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【映画感想】「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」 カラフルな演出と可愛さで最高。

覚醒のきっかけは、失恋!

この映画の凄いところは、
ハーレイ・クインの生き方の表現が徹底されているところです。

おそらくモットーはこのあたり。

・ふざけてて何が悪いの?
・もっと楽しんでやろうよ?
・私がいい子?まさかね。

まず冒頭で、
ハーレイ・クインの生い立ちと失恋のお話を
可愛いアニメで紹介されます。

悲しい過去のことでもあるのに、
コメディチックに説明されます。

最近プリンちゃん(ジョーカー)と別れたとのことで
失恋から物語は始まります。

涙の断髪もあり、
彼女は失恋相手とはきっぱり縁を切って
踏ん切りをつけようと、
思い出の場所を爆破することを思いつきます。


©️DC Studios

ど頭から派手な展開ですが、
この象徴的な爆発をきっかけに、「覚醒」していくという流れに。
化学工場だから色んな薬品に火がついたのでしょうか?
やたらといろんな色の炎が立ち上がって、花火のようになってます。

こんな風に、この映画ではどんなシーンでもとにかくカラフル。
絵作りもかなり意識していると思います。


カラフルが過ぎる?

格闘シーンもかなり作り込まれています。

©️DC Studios

とにかく、カラフル。
カラフルというのは、色合いが豊かという意味だけではなくて、

細かい仕掛けを多く使って、演出の幅を広げている意味もあります。

とくに、どのシーンも単調にならずに、
工夫や見せ所が用意されています。

まず警察署に乗り込むシーンでも、
あの変な銃?銃弾ではなく、
お手玉?カラーボール?キラキラの紙吹雪?みたいなのを
武器にしていて楽しげだし

救出のシーンであえてスプリンクラー暴発させて
水浸しにしたのもどことなく、水遊びに見えてしまうし。
水飛沫があることで、光の当たり具合も抜群で
かっこいい仕上がりにもなっている。

アクション中でもハーレイクインは基本ずっと笑顔で、
服装もふざけてるし、遊んでて楽しい!感じを絶やさない。
BGMもノリノリの明るい曲が必ず流れています。

でも男たちは真剣で、
命をやりあう場面でもあり、
ってところと絶妙なバランスを保っているところもすごい。

ふざけてるけど、緊迫感はキープしてる。


©️DC Studios

最後の全員集合の脱出シーンでも、
ご覧のように、ハーレイ・クインだけふざけた格好をしています。

おもちゃのハンマーとローラースケート。
このあと、もみくちゃの激しいシーンも見事なのですが、
気がついたら戦闘中にローラースケートを着用して
ふざけた感じで戦ったりしています。

だからといって、映像が軽くなるわけでもなく、
いい感じにカッコ良く仕上がっている。

ちなみに、このアクションシーンの担当は、
87eleven Action Designという最先端のアクションチームが
指示しているとのこと。ジョン・ウィック、アベンジャーズもこのチームが制作してます。

どうりで完成度高いわけです。

男性社会?ぶっとばすよ?


現代の大きなテーマと言える、男性中心社会にも大きく触れます。

©️DC Studios

彼女たちは、男性中心社会のせいで
肩身の狭い生活をしていたのです。

とくにハーレイの覚醒は
「ジョーカーの彼女」という立場から
「彼女自身」として生きる決意をすることで
始まります。

〇〇の妻とか〇〇の彼女とかいうふうに
男性のサブ的な位置付けをされてしまう立場から、
「私は私!」という強く叫びまくる。
男性の付属物にはもうならないよ!と、
全編を通して、そんなエネルギーが感じられるような作りにもなっていると思います。

それはどんなものかというと、
ふざけてるし、ご機嫌だし、カラフル。
それでいいじゃん?って感じ。

とくに性別でいうと、
はっきりと、
男性 = 敵
女性 = 味方
と区別されています。

男性社会で溜めたストレスを
男どもをぶちのめすことによって
解消させられるようにも観れる。

たしかに、大男どもが股間を押さえて倒れこむシーンとか、
彼女達と一緒にざまあみろと思えてくるのも面白いです。

それで映画では、
男性とどう戦っていったかというと、
あくまでも、楽しく、小粋に戦う。

↑に挙げた通り、
格闘シーンはおふざけと工夫の連続です。

しかもだいたい、笑いながら、余裕で、楽しんで、格闘します。

女性ならではというか、
そっちのがほうが楽しくていいじゃん?みたいな風に言われているようです。
ここでも男性的価値観への、対抗が感じられたり。

まとめ

監督はキャシー・ヤンさんという中国系アメリカ人女性で、
年齢も36歳とかなりお若いです。

女性だからこそできるリアルな表現と
女性が表現したい可愛らしさ?を垣間見れた気もするし、
なによりカラフルな絵作りが最高に旨かったですね。

最後の最後で、ハーレイ・クインは、
カメラ目線で観客に向かってこう言います


©️DC Studios

「私がいい人って・・?
・・んなわけないでしょ?」

ここまでの運びが本当にうまくて、
これまでご紹介してきた、
男性社会で「本当の私」を確立した宣言でもあるし、
いい人じゃなくてもいいじゃない?みたいな
開き直りにも聞こえますが、とても座りがいいです。

男対男のマッチョな戦いはもういいよ。
楽しくいこうよ。みたいな。

私自身、そういう考え方には大賛成だし、
一刻も早く男性中心社会は壊れてほしいんだけど、

この映画をみると、それをぶっ壊したような気分も味わえます。

それも超楽しい工夫と可愛さとご機嫌を同時に散りばめながら。

おすすめの映画です。





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