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【某小売店勤務経験者の談】

某小売店に勤めていた男性社員Aは、途中入社で勤務開始から4ヵ月経った頃、少しずつ職場に居辛くなりはじめる。

アルバイトパート含む全従業員は26名。外から見ればアットホームな職場であった。プロ意識が高い人の集まりだったのかもしれないが、ミスした者をいつまでも引きずり、バカにする傾向があったらしい。

Aは未経験の業種だったこともあり、細かいミスが目立っていた。
もちろん、Aは社員やアルバイトからも陰口はもちろん、直接嫌味を言われたりもしていた。

働き始めて4ヵ月経った頃から発注業務を教えてもらい、数日間上司に見直しをしてもらいながら業務を行っていた。
そして、5ヵ月経った頃に発注担当を複数個所受け持つことになった。

ある日、Aはいつものように慣れな発注業務を行い2日が過ぎたころ、日用品分類の商品が普段の十倍の量が届いてしまった。
発注数量の登録の際、0を多くつけてしまっていたからだ。

その光景を目の当たりにした社員とアルバイトは、不満をぶつけ始めたようだった。実はこの日、Aは休みの日であった。
アルバイトがいつもはこんな量が入ってこない商品の山をみて、不満をぶつける。その不満から、社員を巻き込み問題が大ごとになってきた。
起きてしまったことはどうしようもないのだが、その発注しすぎた商品が問題だったらしい。在庫がなくなるまで売ろうとしても数ヵ月以上かかってしまう計算だったのだ。
店長含め社員全員にイラ立ちが見え、だんだんその場の空気が悪くなっていったようだった。
アルバイトがAに電話をしたが、Aは出なかった。
電話にAが出なかったのが気に食わなかったようで、人を変え何回もAに電話をかけた。
社員はそのような行為を止めるべきであったのにもかかわらず、社員もAに電話を掛け続けた。その回数42回である。
Aは、映画館で映画を観ており、カバンに携帯電話を入れていたこともあり、電話には気が付かなかったようだ。
映画が終わり、携帯画面を見たAは着信件数の多さと、すべての電話が職場の者からかかっていたこともあり、慌てて折り返し電話をかけた。
職場からは「すぐに来い」とのことで、ただ事ではない様子だったこともありすぐに職場へかけつけた。

職場に着いたAは事情を説明され、自分のミスでどのようなことになっているかを把握し、謝罪をした。


*関係者によると、商品名は伏せるが、このような場合他店に移動をしたり値下げなどを行い、利益は薄くなってしまうが、約1ヵ月もあれば在庫はほぼ減らすことが出来るようなものだったらしい。


しかし、Aの職場はAを許しはしなかった。
次の日から、Aへの嫌がらせが始まった。

Aの机に、ジュースをかけられていたり、そのせいで書類がだめになり社員に報告をすると、書類をダメにしたことを理由にAを罵倒した。
そして、食肉専用冷凍庫に10分間閉じ込めるなどもうすでに犯罪行為を行っていた。それをアルバイト含め全員があざ笑ってみていたという。

夜遅くになり職場から返ろうと従業員専用駐車場に向かうと、Aの車のボンネットに、廃棄の総菜が10人前以上ぶちまけられていたこともあった。

Aは3週間は耐えたが、精神的に限界が訪れ、職場に行くことができなくなった。毎日職場から電話がかかってきたが、Aがそれを取ることはなかった。

結果、Aは鬱と診断され、改めて就職先を探すことも難しい状態となった。



現在はAは無事再就職し、以前とは真逆な素晴らしい環境で働くことが出来ている。

元職場はすでに潰れてなくなっている。

なにより、集団でそのような行為を黙認していることが異常だ。

だれか一人でも違った意見の者がいれば、どこかに訴えかけてそのような環境を変えることができなかったのだろうか。

あまりにもAが不憫である。そして、命を絶つようなことにならなくて本当に良かったと思う。

まさに嘘のような信じられない環境がそこにはあったのだ。

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