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田中さんの託児所

定年退職をした田中さんは、だんだんに身体の衰えを感じつつ、これといった趣味もなく、サークルなどにも属さず、収入も年金のみといった生活を送り、うつうつとした毎日を過ごしていました。

ある日、田中さんの友人の佐藤さんが、田中さんの家に遊びに来ました。佐藤さんは、田中さんの様子を見て、「何か趣味を見つけたらどうですか?趣味があると、毎日が楽しくなりますよ。」と勧めました。
田中さんは佐藤さんの言葉を聞いて、趣味を見つけることにしました。いろいろな趣味を調べましたが、どれもピンとこず、なかなか決めることができませんでした。
ある日、近所の公園を散歩していると、子どもたちが遊んでいるのを見ました。田中さんは、子どもたちの元気な姿を見て、子育てのころを思い出しました。

田中さんは、子どもたちと遊んでみたいとかなり強く思いました。そこで、自宅で託児所を開くこととしました。
そこからの行動は早かったのです。託児所を開くために、子育て支援員の資格を取りました。そして、自宅を改装して、託児所を作りました。
田中さんの託児所は、子どもたちに好評でした。子どもたちを愛おしくおもって接したこともあって、子どもたちは田中さんのことを大好きになりました。

託児所は、子どもたちだけでなく、保護者からも好評でした。保護者たちは、子どもたちが田中さんのところで安心して過ごせて、うきうきと行ってくれるので、得難い託児所が出来たと喜びました。

田中さんも、子どもたちと遊ぶことで、元気になりました。休んではならないという使命感で、体調はかつてないほど好調です。託児の手伝いを頼んだ人と話が弾んで、友人も次々と増えました。働くことでおこずかいも増え、時々友達と旅行にでも出かけようかという意欲も湧いてきました。

いまや、田中さんの託児所は、地域になくてはならない存在となりました。田中さんの託児所は、子どもたちが遊ぶ場所を提供し、保護者たちが安心して仕事や用事を済ませることができる場所を提供しています。
田中さんの託児所は、田中さん、子どもたち、保護者たちにとって、Win-Winの関係となったのです。


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