見出し画像

#13 早期から継続していく支援環境の構築

 前回まで、精神疾患等の予防の視点について研究結果の紹介(あくまで一部だが)をした。そして、そのことが自分が発達領域に向かった理由そのものである。

その中で、医療の場にいながら感じたことがある。

年齢で区切られた制度によって、早期からの継続的なサポートが受けられていない。

 6歳までの未就学のお子さんが使える児童発達支援事業。これは昨年10月に無償化になった。作業療法士が勤務する、療育センターはこの未就学を対象としているところが多いだろう。学齢期になると、運営の課題から一気に利用頻度が下がってしまうことが多い。
 就学後は放課後等デイサービス。「療育」をやることがサービス内容ではあるものの、いわゆる「お預かり」がメインになっているところを多数みかける。そして、保護者も働き方改革や保育園の利用によって「共働き」をせざるを得ない世の中になってきており、「お預かり」ニーズは加速する。。。。

 そして、一方の学校教育でも同じようなことが起きている。個別の支援計画の推進はされているかもしれないが、毎年変わる担任の先生。毎年最初から子どものことを説明したり質問される保護者。。。

このことを強く感じたのが、病院の時に出会った一人の方だった。
彼女は外来で作業療法を利用になった子で、診断は「自閉症 うつ」と書かれていた。まだ10代後半で、特別支援学校の高等部を卒業後、他県の全寮制の専門学校へ通った。そこでのつまづきによって、学校へいけなくなり、生活も乱れてしまい、実家に戻ってきたところだった。
当時、自閉スペクトラム症の方への関わりについては知識も技術も未熟だった。
 初回の面談時に作業療法室で急に頭を叩きはじめ、「死にたい 死にたい」と泣き始めたのは強烈に覚えている。
 母からこれまでの経緯を聞き取りさせていただく中で(結局ここでも最初からの聞き取り・・・)、学校での情報がほとんどよく保護者が理解していなかったこと、これまでの経緯がわかるような情報を家庭に残していなかったことがわかった。学校に問い合わせると、以前の担任はもういないと言われてそれ以上情報をとることができず・・・・。

そもそも早期、学齢の頃から学校をはじめとしてどこかの機関に関わっている方が、少なくとも保護者が情報を持っていないということ、これが問題だと感じた。

そして、こういった関わりをする機関に働きたいと思い、既存のサービスの上で事業をしている場所を選択肢から外した。

そしたら、なかなか見つけられず、いまの「たすく」を探すのに時間がかかった・・・笑

 たすくのHPを見たときに「一貫性と継続性のある支援体制を構築する」という理念にピンときて連絡をした。 

 現在、放課後等デイサービスは増えてきているし、同じグループで18歳以降の就労移行支援等のサービスも担うところも見かける。
重要なことは、年齢で単純に進路が決まっていくことではなく、一人一人に応じた支援体制ができ、様々な選択肢から進路先を選べることだ。
 早いうちから「障害があるから働くのは・・・」と思っていたら就職はそもそもできないし、知的にハンディがある方に対して、18歳以降の進路(ずっとそこに通う可能性の高い場所)を安易に決めていないだろうか??
もう少しいろいろな経験、体験をしてからでも遅くないだろうか??

 一般的には大学全入、などと言われ、やりたいことが見つからなくてもとりあえず22歳までモラトリアムを過ごす方が増えたと思う。同じように、発達や知的な課題がある子にも「TRY」をさせること、経験させるこ場を作っていきたい。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?