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Harman/Kardonのスピーカー Aura Studio 2 の112mmウーファーが生み出す変態的低音

オーディオセットを売り払ってコンパクトに

先日デスクトップPCを売り払ったばかりですが、その勢いでオーディオ一式も売り払いました。

大学時代、親戚からとてつもなく重く熱くなるSONYのアンプTA-F555ESXと、30cmという大きなウーファーユニットを積んだサンスイSP-2002をお下がりで頂戴して以来、オーディオシステムにはわりとこだわってきました。

が、純粋な音質の追求はヘッドフォンに譲ることにし、
・無線化によりできるだけ配線等をすっきり
・筐体もコンパクトにしつつ
・強く締まった低音が出る

・天井の高い(5M)リビングでも鳴り負けない
再生環境にしようと、ちょっと大きめでパワーのあるホームスピーカーを物色していました。

本当は、日本でもAppleのHomePodが発売されるだろうと期待して待っていたのですが、アメリカでの売れ行きを見ているとどうも難しそう(まだ試聴すらできない…)ということで、今手に入るもののベストだろうとたどり着いたのがこちら。

Harman/KardonのAura Studio 2です。


(1)独特のフォルム

なんといっても、スピーカーとしてはフォルムが独特で、一度見たら忘れられないインパクトがあります。

それもそのはず、Appleのジョナサン・アイブとの共同デザインによりMOMAの永久コレクションにも入った同社製 Apple iSub Speaker のデザインを踏襲しているからなんですね。

Aura Studio 2からは上のガラス部分がスモークになって、雰囲気がさらによくなりました。LEDも妖しく揺らめくように光ります。消すことも可能です。

(2)変態的だが心地よい低音

肝心の音は、ズバリ「クラブ仕様」です。期待どおり、いや期待を遥かに超えて低音がスゴい。

112mmサイズのウーファーが下(床)に向かって取り付けられている(上部ガラスが実はそのウーファーのエンクロージャーの役割を果たしている)変態仕様のお陰で、信じられない音圧で低音がでます。音量を50%ぐらいまで上げようものなら、冗談ではなく床から家が揺れます(笑)。

再生音域も、この音域を家のスピーカーで聞いたの初めてだな〜という低い音域まできちんと鳴らします。いつも聞いていたはずの曲から聞いたことのない低音が聴こえると、脳がダイレクトに刺激されます。

底面をひっくり返すとこうなっています。むき出しのコーン。確かに、ウーファーは足元に置くものですが、まさか下(床)に向けてしまうとは…。普通の発想じゃないですねw

EDMのライブビデオをこれで見ると、足元からくる振動とあいまって、最前列で爆音を浴びているような疑似体験ができます。クラブやフェスの極悪な環境にわざわざ出向いて音を浴びに行く必要がなくなりそうな、そんな感じです。

むしろ、クラブみたいに高音がきつくないので、耳も傷めないですし心地良いぐらいですね。

プロジェクターにつないで映画を見るにも良いです。どのくらいいいかというと、低音が気持ちいいクリストファー・ノーランの「バットマン ビギンズ」を見始めたまま「ダークナイト」まで見終わってしまう、それぐらいに良いです。

高音部については、ウーファー部とは別に黒いメッシュ部分に40mmのツイーターを合計6機、これにより全方位スピーカーを実現していると謳っています。ウェブサイトによれば「特許取得のステレオ・ワイドニングDSPテクノロジー」だそうです。

(3)2台までBluetooth同時接続可能

地味に使えるなと思った機能がこれ。

ふだん音楽はiPad Proから、映画・YouTubeの音はApple TVからスピーカーにキャストしているのですが、そのたびにBluetoothの再接続作業をするのは面倒です。

その点このAura Studio 2では、2台まで端末のBluetooth接続を保持し、そのうち最後にプレイボタンを押したほうの音を再生するようになっているんですね。なのでいちいちペアリングし直しの必要がありません。これが非常に面倒がなく助かっています。

メーカー的にはこれを「ソーシャルモード」と呼んでいます。おそらく夫婦や同棲相手とお互いにスピーカーをシェアする目的のようなのですが、私のように複数端末を使う人にも便利かと思います。

欠点も少なくない

欠点もいくつかあります。

まず第1に、低音が強いのに対し高音はかなりマイルド、悪く言えば普通です。同クラスのホームスピーカーに比べ、全方位にステレオ感があるのは間違いありませんが、ハイレゾな高音・定位感がしっかり味わえるオーディオを求める方には向きません。あくまでクラブ・映画館仕様です。カタログによれば、2台を連携させてステレオ感を増幅させる超変態仕様(笑)も実装されているようなのですが、試聴でもさすがにそこまで試せませんでした。

第2に置き場所を選ぶという点。安い(重量のない)テーブルの上に置いてしまうとせっかくのウーファーの音圧が死にます。かといって、デザインも独特なので床の上に転がしておくには存在感があり過ぎます。ベストは、分厚い天板のあるオーディオ・TVボード上なのかなと思いますが、そんなセレブな家ならもっとちゃんとしたオーディオシステムでいいですよね。

最後に接続手段。残念ながらAirPlayに対応していないんです。この1世代前に出ていたモデル Aura Plus までは対応していたようなのですが、残念ながら本機ではこれがカットされています。Bluetoothの音を信じていない方などにはこれがすこぶる評判が悪いわけです。AirPlayとBluetoothで音を聞き分けられるような耳のいい人はこんなスピーカー買うな、というメーカーからのメッセージなのでしょうか。

それでも、低音を浴びたい人には迷わずおススメ

以上、細かいことも言いましたが、目的は「リビングを鳴らす低音が出て、かつコンパクトなパッケージ」でしたので、デザインもよい点も加味して、私は満足しています。私のような低音大好き、ドデカホーン世代(古い)にはもってこいのホームスピーカーです。


ちなみに私は都内某所にあるハーマンのショップに試聴しに行き、そのまま購入にいたったのですが、どういうわけか、正規ショップにもかかわらず値札に書いていない金額の値引きをしてくれました。

発売から2年近く経とうとしており、昨年出たばかりのAllureがすでにディスコン決定したようなので、もしかするとこのモデルもディスコン間近なのかもしれません。検討されている方は交渉してみてください。


最後に、私が参考にさせていただいたレビューを貼っておきます。


こちらはAirPlay対応だった先代 Aura Plus・初代Studioのレビュー。

 

機種は違いますが、下記のブログでエアダクト上部からのゴミ侵入を防ぐ「人工水晶玉」のアイデアをいただきました(笑)。ありがとうございます。

こういう記事を拝見しながら、どれを買おうか考えている時間がいちばん楽しかったりもします。

サポートをご検討くださるなんて、神様のような方ですね…。