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#2 アセスメント屋であること

 たすくに入社して間もない頃、外部の人にどんなことをしているか?を説明するのがうまくできなかったイメージを持っている。

  それほどお子さんに対して、いろんなことをやっていた。
 一言ではなかなか伝えられなかった。

 たすくは何屋か?は難しい問いだった。

 「療育」という言葉だけでも薄い気がしたし、「トータルでなんでもやっている」と言ってもぼやっとしている。

今、スタッフで統一して話しているのは「アセスメント屋」である。
たすくは、子どもを預かる機関ではないし、日々の療育だけをする機関でもない。

「アセスメント」は障害福祉・リハビリではよく使われている言葉ではあるが、
それに特化しているという意味で「アセスメント屋」と呼んでいる。


・アセスメントは、サービスを始めるために必要な記録用紙への記入ではない。
・サービス利用で決められれた期間にコピペで写して終わりにするものではない。
・アセスメントは枠を埋めれば良いものではない。
・アセスメントは1回やったらおしまい、なものではない。


 子ども理解をするためには必須のツールであり、これをしないことには療育的なアプローチができないものだ。
 様々な介入方法があるが、手法に子どもを当てはめて、それはうまくいくのだろうか?
 まず、本人理解をすることによって、特性や配慮すべき事項、伸びるために必要な環境設定や支援技術など、専門家だけではなく、家族と共有することが重要だ。
そして、それには多様で深い専門性と、保護者や他の支援者に伝える知識と技術が必要だ。

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(たすくの刊行誌 豊かな水源No.7 アセスメントの様子にて父親役で写る増子)

検査をしないで手術する医者はいない」のと同じように、
「アセスメントをしないで療育する専門家や家族はいない」と信じること。

 その「アセスメント」を体系化し、人間ドックのように毎年のチェックをし、家族の子ども理解を進めることが、将来を見越した最善だと考えている。
 そして、その体系化されたアセスメントが学校で必要とされ、東京都の特別支援学校の10校(2020年現在)ではパッケージ化されたものが導入されている。
また、全国の児童支援をしている法人からも声がかかっており、「アセスメント」から始まる子ども理解を通した、保護者・支援者への支援が広まろうとしている。
たすくでは、これらのアセスメント方法をBOX化し、全国でへの頒布をはじめようとしている。(興味のある学校や法人はご連絡ください)

 と、アセスメントの紹介をしたが、この手法が優れている一つにアセスメント指標でもあるJ⭐︎sKeps(Japanese Seven Key Points 7つのキーポイント)がASD(Autism Spectrum Disorder 自閉スペクトラム症)の評価指標として非常に理解しやすいものだからだ。

 国立特別支援教育総合研究所にて、たすくグループ代表の齊藤宇開が研究していたものであり、たすくが現在まで毎年の記録をとり続けている指標である。

 当時の研究からも、「自閉症教育7つのキーポイント」は行動てきな問題のあるASD児の理解を助け、キーポイントを伸ばすことによって学べる幅が広がり、それによって学習環境や教材教具も決まってくるということはとてもわかりやすかった。

 作業療法学生だった際に、発達領域でお子さんを毎週決まった時間に関わるという実習があり、毎週のように部屋から子どもがトイレに走っていってしまい、トイレの水をずっと流す行動を後追いしていた自分に教えてあげたかった・・・
 正直、この頃に発達領域は「難しい」としか思っておらず、苦手意識だけを持って卒業をして精神科病院への勤務した。

この発達障がい、特にASDへの支援は難しいイメージしかなかったのが、このJ⭐︎sKepsの評価を知り、学んでから、行動の理由が附に落ちた。
 なんで?が分かったとき、とても面白いと思ったし、実際にJ⭐︎sKepsの視点で評価・アプローチをしていくことで、保護者との共通理解が進み、本人が伸びることを実感できた。

 これからは、この手法をもっと多くの方や機関に届けていき、一人一人に応じたプログラム提供を行うための「アセスメント」をもっと磨こう。


「地域の隅々に専門的な視点や支援を!」
は入社したときからのスローガン!


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