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速い、安い。だけじゃ面白くない(9月14日の雑感)

最近、お店の学校というイベントのアシスタントをしているのですが、

前回は「ALL YOURS」というブランドを共同で運営する木村さんをゲストに迎えた回。ご存じの方もいるかも知れませんが、『インターネット時代のワークウェア』『LIFE SPEC』を掲げ、24ヶ月連続クラウドファンディングなど独自のやり方で自分たちの売りたいものを売りたい価格で販売するアパレルブランドです。

元々僕もブランドのファンで、この日も面白い盛りだくさんだったのですが、個人的に一番共感したシーンが、「なんでブランドを立ち上げようと思ったのか?」という質問への木村さんの答えでした。

僕らがもう高校生とか大学生の時に買ってた古着って50年代〜60年代の古着なんですよね。なんですけど、今の若い子って90年代みたいなものもヴィンテージと言ってるんですよ。それで、もしこの先2000年代がヴィンテージと言われる様になった時に、何が古着として流通してんのかなと思った時に、もし、ザラとユニクロとギャップしかないみたいな世界だったら最悪だなと思っていて、そもそもコスト優位でトレンドに合わせて作られてあとはどうでもいいみたいな作り方している服が、例え古着として扱われる時代が来たとしても、まだ着られる状態で残っている事なんてすごい少ないですよね。そしたら、僕が50〜60年代の古着から学んだような「服の良さ」みたいなものを、古着からから入っていったら服の良さに気づけない世代が出てきちゃうなと思っていて、そういう部分を僕もハラも課題感をして持っていたし、サラリーマン時代に共有してたんですよね。(ハラさんは共同創業者です)

この答えには、自分の中で言葉にしづらかった部分がスッと腹に落ちたような感覚がありました。

サスティナビリティ云々よりも、面白さ。

僕がなにかものを選ぶ時には、学生時代に様々な社会問題を学んでいたこともあって、どこで・誰が・どんな風につくられたものなのかというのは気してお金を使うようにしています。でも、それだけじゃない、なんか違うものさしもあるんだよな〜と思っていたのが、木村さんの言葉で「面白さ」だったのだと改めて自覚することが出来ました。

こんなことを言っている僕も、消費行動の指の先まで毎日意識しているわけではありません。無印良品だって時々は買うし、ファストフードだって食べます。でも、例えば、木村さんの話のようにザラとユニクロだけ、キッコーマンとマルコメだけ、マックとスタバだけ、みたいな世界線になったとしたら、それはやっぱり「つまらない」と思うわけです。

速い・安いというファストな事を否定する気は全くありません。でも、それを求めすぎるあまりに、その場しのぎの画一的な商品ばかりが溢れてもつまらないし、例えば、醤油や味噌で言うと、大手のファストな手法で作られたものも普通に美味しいけれど、「しょっぱい」「甘い」などの味が画一的になってしまうけれど、一方で地方の蔵には、その蔵の味や香りがあって、ファストな味にはない「複雑さ」があるように思います。

やっぱり、自分はそれぞれの思いがあるプロダクトや姿勢に共感するし、なるべく良いものを長く使いたいなぁと思うけれど、ファストな価値観を否定せずに、「面白い」世界をつくっていくためにどういう伝え方・やり方が出来るだろうと考えた夜でした。

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