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【ホテルログ⑧The Prince Hotel】150年の伝統と、上品さと可愛さを合わせ持つメルボルンらしいホテル

8回目のホテルログ。
引き続き海外への旅は難しい状況が続きますが、来年には行けるだろうという希望を込めて書いています。

今回は、オーストラリアのメルボルンにあるThe Prince Hotelをピックアップ。
1863年から街のアイコンとして佇む伝統的なホテルを、多様な文化と寛容性溢れるメルボルンらしさをミックスしモダンにリノベーション。

「目の前に広がるビーチにすら行くのがもったいない」と思わせてしまうくらい居心地の良い最高の空間でした。

The Prince Hotel, Melbourne, Australia

オーストラリアの中で最もヒップでアートな街として知られるメルボルン。
カルチャーが発達していて、アーティストやクリエイティブ職の人々が多く住んでいる街には、こだわりを持つカフェやレストラン、ショップ等良い空間が溢れています。
クリエイティブな刺激が豊かな場所なので、僕も毎年訪れている大好きな街です。

The Prince hotelは、メルボルンの中心地から車で15分程のビーチエリア、St Kilda(セント・キルダ)にあります。

1863年から続く伝統的なホテルは、ビーチにも程近い通りに位置し、長らく街のアイコンとして親しまれてきました。

改築前は「ザ・プリンス・オブ・ウェールズ(The Prince of Wales)」という名前だったため、外観にはその名残が残されています。

そんなPrinceは、メルボルン出身の建築家アラン・パウエル(Alan Powell)の手によって、レストラン、バーはもちろん、スパ、マッサージも完備し、小規模な複合リゾート施設として生まれ変わりを遂げました。

ホテル内には「Prince Band Room」というライブハウスがあり、数々のアーティストやDJもパフォーマンスに訪れ、様々な遊び方が出来るスポットとして知られています。

▲ビーチは歩いて3分!抜群のロケーションです。

ROOM / 客室

客室は、150年という歴史を良い意味で感じさせないモダンな内装が印象的。

50㎡以上ある広い空間は、淡いピンクをキーカラー、エメラルドグリーンをサブカラーに、ファッショナブルにリデザインされ居心地抜群です。

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北欧のミニマルな要素や、マイアミをイメージさせるカラーリングをミックスし、絶妙な落ち着きと暖かみがある客室には自然光が豊かに入って気持ち良い。
せっかくの旅なのに、外に出ないで部屋で過ごしたくなってしまう気持ちよさです。

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壁の色はうっすらとピンクに塗られていて、木のチェアともよく合います。

ポイントにしたグリーンの差し込み方もとてもお洒落。
グリーンの中でも色味が強いものとペールトーンを散りばめていて、メリハリを効かせる使い方が勉強になります。

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このアームチェアはオーストラリアの家具ブランドJARDANのもの。
僕達もこのブランドが大好きで、事務所ではオーストラリアから取り寄せたJARDANのテーブルを使っています。

僕の中ではこれぞオーストラリア!という、自由でモダンなオススメ家具ブランドです。是非instagramチェックしてみて下さい。


壁がグリーンで、ポイントカラーがピンクの逆バージョンもあります。

最近日本でもピンクとグリーンをメインカラーにしたホテルデザインを見る機会が増えて辟易気味でしたが、ここまでさり気なく、お洒落に使いこなしている事例は初めてでした。

リビングと目隠し壁を挟んで、その裏にドドンと浴槽が。
特にバスルームを区別せず、客室内で入浴できるスタイルでした。

日本では京都のBijuuのスイートがこのスタイルですね。

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客室内や、廊下に飾られていた写真がとても素敵でした。

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色味が映えるこの写真は、地元メルボルンの写真家Tom Blachfordによるもの。
ホテルがあるSt Kildaの町並みやビーチの写真が飾られています。
地元のアーティスト、地元の風景と、ローカルに根ざした要素で空間が作られていて素敵です。

ミニバーのメニューや、室内の案内表示もキーカラーのピンクに統一されています。

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HPデザインinstagramなど、グラフィックが全てキーカラーのピンクに統一、更にレストランでもピンクのお皿が使われてたり、ブランディングが徹底されています。

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オーストラリアの飲食店やホテルは、こうしたビジュアルブランディングへの力の入れ様が半端じゃない。
実店舗ビジネスにおいて、このレベルのデザインへの投資度合いは、日本では中々見られないので参考になります。

余談ですが、3年前に僕がシドニーで1ヶ月滞在した際、出発の前に日本からあらゆるカフェに壁画を描かせてほしいとメールをしたことがありました。
(僕はペインティングを仕事にしています。)

運良く数店舗から返信をもらった中に、Single Oというシドニーに3店舗あるインディペンデントコーヒーブランドがありました。シドニーに到着したあと、早速現地で打ち合わせに行ったのですが、PR担当とグラフィックデザイナーが、かなり詳細に作り込まれたオリエンテーション資料を抱えて出てきて衝撃を受けたことを覚えています。

日本では、カフェに専任のPRとグラフィックデザイナーがいるという環境はそうないはず。そのくらいデザインに投資することが当たり前になっているからこそ、空間の平均値も高いんだなと感じます。

カフェ & レストラン

ホテル内には、カフェやレストランも充実しています。
ガラスの天井で、まるで屋外のようなカフェは開放感抜群。

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レストラン PRINCE DINING ROOMは朝から夜まで本格的な料理を提供しています。 


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レストランのデザインは、地元Melbourneの設計チームIF Architectureが担当。

このチームがまた最高にセンスが良くて、Melbourne滞在中に訪れ、内装が素敵で印象に残っていたワインバーMARIONも彼らのデザインでした。

PRINCE DINIG ROOMは、ご飯もコーヒーももちろん美味しいし、食材の使い方が意外性満載で楽しい。MelbourneやSydneyは食のレベルが本当に高いです。

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▲リコッタチーズを挟んだブリオッシュフレンチトースト。美味しくないはずがない贅沢なメニュー。

最近、PRINCE PUBLIC BARという広々としたバーもオープンしたみたい。


僕が泊まった時はちょうど建設中だったので、次回行くのが楽しみなスポットです。

良いデザインは人の心持ちを変える力がある

PRINCEは、北欧のミニマルさをベースにシックにまとまっていて上品。
その上、カラーリングのおかげでハッピーさも同居させている。
とてもメルボルンらしさが溢れたホテルだな思います。

個人的には、このホテルの客室のドアを開けた時の感覚がとても記憶に残っています。

陽の光がたっぷりはいって気持ち良い広々とした空間、上品だけど遊びがあるハイセンスなデザイン。

ホテルを出た直ぐそばのビーチに目もくれず、思わず室内で1時間以上休憩してしまいました。

チェックインの日は飛行機、バスと乗り継いで疲れていたけど、部屋のドアを開けた瞬間からみんな笑顔になって、一気に元気に。
良いデザインは、人の心持ちを変えるなーと改めて実感しました。

僕にとってホテルは、ただ泊まるための場所ではなく、旅の目的地です。
「早く自分でもそんなホテルを作りたい」という気持ちを強くさせる宿泊体験でした。

滞在情報

最後に滞在情報です。

僕が宿泊したときは1月のホットシーズン(オーストラリアは真夏)だったので4.5万円以上しましたが、現在はかなり安く一泊171AUD〜泊まれるようです。
日本円だと12,965円に当たるので、信じられないくらいお得ですね...。

ホテルが佇むSt Kildaエリアには、美しいビーチを中心にシャレたバーやカフェ、レストランが点在するナイトスポット。メルボルンに訪れたら、St Kildaに一泊するのはありだと思います。

世界中でホスピタリティ業界は危機を迎えており、Princeもビジネスの継続のために試行錯誤を続けています。
旅行が解禁されて、メルボルンに行く機会があれば、是非宿泊してみて下さい。

良い空間を残していくために、この記事が微力ながらも貢献できれば幸いです。

<The Prince Hotel>
HP:https://theprince.com.au/
Instagram:https://www.instagram.com/theprincehotel/
Address:2 Acland St, St Kilda VIC 3182 オーストラリア
Price:一泊171AUD〜

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