ボクとポルノグラフィティ

前からやりたかったボクなりの歌詞の解釈をやっと記事にしようと、重い腰を上げて、記念すべき1回目の曲はポルノグラフィティの「アゲハ蝶」にしよう!と書き始めました。

しかし書き始めてみるとなぜ1曲目にアゲハ蝶を選んだのか、そこに至るまでのポルノグラフィティとの出会いを書き初めてしまって、それだけで案外長くなってしまったので今回は「ボクとポルノグラフィティ」ということで1つの記事としました。

おっさんの自分語りになんて興味がある人は少ないと思いますが、もし読んで頂ける方がいればお付き合いください。

それでは「ボクとポルノグラフィティ」のはじまりはじまり〜

人は誰も人生レベルで影響を受ける音楽や本、映画、ドラマ、ライブなどの芸術分野の作品がある。

これがボクなりの持論なのですが、自分にとっての”ソレ”のひとつがアゲハ蝶との出会いでした。

田舎の引きこもりで、アイドル以外の芸能や音楽にも興味がなかったボクが、進んで色んなジャンルの曲を聴き始めたのもこの曲がきっかけです(かく言う現在はまた聴くジャンルが限られてますが….)

推しのアイドルグループの曲の歌詞に「お得だわ この歌は 音符過多 言葉足らん」という歌詞がありますが、ボクは全く真逆のタイプ。

元々1つのメロディーの中に言葉をギュッと詰め込んだ歌に興奮するタイプの言語野性の変態なので、初めてテレビで昭仁(ポルノグラフィティのボーカール)がこの曲を歌っている姿を見た時に電撃が走ったような、あるいは鳥肌が立つようなゾワゾワするような感覚になったのを鮮明に覚えています。

それまでは”カッコイイ”の概念がジャニーズのような「線が細く髪の毛サラサラ肌ツヤツヤ、衣装も顔面の造形も王子様のように見目麗しく女性と見紛うような人たちがキラキラした歌を踊りながら歌う」だったのだけど、「筋肉隆々髪の毛ツンツンの(当時のボクから見たら)漢くさいおじさんが頭に血管浮かせながら魅了的なワードを超アップテンポなメロディーに乗せて歌っている」姿を”カッコイイ”と感じていました。

そうして、これまでの”カッコイイ”とは別の”カッコイイ”がインストールされ、”カッコイイ”革命が起こったことで、良い意味で自己破壊の要因となったのがボクにとってのポルノグラフィティです。


最初は曲のアップテンポに言葉が詰まっていることが心地よくて好きになったけど、歌詞をしっかり見てみると、ワードの斬新さはもちろんのこと、ボクの想像を遥かに超える世界の捉え方にどんどん魅了されのめり込んでいくことになります。

そしてもう少し調べると、アゲハ蝶をはじめ当時強烈なインパクトを受けた歌詞を書いたのが全てギターの新藤晴一だと知りました。

敢えて昔の名前でハルイチと書きますが、ハルイチの歌詞はとにかく世界の捉え方が面白い。

当時の曲で言えば「愛が呼ぶほうへ」「パレット」「空想科学少年」「Mugen」「カルマの坂」「ラック」などなど上げだせばきりがないくらい、ボクでは絶対思いつかないような表現の言葉と世界の捉え方を知った気がします。

特に人生レベルで影響を受けた歌詞を2つ。
どちらも「パレット」という曲の歌詞。

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だって知っている言葉はほんのちょっとで感じれることはそれよりも多くて無理矢理窮屈な服着せてるみたい
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結局言葉なんて人間の感性が生まれてからずっとずっと経ってから発明された一つの開発物にすぎず、感性はそれを上回るよという詞。
大好きな小説の大好きな1シーンに「思考は言葉によって規定されるのか」を議論するシーンがあって、それにも通ずる。
言い得て妙。みんなが感じてるであろうことを面白い例えで表していて、当時中学生ながらに超絶感動したことを覚えています。


そしてもう一つ。
どうしてこんなに暗い詩が溢れているんだろうと前フリをした上で

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月は決して泣いていないし鳥は唄を忘れてはいない 変わらずそこにあるものを歪めて見るのは失礼だ
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この曲自体はこの詞の後にまた二転三転するのだけど「世の中は解釈によってのみ成り立っている」という仏教哲学みもあるこの歌詞。
14〜15歳のボクにメタ認知的な発想を与えてくれたのもこの歌詞でした。もっとも当時は”メタ認知”なんて言葉は知りませんでしたが。

この歪めて見るという詞が主観での世界にも影響を与えてくれます。

当時友達もおらず家族からも浮いていて、通信簿に書かれる教師からのコメントも”見かけ以上の芯の強さ”とか”みんなとの違いを大切にしてください”とか、間接的に変な人と評されていたことを気にしていた自分。
直接的な言葉でディスられたり”変”と言われることもまぁあったので、こういう表現で書いてくれた先生方は優しかったなと思うけど。

でもこの詞を見て、みんな結局自分の解釈と文脈の中で他者を歪めて見てる状態だから、そこで与えられる変とかいう評価を気にせずに自分の好きなように生きようという、ある種最強の発想を得ることができました。

無敵弱者男性爆誕です。

結果、中学高校6年間で友達が一人もできずにこの歳になって結婚式に参加したこともなければ、同窓会に誘われたこともないような限界社不おじさんと成り果てましたが…


ただ、こういう風にハルイチの歌詞は人生に於いて大きな示唆を与えてくれたり、ぼっちだったボクの心の支えになったものが一つや二つと言わずたくさんあります。

ボクは日本の作詞をする人でとても好きな方が三名いるのですが(アンテナ張ってるわけではないので探せばきっともっといる)その筆頭がハルイチ。

もうすでにパレットの歌詞を紹介してしまったけど、ここまで書いた理由で最初に歌詞解釈を「アゲハ蝶」にしようと思いました。

仕事が繁忙期に入り毎日クタクタで次にいつアップできるのかまったく読めない状態ですが、ぼちぼち書いていきます。

今後も色んな曲で唸るような表現を見れることを期待しつつこれで締めにしたいと思います。

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