【映画感想】「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」 カラフルな演出と可愛さで最高。
覚醒のきっかけは、失恋!
この映画の凄いところは、
ハーレイ・クインの生き方の表現が徹底されているところです。
おそらくモットーはこのあたり。
・ふざけてて何が悪いの?
・もっと楽しんでやろうよ?
・私がいい子?まさかね。
まず冒頭で、
ハーレイ・クインの生い立ちと失恋のお話を
可愛いアニメで紹介されます。
悲しい過去のことでもあるのに、
コメディチックに説明されます。
最近プリンちゃん(ジョーカー)と別れたとのことで
失恋から物語は始まります。
涙の断髪もあり、
彼女は失恋相手とはきっぱり縁を切って
踏ん切りをつけようと、
思い出の場所を爆破することを思いつきます。
ど頭から派手な展開ですが、
この象徴的な爆発をきっかけに、「覚醒」していくという流れに。
化学工場だから色んな薬品に火がついたのでしょうか?
やたらといろんな色の炎が立ち上がって、花火のようになってます。
こんな風に、この映画ではどんなシーンでもとにかくカラフル。
絵作りもかなり意識していると思います。
カラフルが過ぎる?
格闘シーンもかなり作り込まれています。
とにかく、カラフル。
カラフルというのは、色合いが豊かという意味だけではなくて、
細かい仕掛けを多く使って、演出の幅を広げている意味もあります。
とくに、どのシーンも単調にならずに、
工夫や見せ所が用意されています。
まず警察署に乗り込むシーンでも、
あの変な銃?銃弾ではなく、
お手玉?カラーボール?キラキラの紙吹雪?みたいなのを
武器にしていて楽しげだし
救出のシーンであえてスプリンクラー暴発させて
水浸しにしたのもどことなく、水遊びに見えてしまうし。
水飛沫があることで、光の当たり具合も抜群で
かっこいい仕上がりにもなっている。
アクション中でもハーレイクインは基本ずっと笑顔で、
服装もふざけてるし、遊んでて楽しい!感じを絶やさない。
BGMもノリノリの明るい曲が必ず流れています。
でも男たちは真剣で、
命をやりあう場面でもあり、
ってところと絶妙なバランスを保っているところもすごい。
ふざけてるけど、緊迫感はキープしてる。
最後の全員集合の脱出シーンでも、
ご覧のように、ハーレイ・クインだけふざけた格好をしています。
おもちゃのハンマーとローラースケート。
このあと、もみくちゃの激しいシーンも見事なのですが、
気がついたら戦闘中にローラースケートを着用して
ふざけた感じで戦ったりしています。
だからといって、映像が軽くなるわけでもなく、
いい感じにカッコ良く仕上がっている。
ちなみに、このアクションシーンの担当は、
87eleven Action Designという最先端のアクションチームが
指示しているとのこと。ジョン・ウィック、アベンジャーズもこのチームが制作してます。
どうりで完成度高いわけです。
男性社会?ぶっとばすよ?
現代の大きなテーマと言える、男性中心社会にも大きく触れます。
彼女たちは、男性中心社会のせいで
肩身の狭い生活をしていたのです。
とくにハーレイの覚醒は
「ジョーカーの彼女」という立場から
「彼女自身」として生きる決意をすることで
始まります。
〇〇の妻とか〇〇の彼女とかいうふうに
男性のサブ的な位置付けをされてしまう立場から、
「私は私!」という強く叫びまくる。
男性の付属物にはもうならないよ!と、
全編を通して、そんなエネルギーが感じられるような作りにもなっていると思います。
それはどんなものかというと、
ふざけてるし、ご機嫌だし、カラフル。
それでいいじゃん?って感じ。
とくに性別でいうと、
はっきりと、
男性 = 敵
女性 = 味方
と区別されています。
男性社会で溜めたストレスを
男どもをぶちのめすことによって
解消させられるようにも観れる。
たしかに、大男どもが股間を押さえて倒れこむシーンとか、
彼女達と一緒にざまあみろと思えてくるのも面白いです。
それで映画では、
男性とどう戦っていったかというと、
あくまでも、楽しく、小粋に戦う。
↑に挙げた通り、
格闘シーンはおふざけと工夫の連続です。
しかもだいたい、笑いながら、余裕で、楽しんで、格闘します。
女性ならではというか、
そっちのがほうが楽しくていいじゃん?みたいな風に言われているようです。
ここでも男性的価値観への、対抗が感じられたり。
まとめ
監督はキャシー・ヤンさんという中国系アメリカ人女性で、
年齢も36歳とかなりお若いです。
女性だからこそできるリアルな表現と
女性が表現したい可愛らしさ?を垣間見れた気もするし、
なによりカラフルな絵作りが最高に旨かったですね。
最後の最後で、ハーレイ・クインは、
カメラ目線で観客に向かってこう言います
「私がいい人って・・?
・・んなわけないでしょ?」
ここまでの運びが本当にうまくて、
これまでご紹介してきた、
男性社会で「本当の私」を確立した宣言でもあるし、
いい人じゃなくてもいいじゃない?みたいな
開き直りにも聞こえますが、とても座りがいいです。
男対男のマッチョな戦いはもういいよ。
楽しくいこうよ。みたいな。
私自身、そういう考え方には大賛成だし、
一刻も早く男性中心社会は壊れてほしいんだけど、
この映画をみると、それをぶっ壊したような気分も味わえます。
それも超楽しい工夫と可愛さとご機嫌を同時に散りばめながら。
おすすめの映画です。
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