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科学的介護における効果とは何か?

「科学的介護」という言葉が、最近の介護業界をにぎわせています。
科学的介護とは、数字やデータなど客観的な根拠に基づいて行われる介護のことです。

この科学的介護に対して、わたしはある疑問を感じています。
その疑問とは、「科学的介護における効果とは何を指すのか?」ということです。

たとえば、介護サービスを利用した結果、歩けなかった人が歩けるようになったとします。
これはとても素晴らしいことです。
ですが大切なのは、歩けるようになったかどうかではなく、本人がその結果をどう感じているかではないでしょうか。

いくら歩けるようになったとしても、本人が望む程度の歩行状態ではなく不満を抱えて生活していたら、介護がその人に与えた効果は小さいと言えます。
逆に、歩けるようにならなかったとしても、車イスでの移動や周りの支援により快適な生活を送れていたら、本人は介護に満足していると捉えることができるでしょう。

このように、介護の効果とは客観的な指標によってではなく当人の主観によって左右されるものだと思います。

熱心に客観的なデータを集めても、その効果を感じるのはその人(主観)です。
ですから、「科学的介護により客観的なデータを集めることが、当人にとってどれほどの意味があるのか」と、わたしは感じてしまいます。

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