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田舎民だからこそ必要になるスキル 〜銀行の衰退から見る未来 #2

予測は損を避けるために

以前の記事(銀行の見直し 〜銀行の衰退から見る未来 #1 )に書いた通り、昔ながらの銀行業は衰退していくことが目に見えている現代。
では、同時に変化していくものはなんでしょう?
未来を考えるとき、予測できるものからそれに伴った変化を考えておくことは、先回りして損を防いだり、利益を得ることにもつながります

というか、投資の神様ウォーレンバフェットが言うように、「損をしないこと」が何より重要。
今回はそんな損を防ぐためのお話です。

資産調達の新しい選択肢

銀行の役割のひとつに、企業にお金を貸して経済を回すというものがあります。
企業は銀行からお金を借りて、事業を回す。
でも銀行が衰退していくと・・・?

銀行が持っているお金はDown

企業が借りられるお金もDown
(銀行は経営が大変なので)儲けるために企業や個人に貸すときの金利はUp

この"企業が借りられるお金が減ること"、"企業へ貸し付けるお金の金利が高くなる"ということ。
これは単純に、企業が困ります。
お金を借りにくくなるからです。

ただし、大企業などの"上場"している企業には、新規株を売ってお金を得るなど、他の選択肢もあります。
では、わたしが勤めているような田舎の中小企業では・・・?

おそらく昔であればほかの選択肢はほとんどなかったでしょう。
でも、いまは新しい選択肢があります。
それは、"クラウドファンディング"です。

新しい選択肢だが、カンタンな選択肢ではない

クラウドファンディングの説明はここでは省きますが、多くのクラウドファンディングサービスは、
①広く一般の方からお金を集めることができるという大前提のほかにも、
②新しいもの好き・こだわったサービスが好きな人に宣伝ができる、
という特徴があります。

じつはわたしも、BtoBの工業製品しか売ったことのない中小企業メーカーにもかかわらず、「このコロナ禍でもなんとか売上をUPさせたい。なんとか知名度をUPさせたい」という思いから、この"新しい選択肢"としてBtoCのクラウドファンディングを発案・実行したことがあります。
その中で困ったことが、BtoCのマーケティングや集客の部分でした。

わたしがクラウドファンディングを発案したときは、
「クラウドファンディングすれば直接お金も集められるしPRにもなるしいいことづくし!絶対良いじゃん!まず商品写真を撮ってPR文書いて…」
と思っていました。
でも、いざ進めていくと、素人がテキトーにやってうまくいくものではなかったのです。
そこでようやく、"クラウドファンディングは新しい選択肢ではあるものの、決してカンタンな選択肢ではなかった"ことに気づきました。

「クラウドファンディングという選択肢があるからやってみること」自体は良いのですが、BtoCはBtoB以上に、「"デザイン"がモノを言う」世界だからです。

デザインの重要性

あなたがサービスやモノにお金を払うとき、どんなことに注目しますか?

わたしの場合は基本的に機能性重視で選びますが、それでも、古臭いデザインのモノは選びません。
タイトルで惹かれないページはそもそも進まないし、商品写真が素人撮影丸出しの商品には魅力は感じず、選ばないことが多いのが正直なところです。

自分が消費者としてサービスやモノにお金を払うときに注目していること。
この基準を満たすデザインを自分が提供できるだろうか?と考えてみると、センスのないわたしにはかなり大変な作業です。

とくにわたしのような工業製品を扱っているメーカーだと、製品のデザインを気にしたことはありません。
それでも、製品カタログのデザインは重要な要素であることには違いないので、プロに頼んでかっこいいデザインにしてもらっています。
では、クラウドファンディングでユーザーが見る写真やPR文を、素人のわたしが作って良いのか・・・?
もちろん、ノーです。
むしろ、BtoBのように「会社がお金を払うモノを買う」のではなく、「自分がお金を払うモノを買う」ときは、一層シビアになるのは当然のことです。

写真も、PR文も、こういった"デザイン"は、素人がすぐに作れる代物ではなかったのです。

クラウドファンディングは、他の資金調達の手段から考えると、おそらくカンタンにできる手段です。
(もちろん、クラウドファンディングはクラウドファンディングなりの大変さがありますが。)
でも、だからと言って生半可な気持ちや仕事でお金が集まるものではないということです。

これからの時代に中小企業だからこそ必要とされるスキル

つまり、クラウドファンディングで必要とされるのは、映える写真の撮影方法や、写真・動画編集スキル、コピーライティングを含む売れる文を作るスキルということです。
もちろんプロに任せるという選択肢もありますが、ただでさえ「経費カット」や「予算が少なくて…」という言葉を多く聞く今の時代。
「そもそも資金調達をしたいのに、そのためにお金を出すなんて・・・」と渋る中小企業は間違いなく多いでしょう。
とすると、会社内でできる人間がいなければ、その企業は資金調達ができなくなったり、クラウドファンディングを実行したとしても失敗し、存続の危機になる可能性までも出てくる・・・ということです。
もちろん最悪の場合、ですが・・・。

とにもかくにも、これらのスキルを持っている人材、あるいは高められる人材の存在は重要だということです。
このようなスキルをもっていれば、会社を存続させることにもつながり、同時に価値が高い人材として重宝される・・・というWin-Winの関係につながるのです。

もちろん、価値が高い人材になると、当然ながら給料にも影響される上に、そもそも違う会社へのステップアップやフリーランスへの転身という選択肢も増えてきます。
これからの時代を生き抜くためにも、このようなスキルが必須となるということが見えてくるのです。

もちろんカンタンではないものの、普段からこれらのスキルを向上させられるように日々鍛えていく必要がありそうです。

あ る い は・・・
クラウドファンディングをするとき、"会社にちゃんとプロに依頼するように説得できるスキル"があれば十分かもしれませんが・・・いずれにせよ、わたしたちは損をしないために、日々スキルを磨くことが大事ということですね。

【前編】
銀行の見直し 〜銀行の衰退から見る未来

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