事はある筈もなく、「お前、よくそれで辞めなかったな……」というくらいの長期のスランプに陥った事、普通にありました。

 2年目くらいからだったかな? 嫌でも 「営業口調」「営業慣れ」してしまう自分がいました。そして3年目の時、ホント「パタッ」と契約が取れなくなってしまいました。 いわば「スランプ」というものです。

「何故だろう? トークが悪いのか? 何が悪いんだ?」

 色々考えました。 その時にふと、「なんで最初の頃は、契約がパパパっと取れたのだろう?」という事が頭をよぎりました。

 皆さんも経験ありませんか?  営業当初、いきなりワケも分からずに契約が取れたという経験が。 まさしくいわばビギナーズラックともいえる契約⋯ 少なくとも自分はこのビギナーズラックのおかげで営業当初に好成績をあげ、そこから営業という仕事にとりつかれていった記憶が⋯⋯ (この経験がなければ、自分は営業職とは無関係な道を歩んでいた事でしょう)

 ビグナーズラックという言葉のみで考えていいのだろうか? ふと思い、ちょっと自分なりに分析をしてみました。 何故、新人時代に契約が取れたのか? 新人時代といえば当然知識も他の人よりも少ない訳ですし、話法なんて出来たものじゃない。 営業経験自体ある訳でもなし、応酬話法等殆ど知らなく、訪問件数もオドオドしながらやっていた事もあり、多くもなかったのに、どうしてだろうか? と。

 では、新人のメリットって何だろうか? と。 色々思案している時、はたと気付きました。 新人の他の人にはない、大きなメリット、それは警戒心を抱かれないという事。

「警戒心、そりゃ新人等といった人種の方がないよね」

 まさしくココだったのですね、自分の当時のスランプの理由は。 営業慣れしてしまった事で、警戒心を抱かれるようになってしまった、と。

 丁度その時、自分は「求人の面接」をさせられていました。 学生といっても教材販売の世界では2年、3年と継続して営業していると、嫌でも古株に なってしまいますから。(ただ、それでも学生の自分に面接をやらせるのは今思うと如何なものか、とは思いますが)

 この面接をするにあたって当時の雇い主より「雇う・雇わない」の大前提というものを教えてもらいました。 意外に思われるかもしれないですが、教材販売の世界でも「雇わない人」というのは存在するのですね。

 その基準というのは、これまた意外に思われるかもしれないですが「営業経験のある人」でした。 (少なくとも自分のいた会社では)

 何故か? といいましたら、営業クサイ、変なクセがついているからだ、との事。 よって、採用(バイト含む)は大半が「営業経験未経験者」となっていました。

 はい、この採用基準(?)と、何故新人がとれるのか? という理由と見事一致しますからね。

 この「警戒心」というキーワードに気付いた後、自分がどのような事をしたのか? というと⋯⋯ただ一つ、「警戒心を如何にしてとくか?」という事でした。

 まずは「話を聞いてもらわなければ何も始まらない」という事で、アポイントの際、「俺 は強引なセールスなんて出来ないよ〜」というのをアピール。 具体的にその当時、よく使ったトーク(キーワード・心掛け)が……

  • 学生です

  • 新人です

  • ワザとドモる(トークじゃないですね)

  • ゆっくりしゃべる(これもトークじゃないですね)

こんな所でしょうか。

 不思議なものでして、切り口話法はいままでと同じでもただこれだけを心掛けるだけで、 アポイントが取れる確率は異様にupしました。 断られるにしても、機械口調の「結構です」という冷たい文句から、表現的に難しいですが「すいませんねぇ」と申し訳無さそうに断ってくれるケースも。

 また、警戒心を取り払う事を心掛けた事で全く予想していなかった意外な結果として、「断り理由をまともに話してくれる」という事もありました。

 基本的に「断り」をいれてきた所は「その時はアポイントは無理」(アポイントを取ろうと思えば可能ですが、成約に結びつきにくい)といえるので、特に応酬話法はする事なく、 丁寧に失礼していました。

 意外な結果として、断り理由を比較的事細かくしゃべってくれるので、その時の情報を「細 かくメモ」しておく事にも気をかけていました。 はい、そのようにしておけば暫く時間をおいてからの再アプローチの時に非常に有効になりますので。

 話を聞いてくれるという段階になった時も、基本的に「警戒心を取り払う」という事をアプローチ同様に心掛けました。

 とにかく大袈裟なくらい「ゆっくりしゃべる」「ワザとドモる」。

 上手い、と思われたら逆に成約に結びにくい、とも考えられますし(これはいい過ぎかな?)。

 そして「この人なら断ろうとしたらいつでも断れるわね」という、いわば「安心感」を 持たせるのが重要と考え、実行していました。

 このようにしていった結果、暫くして契約が取れなかった時が嘘のように契約が取れるようになりました。 いや、正確には契約が取れていた時よりもさらに契約が取れるようになっていました。

 何故に契約が前より取れるようになったか? 理由は非常に単純でして、いわば新人の時のメリットとつちかった経験者のメリットが上手く融合したという事なんでしょうね。ゆっくりながらも適切な説明をしていく、有効な話法を使用していく〜とすると、普段よりも効果的になったようでして。

 はい、ここまでお読みになったらお分かりかと思いますが、自分の究極の受け身の営業スタイルの礎は、この教材販売時のスランプからの脱出の経験から来たものだったりします。

 どの営業でも基本は⋯

  • 面談してナンボ

  • 話を聞いてもらってナンボ

  • 話を聞いてもらう数は多い方が成約も当然高くなる

  • 成約率なんてのは後からついてくる

ですからね。

 自分はこの手法を保険営業に適用していました。 よく使った切り口話法が、

  • 新人です

  • 新人で今勉強中なので、保険の説明の練習をさせて下さい

  • 新しくこの地区担当になったので、この街の事を教えて下さい

    etc...

 はい、数年たっても新人という言葉は多様していた記憶があります。 それこそ、地域では有数の成績をおさめるようになった後でも笑

 何度も書いてきていますが、自分は本来口下手であり、押しも弱く、話法のセンスも応酬 話法も決して特出したものはありませんでした。 何か特別なオーラを放っている訳でも、特別人を惹き付ける魅力がある訳でもないのは、 実際にお会いした方なら分かるでしょう笑

 では、何故それでも成績を取る事が出来たのか?といわれると、非常に答えに困ってしま うのですが、この記事を書いていてはたと気付きました。

 自分の利点は何だったのか?

自分自身の欠点、利点を比較的正確に判断出来たから

はい、まさしくいままで書いた手法というのは「その時の自分自身に出来た恐らく最良の手段」だった事でしょう。

 スランプだと思われている人は、是非契約が取れていた自分を思い浮かべて見て下さい。

  • 何が違うようになったのか?

  • 取れていた時との変化は何があるであろうか?

  • 果たして今自分がしている手法というのは自分にとって得意分野なのだろうか?

  • etc...

 ふと、何かの原因に気付いた時、きっと過去の取れていた自分より数段成長した自分に出会えますよ。

 1人でも多くの人の参考になれば幸いです。

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