人の育て方と、向き合い方
会社を立ち上げてもう4年が経とうとしている。
お店を2店舗経営していることもあり、アルバイトを含む従業員は25名を超えた。ここ1年で一気に拡大した形だ。
自分がこんなにメンバーを抱えるなんて思っていなかったので、自分でも驚いている。
組織が大きくなり、これだけメンバーが増えると、立ち上げメンバーのマンパワーで全てをこなすことは難しい。
となると重要になるのは、いかに人を育てて、任せるか。
「人を育てる」ことに関しては、サラリーマン時代にマネージャー経験がなかったこともあり、ほとんど未経験。今自分の中で最も模索している仕事かもしれない。
人の育て方には正解がないから難しい。
これだけメンバーがいると、年齢が一回り違う人もたくさんいる。
世代が違うと価値観は大きく異なるので、まずそれを理解しなければいけない。
つくづく思うけど、人への教え方は、自分が育った環境に大きな影響を受ける。
自分が20代に仕事の基礎の全てを学んだ組織では、気合い論ではなく常にロジカルで正論のフィードバックを受け続けていた。
感情論や過程では無く、常に結果に対しての評価だった。
望む結果が達成できないのであれば、常に努力不足であり、改善が必要という考え方がベースになっていた。(アメリカの企業だったからかもしれない)
その組織で、自分は入社してから1年3ヶ月もの間会社から与えられた目標を達成出来ず、自分の能力不足を実感し続ける辛い日々を過ごした。
今思うと、社会人生活で一番辛い日々だった。
毎日続く上司、先輩達からの改善フィードバックはもちろんこたえた。
一方で、自分の能力が足りていない事を自覚していたし、早く彼らのようになりたかったから、包み隠さず正直に改善点を教えてくれたことに感謝もしていた。全く理不尽では無く、ぐうの音も出ないくらい正論だったし。
向上を目指して正面からフィードバックしあう文化を持つ組織にいれたことも幸運だったと思っている。
(一回だけ張り詰めてオフィスで号泣したのも良い思い出。)
「あの時の経験があるから今がある」と確信を持って言えるからこそ、当時向き合ってくれた上司や先輩達にはずっと感謝している。
ただ、同時に今この育て方が成り立つ組織は多くないとも感じている。
自分は過去育った環境、経験に感謝しているからこそ、意識せず全く同じようにそれをやってしまう。
過去の自分にそうするように、良かれと思い、正面からどストレートに正論フィードバックをぶちかましてしまう。
ただ、これが成り立つのは、「明確で強い目的意識がある人を相手にした時だけ」だと、最近になってやっと気づいた。
組織には、色々な人が色々な目的でその職場にいる。
これから30人、40人と人が増えるほど、その目的は多様化していく。
自分のように独立起業を目指している人ばかりじゃない。口ではそう宣言していたとしても、心底決断して行動している人は相当レアだろう。
それを理解して、お互いのゴールを擦り合わせる事が大切だ。
と、頭ではわかった。
わかったからこそ、改めてメンバーにどう向き合うかをここ最近ずっと悩んでいた。
その結果たどり着いたのは、人は自分が育てられたようにしか育てられないということだ。
自分の場合は、その人本人が語る未来についてコミットして、プロとしての結果にこだわり、達成に向けてフィードバックし続ける関わり方しかできない。
自ずと本気度が低い人や、仕事への価値観が合わない人は離脱していくだろう。でも、人の入れ替わりは悪いことではなく、目的意識を共有するチームになるために必要不可欠なことだ。
「これを言ったら凹むかな」とか、「ここまで求めるとしんどいかな」という考えは常に頭をよぎるけど、人の離脱を恐れて言うべきことを言わないと、人もチームも成長しない。
5年後に心から、「あの時間があって良かった」と思ってもらえることを願い、正面から向き合っていくと覚悟を決めた。
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