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校務分掌って何よ?

『カナダで本気で先生になりたい人たちの相談サロン』を運営している梅木です。今日は最近よく聞かれた質問『カナダの校務分掌はどうなってるんですか?』についてお答えしたいと思います。

フォローやコメントよろしくお願いします。https://linktr.ee/takuyaumeki 

日本で校務分掌というと?

校務分掌とは、学校を運営するために教員が分担して行う仕事です

まず最初に日本でありがちな校務分掌がカナダであるのかないのか羅列したいと思います。上記のサイトをもとに答えていきたいと思います。

教務部

教務部に極めて近いものとして時間割構成をする部があります。カナダの高校ではそれぞれの生徒が必須科目と選択科目を申請して、この時間割担当の方がそれぞれの生徒の希望をできるだけかなえる形で時間割を汲んでいきます。

<仕事内容の例>
・年間行事、月間行事予定の作成→カナダでは管理職や事務の方がする
・時間割の作成、授業時数の管理→時間割構成の部の方が担当
・特別教室(PC室、体育館など)の割り当て→そもそもこのような仕事なし
・成績処理→それぞれの先生が提出した後事務の方が管理
・指導要録の作成→そもそもこのような仕事なし

研究部

これに極めて近い部は研修を担当する部です。学校全体の研修日とそれぞれの先生で決められる研修日が交互に月一くらいであるので、学校全体の研修日の内容を各教科担当が集まって決めたりします。

<仕事内容の例>
・校内研修の推進→学校のスタッフ全体で集まってする研修日は一年に数回で、前もって決まっている
・研修のスケジュール調整→学区ごとに前もって決まっている
・研修に関わる外部講師との調整→必要であれば研修担当部で調整
・他校の公開授業を視察、情報収集→そもそもこのような仕事なし
・全国学力テストの運営と分析→そもそもこのような仕事なし

生活指導部

そもそもこのような部は存在しません。

<仕事内容の例>
・放課後指導→そもそもこのような仕事なし
・長期休暇指導→各学年のカウンセラーや管理職が対応
・登下校指導、校区巡回→そもそもこのような仕事なし
・いじめ、不登校対応→クラス内であれば先生の担当、外であれば各学年のカウンセラーや管理職が対応
・交通安全教室等の企画運営→そもそもこのような仕事なし

健康教育部

そもそもこのような部は存在しません。

<仕事内容の例>
・運動会などの行事運営→高校における全体行事はほぼ皆無
・プール管理→そもそもプール自体ない
・遠足の企画、運営→管理職の担当
・健康診断の計画、運営→そもそもこのような仕事なし
・清掃用具の管理→そもそもこのような仕事なし(清掃員は常駐なので掃除の時間はない)

学習指導部

そもそもこのような部は存在しません。

<仕事内容の例>
・図書の管理、整理→図書の先生の担当
・情報機器の管理、PC室整備→テクノロジー部の担当
・掲示板の管理→そもそもこのような仕事なし
・人権教育→社会正義部が似たようなことをしている
・国際理解教育→そもそもこのような仕事なし

進路指導部

そもそもこのような部は存在しません。

<仕事内容の例>
・大学等、広報担当者との連絡調整→各学年のカウンセラーが担当
・指定校推薦の取りまとめ→そもそもこのような仕事なし
・就職説明会の企画、就職試験対策指導→そもそもこのような仕事なし
・模試や入試の分析→そもそも入試がない
・夏季、冬季講習の企画運営→そもそもこのような仕事なし

教科の校務分掌

この仕事内容は基本的に教科主任が担当します。

<仕事内容の例>
・教材管理→教科主任が担当
・特別室の整頓、管理→教科主任が担当
・備品点検、修繕依頼→教科主任が担当

カナダで校務分掌というと?

カナダでは基本的に学校ごとにSchool Committeeというものがあり、そのCommittee(委員会)の中で日本の校務分掌にあたるような役割分担があり、それぞれの役割の中で必要に応じて管理職にアドバイスをするという立場です。

School Committeeの中にはファイナンス、健康安全、PTA、研修(Pro-d)、社会正義、テクノロジー、時間割などの分野に分かれてそれぞれに委員会(日本で言うところの○○部)を作って月一くらいで集まっています。校務分掌と言っても完全にボランティア制なのでそれぞれの委員会の役員は一年ごとに興味や時間のある人が交代でやることになります。

どうしても担当者が見つからない場合は管理職が代わりに委員会の担当者になります。月一の集まりでは、お昼休みなどに集まりその委員会で必要とされている議題について話し合い、必要であればSchool Committeeの月一の集まりで議題としてあげます。

例えば、研修(Pro-d)の委員会の月一の集まりに数学科から代表で参加したことがありますが、学校全体の研修日にどんな内容を皆で学ぶべきかみたいなことを議論して計画を立てました。

正直なところ完全ボランティアなので本当に興味のある方が何年も受け持ってしまっているのが現状です。逆に言うとやりたくなければずっと避けられてしまう制度です。

まとめ

一言に校務分掌と言っても、日本の校務分掌は仕事としての側面が強く、カナダの校務分掌は業務改善を目的として構成されているなといった印象を受けました。

上記にも上げた通り、日本で言うところの校務分掌はカナダでは事務員、管理職、学年カウンセラー、清掃員の仕事の一部として成立しているのでそもそも先生に回ってこないということです。なのでカナダの校務分掌は補足的な部分が強くなるのかなあと思います。

何が一緒で何が違うかを見るだけでもカナダの先生の仕事が見えてくると思います。最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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